プロローグ
妾の名前はフェイト。
職業神様。
仕事は簡単に言うと若者に特別な能力を与え転生させると言う事をやっておる。
若い身空で死んだ者への救済措置という奴じゃ。
そんな妾だが最近気に食わんことが1つある。
それは転生された者達の行いじゃ。
昔は妾から力を与えられ転生したものは皆人々を救う勇者となったものじゃが。
最近の若いものにはチート転生と言う概念があり、第二の生を受けても好き勝手にする奴がそれなりにおる。
妾は不幸な事故などで死んだりして、可愛そうじゃからチート能力与えて転生させたのじゃが、その異世界でやれ奴隷でハーレム作ったり、普通の村人相手にやれ外道な行いをしたり、やれ悪の大魔王になったりをしておるのでいい加減堪忍袋の緒も切れた。
――もうお前たちには任せておけぬ。
妾自らその異世界に乗り込み懲らしめてやろう。
「そういうことなので、後は任せた」
妾は台座から降りると神様見習いに手を振る。
「は? え? ちょっ!!」
見習いが気付いた時にはもう遅い。
「ふぅーっはっはっはっはっはっ」
妾は式を展開すると異世界に転移した。
――ざまあみろ。
いつも妾を便利屋扱いし、おやつを減らすからじゃ。
転生者共の討伐がてら、羽でも伸ばすとしよう。
妾は笑みを浮かべながら粒子に溶けていった。