特別演習、終了
ズゥゥゥゥゥゥン
地響きのような音がする。遠く離れた場所で99式自走155㎜榴弾砲が実弾射撃を行っている。今回の演習は射撃を行っているのとは別の隊とするものであると事前に群長から説明を受けている。
独立作戦群の第一小隊はゲリラ役として自走砲を無力化することが第一目標となっている。
「この一週間のどこかの日に攻撃されるとしかあちらには知らされてないから、別に明後日に攻撃をしてもよいが、実戦ならば迅速にやらなければならない…」
他の班長が部下に指導している。
今回の編成は第一班から第四班、第六班から第九班が突撃を担当し、第五班と第十班は狙撃を担当している。
『こちら30、敵情を報告。500m前方にM2重機関銃銃座を確認。その先50m先には高機動車による警戒線あり。警戒線より50m先に砲陣地指揮所を確認』
「了解、突撃班は重機関銃銃座を中心に扇型に散開。左翼に一から四班が、右翼に六から九班が担当する。それとバトラーシステムの状態を確認しろ」
無線をつかい、すべての班に伝わるようにした。
『こちら六班、十班までの展開を完了』
「了解した。第三、第四は交互躍進をせよ」
第三、第四班は三、四秒駆けたあと、すぐに匍匐姿勢になる。前方の敵情を確認したあと、また駆け出す。これを繰り返し、銃座左右後方にたどりついた。
ドドドドドドン!
M2が火を噴く。
『こちら第四班、被弾者はいない』
『こちら第三班、右に同じく』
誰も被弾していないことを知らせてきた。
鉄帽やら草木で作った案山子を人間と見間違ったか、それかとも攻撃してくるゲリラに『そこにいるのはわかっているんだぞ』という威力行為のどちらかだ。
『第七、第八班は交互躍進を開始せよ』
展開を終了したとの旨の無線がはいった。
「かかれ!」
パンパンパン!
豆を炒るような5.56㎜NATO弾の銃声。
ものの数分で指揮所は陥落。その後、十分程度で自走砲はすべて無力化された。
いかに高度なデジタル化されていようとも指揮無しには自走砲も無闇には撃つことができない。
『最後の隊員を確認!撃てー!』
「これで最後か、よっと」
パシャリ
雅人が指揮所制圧の証拠となる写真を撮る。撃たれた隊員は首から赤い戦死プレートをさげて。
その時、無線が入った。
『こちら、群司令部。そちらから一キロ南東のLZ2にヘリコプターを送った。十五分後に到着する』
「了解。すぐに移動する」
『全班は装備の確認後、すぐにLZ2に移動しろ!』
数分後、第一小隊はLZ2に移動を開始した。




