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はずれスキル『模倣』で廃村スローライフ!  作者: さとう
第三章

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アースタイタン

 マオと手をつなぎ、猫たちの作業を手伝いに行く。

 俺と一緒が嬉しいのか、マオはニコニコしながら歩いている。

 そして、最初の手伝い……河川に来た。


「うわ、こりゃ酷いな」

「にゃあ」


 俺たちの村には川が流れており、そこから畑などの水や、ため池なんかに回していたようだが……現在は川が枯れてしまい、田畑も死んだ状態だ。

 なぜ枯れたのか? その原因は、河川を塞ぐ廃材、巨石、土や泥の塊だ。


「そういやここ、魔族と人間の戦いで潰されたんだっけ……ここだけじゃない、他の村や町も、徹底的な破壊を受けたのかもな」

「にゃうー……」

『あ、ご主人様!!』


 と、河川復旧担当の猫、ミモザが来た。

 ミモザはちょっと太めのブチ猫。けっこうなパワー系らしいので、力仕事を重点的にするため、こっちのほうに……というか、パワー系とかよくわからん。

 ミモザ、二足歩行になったり、美少女に変身するわけでもない、マジで普通の猫なんだけど……どうやってこの岩とかどかすのかな。


『とりあえず、ワイらのチームで少しずつ、岩や材木をどかします。けっこう時間かかるかもですが……」

「俺も手伝うよ」

「にゃあ。わたしも!!」

『ご主人様、マオちゃん……あざっす!!』


 マオはちゃん付けなんだな。マオはミモザを撫でてご機嫌だ。

 さて、今回は遠慮せずに魔法を使うぞ。


「にゃあ。ご主人様、運ぶね」

「え? ああ、って……!?」


 マオは、巨石に近づくとひょいっと持ち上げた。

 いやいや、数トンはありそうな岩を軽く持ち上げ……まあいいか。勇者レベル80くらいの強さを持つらしいし、岩くらい持てるだろう。

 俺はステータス画面を浮かべ、魔法の項目を選択。

 こういう時に役立つのは……やっぱ地属性かな。


 ◇◇◇◇◇◇

〇神地魔法

・グラウンドセッコ・デザートストーム・大地の怒り

・黄泉泥泥・グランドダッシャー・アースタイタン

 ◇◇◇◇◇◇


 まあわかってたよ。破壊の洪水を起こしそうなラインナップってことはな。

 さて……目の前にあるのは川を塞ぐ廃材、岩石、泥や土。

 猫に偵察してもらったが、川は普通に流れており、分帰路辺りから廃材などで塞がっているようだ。よって、まずは上流の分帰路を板か何かで塞き止め、ゴミを撤去する。


「よし、ミモザ。川の上流が完全に塞き止められているならそのままでいい。ここから少しずつゴミを取り除いて、分帰路辺りまで行こう」

『はい!!』

「まず、俺の魔法……」


 俺は神地魔法の技を注視する……すると、説明文が現れた。


 ◇◇◇◇◇◇

〇グラウンドセッコ

・大地を爆発させ大穴を作り、敵を奈落の底に引きずり込む。

 ◇◇◇◇◇◇


 こっええよオイ……これ使えねぇ。

 というか、神魔法がマジで使えねぇ……異世界あるあるだが、こういう時って土魔法とかかなり使える分類に入るんじゃないのか?

 他のも確認したが、使えそうなのは一個だけだった。


 ◇◇◇◇◇◇

〇アースタイタン

・大地の化身を召喚することができる。

 ◇◇◇◇◇◇


 大地の化身か……これは使えるのか、どうだろうか?

 

「にゃあ。おもいー」

『マオちゃん、無理すんなよ!!』

『にゃあ、怪我すんなよ!!』


 猫たちはすでに作業を始めている……よし、試してみるか。

 俺は両手を前に突き出しスキルを発動させる。


「召喚!! アースタイタン!!」


 すると、地面に黄色い魔法陣が描かれ、何かがせり上がってきた。

 大きい。全長七メートル以上、材質は金属っぽいが色は黄金だ。

 一言で表現するなら『ロボット』だ。

 寸胴鍋みたいな身体、意外にも細い精密な足、両腕は鞭のような複雑な形状で、手の部分は五指がちゃんとある。

 顔は……小さい寸胴鍋みたいだ。でもガラス玉みたいな目が二つあり、口もある。


『オハヨウゴザイマス。マスター、命令ヲ……あ、あ。発音調整……調整完了』

「あ、ああ……アースタイタン、だよな」

『そうです。神地魔法アースタイタン。ご命令をどうぞ』


 アースタイタンは器用にお辞儀する。


「にゃあ。おっきいー」

『おお、こりゃ頼りになる』

「よし。アースタイタン、マオたちと一緒に、この川を塞き止めている材木や岩をどかしてくれ」

『かしこまりました。確認ですが、武装を使用してよろしいでしょうか?』

「……武装?」

『はい。では早速』


 すると、アースタイタンの右手が火炎放射器になり、河川を塞いでいた木材に向けて一気に噴射……火炎放射器というか超高熱のガスバーナーみたいで、岩まで溶けて消滅した……って!! あ、あっぶねぇな!!


『マスター、直線距離にして二百メートルほどの材木、その他を消滅。河川の機能を損なわないよう調整しました』

「いやいいけどあっぶねぇな!! おい、マオや猫たちを絶対に傷付けるなよ!! その子たち、俺と同じくらい大事にしろよ!!」

『かしこまりました』

「にゃあ、すごーい!!」

『こりゃ仕事が楽になる。よっしゃ行くぜ!!』

『では、続きを始めます』


 マオはアースタイタンによじ登り、頭の上でキャッキャ騒いでいる。猫たちもアースタイタンを気に入ったのか、怯えることなく並んで歩き出した。

 すっごいな……これ、一日で河川が復旧しちまうんじゃないか?

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