防人よ
「自国の旗を守るのが恥ずかしいなら、他を探せばよい。」 ― 不詳
「いいのか、飛び降りると俺は死ぬぞ!」
柵に手をかけた格好でこちらを向く。
「バカ言うな。お前にはやってもらうことがまだあるんだからな!」
「うるさい、無能政府の犬に捕まるぐらいなら飛び降りてやる!だから近づくな!」
無線のスイッチを入れ、状況を知らせる。
「こちら第一一強襲隊、機動隊聞こえるか」
『こちら機動隊、聞こえる』
「こちら第一一強襲隊、TMを屋上にて発見。飛び降りをしようと転落防止柵に手をかけている状態だ。そこの盾、どいてくれ」
腰のダンプポーチから黄色いテイザーガンを取り出す。
「なんだそれは、そんなにおもちゃなんか怖くないぞ!」
TMはテイザーガンをおもちゃだと勘違いしている。そんなTMに向かってテイザーガンを構える。
「今すぐ柵から離れろ、離れないと痛い目に合うぞ!」
盾の間を通ってTMに近づく。
「うるさい、こっちに来るな!」
怒鳴り声を上げて抵抗をしている。
テイザーガンの安全装置を解除する。
「最後の警告だ、今すぐ柵から離れろ!」
チュイーン
一段階テイザーガンの引き金を引き、電圧を高める。
「こっちに来るな、来るな!」
パン!チチチチチチチ
「あっ、ああああああ!」
引き金を引ききると、テイザーガンから飛び出した針がTMに刺さり、高電圧の電気が流れる。
「確保、確保ー!」
一斉にTMを取り押さえる。
『TMの逮捕を確認、護送車に乗せろ』
後ろ手に手錠を掛けられたTMがこちらを向き、叫ぶ。
「先の大戦でアジアを侵略して迷惑をかけた癖に、まだ侵略をしようとする政府を変えようとしただけだぞ、憲法違反の犬め!」
よくわからない言葉を発しながら護送車に連れていかれていった。
「こちら第一一強襲隊、機動隊聞こえるか」
ヘッドセットのマイクに向かって連絡をする。
『こちら機動隊、どうした』
「これより強襲隊は残存している抵抗者を確保する、以上」
まだ銃声が辺りに響いている。
「第一一強襲隊01、02、03は騎銃を使用、残りの04、05、06はテイザーガンを使用してできるだけ抵抗者を確保すること」
「第一二強襲隊01、02、03は騎銃、04、05、06はテイザーガンだ」
屋上から階下に移動するために階段を降りる。
降りた先に一人の男性が立っていた。こちらに気がついたようでこちらを振り向く。
「動くな!」
銃を向けると両手を挙げ、降参のポーズをとった。
すかさず手信号で後続に拘束することを伝える。
「壁に手をつけろ」
そのまま身体検査をし、両腕を後ろに回して拘束する。
「他にも仲間はいるか?」
「いる、まだ数人いる」
そのとき、近くの扉から一人飛び出てきた。
「ウオオオ!」
パン!チチチチチチチ
すぐさま涼香が反応し、テイザーガンを発射する。
「ウガァァァァ!」
電気で倒れたところをすぐに拘束する。
「こちら第一一強襲隊、屋上から降りてすぐのところで二名を拘束、繰り返す、二名拘束」
『了解、応援を送る』
盾を持った機動隊員がすぐに来た。
「拘束者二名、うち一人はテイザーガンを使用」
「了解、拘束を確認。捜索を続けてください」
機動隊員と拘束した二人はすぐに階下に消えた。
手信号でこの階の捜索を続けることを伝える。涼香がテイザーガンのカートリッジを取り替えたのを確認し、捜索を再開する。
カチャリ…ダダダダダン!
突然廊下の突き当たりのドアが少し空き、自動小銃のめくら撃ちをくらう。
パパパン!パパパン!
三点制限点射でドアを撃つ。
「ウグッ…」
89式騎銃から発射された弾頭はいとも簡単にドアを貫通し、後ろに隠れていた者を倒す。
「フラッシュバン!」
ドアに取りつき、中にフラッシュバンを投げ入れる。
バン!キイーン
ドアを開けて中に入る。
持ち変えたテイザーガンを構え、針を撃ち出す。
パン!チチチチチチチ
「アアアア!」
痛みに悶えている間に拘束をする。
「拘束よし」
拘束の確認をしたところに無線で連絡が入る。
『こちら機動隊、防衛省から強襲隊撤退命令が出た。かわりに機動隊を送る』
『こちら第一二強襲隊、了解した。捜索を終了し、機動隊と交代する』
「こちら第一一強襲隊、了解した。機動隊と交代する。強襲隊全員につぐ、交代後、現場より撤退する」
交代の機動隊と入れ替わり、地上階へ移動。停車していた軽装甲機動車に乗り込み、現場から離れる。




