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J-Guns!  作者: オタリックス
突然の訪問者
17/38

ドラゴンハント

ウーウーウー!

基地のサイレンが鳴りはじめる。

ヒュルルルル

ドドーン

「敵迫撃砲着弾!」

「負傷者発生!繰り返す、負傷者発生!」

ここはすでに前線基地。戦火に晒されはじめた。

「瑞生、瑞生!司令部から呼び出しだ!」


『今のままだと航空戦力のほとんどはアフガン、タジキスタンから送って貰うしかない。我々は不利だ』

司令はマイク向かって叫ぶ。

「どうするのですか?」

『幸いにも土地は大量にある。基地から後方に滑走路をつくる。もちろん人民開放軍がくる前にだ。これより手の空いている者は滑走路および航空戦力増強のための作業に入ってもらう』

「今更滑走路をつくるのですか…」

『そうだ、それを航空戦力の出撃基地にする。大型輸送機が離着陸できるものを今回君たちにつくってもらう。土地は平坦に近い。地面をならすだけで終わるそうだ』


あれが二日前。滑走路や簡易的な管制塔まで完成している。

もちろん昼夜を問わずに作業をしたためだ。

「作戦か…戦場はどうなっている?」

司令部にいた情報担当に聞く。

「はい、先程まで長距離の戦いとなっていましたが、現在双方ともに近づいているようです」

『こちら群二三班、敵が市街地に入った!』

応援に駆けつけた第二大隊からの通信が室内に響く。

「群一一班、これより出撃します」

「了解しました」

駐車場に移動する。

「群一一班01、第一小隊全員に連絡。これより人民開放軍を退け、タジキスタンに平和をもたらす。行くぞ!」

『了解!』

「行くぞ、MRAPに乗り込め」

MRAP運転席のステップに足を掛けるとき。

「…瑞生」

「どうした、柊」

「私、私…あなたのことが好きなの…」

突然の告白。ここが戦場でなければ飛び上がっただろう。

「ありがとう、柊。すぐに乗り込め」

「えっ、うん」

今回MRAPのハンドルを握るのは俺だった。

市街地へ向かうMRAPの車列。それが長く続いている。

『前方、敵航空機!』

『対空戦闘開始!』

「対空戦闘開始!」

MRAPの銃座を改装し、M2重機関銃を三挺追加し四挺にし、仰角を増大させ、スティンガーミサイルを追加した対空MRAPが対空戦闘を開始する。そのうちの一台が俺達の車輌だった。

ドドドドドドドドドン!

『アベンジャー対空システム起動!』

対空MRAPに搭載されたアベンジャー対空システムも起動する。

『敵機投弾体制!』

車列に向かって爆弾が投下される。

『一号車付近に命中!』

『こちら一号車!爆弾は不発、繰り返す爆弾は不発!』

「そういえば中国の爆弾って爆発しないことで有名だったな」

「だからと言って楽観はできないわ」

『こちら一号車だ。まもなく市街地へ入る』

「了解。市街地戦、準備!」

車内にいる全員に伝える。

「了解!市街地の準備に入る」


予め決められたルートに車列は別れて行く。

カカカン

「前から着弾音がしたな…片木!」

「おう、前方に一杯いるぞ。突撃してきた!」

ウワァァァァ!

ドドドドドドドドドン!

次々と敵兵が挽き肉になる。

「よし、対空MRAPをミートチョッパーⅡと名付けよう」

「オリジナルのミートチョッパーって?」

「まあ朝鮮戦争のときに人海戦術を使ってきた中国人民志願軍に威力を発揮したM16対空自走砲のことさ。搭載しているM2の数も同じだしな」

「それはいいな。よし、こちら群一一班、これより一班は対空MRAPをミートチョッパーⅡと呼称する」

『司令部了解、こちらもミートチョッパーⅡと呼称する』

対空MRAPの名前が決まってしまった。

ミートチョッパーⅡを交差点の角に停車させる。

「市街地戦を開始する。降車」

ミートチョッパーⅡの後部ドアを開放、後ろを走っていた軽装甲機動車の隊員と運転を交代する。

「徒歩機動か…久しぶりだな」

「こっちにきてからほとんど車輌で移動していたからな」

トトトトン!

「散開、散開!」

すかさず近くの遮蔽物に隠れる。

『前方30メートルに敵兵2名』

「了解、適宜攻撃せよ」

パンパン!トトトン!バババババババ!

「1名ダウン、前進!」

じわりじわりと近づく。

『後方50メートルに敵兵複数確認』

パパパン!

『敵のほとんどを倒した』

前方にある建物の窓のうちひとつがキラリと光った。

パーン!

「あっ!」

「柊!」

柊が後ろに倒れる。肩に被弾したらしくそこを掴んでいる。

「片木制圧射撃だ。柊を救出する!」

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