議事堂を解放せよ
三、四分ほど駆け足をしただろうか、扉が現れた。
「ここから議事堂か?」
「そうです、この先に階段があります。その階段を昇ると機械室にでるようです」
「近接戦闘だ、気を付けろ」
扉を開け、機械室にでる。
機械室の扉を少し開け、小さな鏡を出して周囲を探る。鏡には誰も写らなかった。
ハンドサインで強襲隊に第一一と第一二に別れることを伝える。小さな声でSATに指示をだす。
「ここで強襲隊は二つに別れる。どちらかについて行くのもいいし、ここで待つのもいい」
「ついていく。SAT、二つに分ける。お前とお前は俺と第一一強襲隊についていく。残りの者は第一二強襲隊についていけ」
機械室の扉を完全に開け、廊下に出る。
「司令部、こちら第一一強襲隊。議事堂内への進入に成功」
『了解、それと今わかったことだが、海外の要人が傍聴していたことがわかった』
「了解、場所はどこだ」
『傍聴席にいるとみられる』
ちょうど目の前に武装集団のグループの一人が角から出てきた。しかし、こちらの方には向かず、その反対側へ歩いていく。
後続に手信号で確保すると伝える。
結束バンドで作った手錠を雅人に渡し、二人で背後から忍び寄る。
相手の口を手で抑えたあと、足を掛けて横に倒し、雅人が素早く手を後ろに回して手錠を着ける。
「司令部、こちら第一強襲隊。容疑者一名確保」
『了解した、地下トンネルに後続のSATがいる。彼らに引き渡してくれ』
容疑者を引き渡し、議場に近づく。
『こちら第一二強襲隊。これより傍聴席に向かう』
東山達が傍聴席に、こちらは下の議場へと向かう。
「おい、まだ見張りが帰ってこないぞ」
「あいつか…どっかで道草でも食ってんじゃねえのか」
話し声が聞こえる。角の向こう側から聞こえた。鏡で向こう側を覗くと二人いた。手信号で状況を説明、背中に回していたM870を操作する。マガジンチューブからシェルを二本抜き、暴徒鎮圧弾を二本入れる。
手でカウントダウンをする。
5、4、3…と数えていき、0で角から出る。
フォアエンドを引いて鎮圧弾をチャンバーに装填、発射する。
ガシャン!バコン!
すぐさま二発目をチャンバーに送り込む。
ガシャン!バコン!
後ろで待機していた強襲隊のメンバーが拘束、SATが周囲を警戒する。
「こっちから大きな音がしたぞ!」
他の相手に気付かれた可能性が大きい。
「容疑者確認、銃を所持している!」
SATの一人が叫ぶ。
「くそ、警察がいるぞ!」
ババン!
こちらに向けて発砲してきた。
カチチチン!カチチチン!
SATのMP5SD6が火を吹く。
「こちら第一一強襲隊、武装集団の一部と銃撃戦になった!」
『こちら第一二強襲隊、傍聴席前に到着。状況緊迫のため突入を早める』
キシュ、キシュキシュ
くぐもった発砲音の小銃で的確に相手に弾を叩き込む。
「こちら第一一強襲隊、議場前に到着。突入するぞ」
『第一二強襲隊了解!』
『SAT第二小隊了解!』
『こちら司令部、カウントダウンをする。五秒前、四、三、二、一、突入!』
扉を開ける。
キシュキシュ、キシュキシュ
中の武装集団が応戦しようとする前に小銃で倒す。
『傍聴席を確保』
「議場確保繰り返す、議場を確保した!」
『こちら司令部、応援をそちらに送った』
議事堂正面玄関には軽装甲機動車と96式装輪装甲車、機動隊の特型警備車が停車、乗っていた隊員が続々と議事堂へ入ってくる。
『こちら司令部、強襲隊へ連絡。正面玄関に停車している96式装輪装甲車へ乗り、市ヶ谷駐屯地に移動せよ』
「第一一強襲隊および第一二強襲隊は命令に従い96式装輪装甲車に乗車する。なお、この命令は応援の部隊が到着してから発動する」
『了解』
短く返される。
その後、応援の部隊が議場に到着、交替をしたあとに正面玄関に待機している96式装輪装甲車に乗る。そして後部ハッチを閉めた96式装輪装甲車は市ヶ谷駐屯地へと走り出した。




