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はずれスキル『模倣』で廃村スローライフ!  作者: さとう
第七章

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毒の湖にダイブ!! 

 毒の湖にダイブしたが……案の定、酷い視界だった。

 というか、沈む。

 身体が輝いているのに関係しているのか、ズンズン沈んでいく。


「こ、こええ……って、声出る」


 水の中なのに声出せる。

 ヘドロまみれの水中に沈んでいくと、魔獣の骨や内臓丸出しの死骸がいっぱいあった。そして毒々しい毒草とか、よくわからん鉄くず……もう、とにかく酷い。

 すると、少し先に銀色の光……あ、イヌガミを抱っこしたマオだ。

 そしてさらにその先では、水色の光が見えた。


「にゃあー、ご主人さまー」

「マオ、イヌガミ」


 ようやく追いついた。

 俺たちの先を泳ぐのは、『怪人態』となったリア、セノの二人。

 せっかくだ。ついでに……と。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇セノ 16歳 男

 〇スキル『海人』 レベル42

 〇使用可能スキル

 ・怪人態 ・水魔法

 ◇◇◇◇◇◇


 ステータス確認……ある意味これ、完璧な個人情報だよな。

 そしてスキルをコピーして、と。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇有馬(ありま) (けい)

 〇スキル『模倣(コピー)』 レベル31

 ・現在『海人(ウミンチュ)』 レベル42

 〇パッシブスキル

 ・水中呼吸

 〇使用可能スキル

 ・海魔法・水魔法・海王武装

 〇スキルストック

 ・蹴闘士・女神の化身(クロ)・女神の化身シロ

 ・精霊導師・勇者・聖女・蟲闘士

 ◇◇◇◇◇◇


 うみんちゅ……スキル『海人(うみんちゅ)』かよ。

 まあ名前はいいや。パッシブスキルに水中呼吸、水魔法、海魔法……お、海王武装ってある。


 ◇◇◇◇◇◇

 〇海王武装

 ・オーシャンアーマーを身に纏いパワーアップ

 ◇◇◇◇◇◇


「何ぃぃぃぃぃぃ!!」

「にゃあ!!」

『ぬおっ……主よ、驚かせるな』

「す、すまん」


 なんと、蟲殻武装だけじゃない、海人も変身できる!!

 バトル系の能力って変身できるのかな? でも勇者とかはない……あ、もしかしたら種族の特性をコピーすると変身できるとか!! 

 うおおおおお、帰ったらドラゴニュート族もチェックしなきゃな!!

 ややテンションが上がる俺。いつ変身しようかな~と思っていると、見えてきた。


「人間、見えてきた……オレたちの住処だ!!」

「おお……あれが」


 でっかい貝殻みたいなのがいっぱいある。そして、貝殻を覆うように水色の膜が張っていた。

 膜の中だけ、普通に透き通った水で満たされている。


『あれが水の大精霊による結界じゃな……だが、だいぶ弱っておる』

「その通りだ。『ピュアラプラ・リプス』様の結界も間もなく切れる……そうなれば、弱っているラプラス族から順に、死を迎えるだろう……」


 セノが苦しそうに言う。

 俺は聞いてみた。


「でも、ラプラス族って地上で活動できるんだろ? その……地上で暮らすとか」

「……地上に適応するためには訓練が必要なんだ。オレや姉さんは才能があったからすぐ適応できたけど……今、残っているラプラス族はみんな、水中じゃないと生きていけない」

「……おお」


 なんというか、聞かなきゃよかった。

 とりあえず、リアとセノの案内で膜に近づく。すると、そのまま膜に体当たりすると『すぽん』と膜の中に入ることができた。


「おお、すげえ……」

 

 綺麗な水の中だ。でっかい貝殻の中にさらに貝殻があり、貝殻を組み合わせて家のような形になっている。家の数は二十くらいかな……まるで村だ。


「ここは私たちの村です……本来ならもっと同胞がいるんですけど、今じゃもう三十名足らずで」

「みんな、毒で苦しんでいる……」


 リアもセノも辛そうだ。

 俺はマオに抱っこされているイヌガミに聞く。


「なあ、早く何とかしてやろう」

『うむ。小僧、小娘……『ピュアラプラ・リプス』を呼べ』

「は、はい」

「こ、こちらです」


 うーん、もふもふしたサモエドの子犬にしか見えないけど、威厳を感じるな……リアもセノもすっかり従ってる。

 案内されたのは、村の奥にあるデカい貝殻の家。そこから水色の光が放たれ、膜を維持している。

 家に入ると……そこにいたのは。


『……なんと。まさか、このような場所にあなた様がいらっしゃるとは』

『水の大精霊。事情は聞いた。儂の力を一時的にそなたに与えよう。その力で、湖を浄化せよ』

『い、イヌガミ様……ありがとうございます』

『礼は主に言うとよかろう』

『ははあ……!! イヌガミ様の主。どうか名を聞かせて欲しい』

「…………」

「にゃあ。ご主人さま」

「え、ああ……うん」


 水の大精霊『ピュアラプラ・リプス』か……金華さん曰く『八王種族』のラプラス族に力を与えた大精霊で、この世界でもトップクラスの力を持つんだよな。


『あの……どうかされましたか?』

「……いや。えっと、『ピュアラプラ・リプス』さん……ですよね」

『如何にも。我は水の大精霊、『ピュアラプラ・リプス』……どうか名を聞かせてほしい』

「有馬慧です。ケイでいいっす……」

『ケイ殿。感謝いたします』


 えー……驚いたぜ。 

 水の大精霊……その姿はなんと『ゴマフアザラシの赤ちゃん』にしか見えなかった。

 白じゃなく、水色の体毛だ。まんまるコロコロした可愛いらしい姿で、大きさも俺が抱っこできるくらい……いや、マジクソ可愛い。

 すると、イヌガミがマオの手から離れ、大精霊の元へ。


『さあ、受け取れ』

『おおお……力が、溢れてくる!!』


 ふわふわサモエドの子犬が、まんまるコロコロしたゴマフアザラシの赤ちゃんにスリスリしている……シリアスな場面のはずなんだが、俺はめちゃくちゃ癒されていた。


『はああああああ!! 湖よ、浄化せよ!!』


 すると、赤ちゃんアザラシから水色のオーラが一気に放出され、周囲のヘドロが消えていく。

 それだけじゃない。魔獣の死骸も消滅し、水が一気に浄化された。

 同時に、村を包んでいた膜が消える。


「おおお!! 姉さん、姉さん!!」

「ええ……湖が、こんなに……!!」


 感激してる……すまん、俺は水の大精霊がコロコロ回転してるのを見て癒されてます。

 イヌガミも可愛いらしく犬かきして泳いでるし。


『凄まじい力だ……イヌガミ様、感謝します。そしてケイ様……ありがとうございます』

「え、ああ……うん」

「にゃあ。もふもふー」


 そしてマオ。イヌガミを捕まえ、アザラシ赤ちゃんを掴んで撫でまくっている……そいつ大精霊なんだが、かなり羨ましい。

 水中でももふもふしてるのかな……と思っていると。


「ケイ様!!」

「うおっ!? び、びっくりした……な、なに?」


 いきなりセノが怒鳴り、俺の足元へ跪いた。


「数々の無礼、お許しください……あなた様の全てに感謝します!!」

「あ、ああうん。気にしないで」

「ケイ様。ラプラス族代表として、お礼申し上げます……本当に、ありがとうございます」

「いやいや。それより、まだ具合悪い人いる? ついでに俺の魔法で治すよ」


 海魔法を見ると回復系の魔法もあるしな。

 地上も気になるけど、とりあえずこっち優先で仕事しますかね。


『主よ。儂はこれにて失礼する……爺には堪える仕事じゃわい』

「ああ、お疲れ様……って、魔法大丈夫? いきなり溺れたりしない?」


 俺とマオが地上に戻るまで水中呼吸の魔法は持続するようだ……よかった。

 さーて、ラプラス族の回復に力を貸すことにしますかね、っと。

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