首都奪還、休息
「あぁ~、やっとついた~」
「一時間ちょっとじゃない。それより瑞生、この後どうするか聞いてきなさいよ」
基地についたとたんにこれだ。
「あっ、もう昼か。片木、飯行こうぜ」
「ちょっと聞きなさいよ!」
統合作戦指令室
「作戦を変更することになりました」
「で、どのように?」
もともと朝は独立作戦群と米軍、英軍、カナダ軍が。昼からは独立作戦群、カナダ軍と入れ替わりにフランス軍がカブールへ進撃するという内容だった。
「やはり敵の抵抗が激しいので独立作戦群とカナダ軍も参加することになりました。で、必要なものは全て届いたので後で受領してください」
「はぁ…わかりました」
作戦途中で決して小さくない変更が入ることに。
「瑞生、昼飯もらってきたぞ」
「あぁ、ありがとう」
雅人から昼飯の戦闘糧食Ⅱ型と皿を受けとる。
「おっ、カレーだ。えっと携帯加熱剤はと…あったあった。これに水をかけて」
携帯加熱剤と水が反応し、加熱が始まった。そこにカレーのパウチとご飯のパウチを置いて加熱させる。
「熱!やっぱり慣れないな、これ」
「片木、そりゃお前がせっかちだからだろ」
アハハハ!
「皆さんお揃いでランチですか?私も入れてくださいよ~」
マックがやって来た。
「やあマック。自分のチームと一緒に食べないのか?」
「チームなら夜戦のために待機所で寝てますよ」
「なるほど。で、2つの軍事集団が集まったときはやっぱり…?」
「食べ比べだ!」
「ですよね!このために二食分のMREをもらってきました」
「こっちは片木のやつをだそう」
「いや、ちょっと待て高山」
「なんだよ片木。二食も貰ったのお前だけだぞ。当然お前の分がでるだろ」
「うぅ…」
「私のMREはこれです!」
MREを高々と掲げる。
「げ、 Wornick社製かよ… 」
米軍にMREを納入しているのは Wornick社を含め三社あり、そのなかで一番まずいと言われているのが Wornick社のMREと言われている。
「いやー、部下に交換させられたんですよこれに」
「上下関係があまり無いというのか舐められているのか…」
そして、マックの調理が終わったのをみて、食べ比べが始まる。
「うお!なんだこれ。薬の味がする…」
「うん、やっぱり日本のレーションは美味しいですね」
それぞれのレーションの良いところ悪いところを討論していたところに他の国々の兵士が集まり、基地司令の一言で美味しいレーションを決めることにまで発展してしまった。
「ジャパニーズレーションイズナンバーワン!(日本のレーションがナンバーワンだ!)」
「ノウ!レーションオブフランスイズザベスト!(違う!フランスのレーションが一番だ!)」
「カナダのレーションも旨い!」
そして、投票の結果…
日本の戦闘糧食Ⅱ型が一番票を獲得し、米軍のMREがもっとも票を獲得することができなかった。
これを受けてバグラム空軍基地最高司令官のダン・ウィリアムズは日本の戦闘糧食Ⅱ型をこの基地の基本糧食とすると決定した。
「おいマジかよ…工場持つのか?」
だが、特殊作戦群とデルタフォースからの連絡によってその場は凍り付いた。
イスラム連邦指導者、アル・カハードはすでにいなかったと。