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プロローグ 夢の狭間に
三分の一。それがこの一年間でいなくなった学園の生徒の総数である。何も死んだのではない、彼らはただ耐えきれなかっただけなのだ。この学園の過酷な【教育プログラム】に。
百パーセントの力を出すからそうなるんだ。バカなやつらだ。
ミゲル=マクシミリアンは、寮の窓枠に顎をのせながら、蒼穹を仰ぎ、そしてゆっくり中庭へと目を向けた。また一人、名も知らぬ生徒がちょうど学園から逃げるように正門の方へ走り去っていくところであった。その生徒の後ろ姿を退屈そうに、こともなげに見送って--彼は、二度寝した。