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2月⑧ 審判の日~2日目~そしてその後~

ご存じの通り、共通テストから国公立の二次試験まで一ヶ月以上あります。そして本日12/17から共通テストまで一ヶ月です。

時間はあります。

目の前の勉強を頑張ってください。

いざ、2日目。

といっても、ここまでお読みになられてテルの性格を知っている人なら、この日のテルの惨状を容易に想像できるのではないだろうか?

余裕綽々で試験に臨み、難易度の高さに狼狽し、解ける問題だけ解いて「まぁまぁ解けたんじゃない?」とほざく。


そんな人間が果たして合格するのか?

結果はだいたい予想される通りですが、そんなテルにもう少しばかりお付き合いください。


… … …

… …


「試験終了です、鉛筆を置いてください。お疲れさまでした」


試験終了が合図された瞬間、僕が感じたのは大きな解放感だった。

『ようやく終わった!

今から自由だ、フリーダムまんせい!』

周りを見ると、試験開始前までに回収された自分の鞄を取りに行く人、試験の手応えについて友達とダベる人、すぐに教室から出ていく人……行動は人それぞれだった。

しかし、彼ら彼女らの表情は皆一様に真顔だった。

だからだろう、パッと見で「あ、あいつ落ちたな」と分かる受験生は見当たらなかった。

僕だって「少なくともあいつは俺の敵じゃないな」と思われたくないから真顔をキープだ。


 あとで思い返せば、このときの僕はあまり解けなかったにもかかわらず、悔しいという思いは微塵もなかった。

『あの問題、この考え方で解けるんじゃないか?

それにこっちの問題も、計算ミスの凡ミスが痛過ぎる!本当はもっと解けたはずなのに、悔しい!』

なんて一片たりとも思わなかった。


ただただ解放感と安堵だけ。

試験の合否なんてほとんど興味がなかった。

一瞬『結果があまりに酷ければ母に何か言われるかも』と恐れたけれど、そんな気持ちもすぐになくなり、僕は弾む足取りで家に帰ったのだった。



―――――――――――――――――――――――



試験が終わり、家族みんなと「お疲れさま会」と称したちょっと豪華な夕食を食べたその翌日。

今日も今日とて、僕は学校に来ていた。

というのも卒業式の予行が行われるのだとか。

集合時間の50分前に教室に着いた僕は、教室内で話し声と笑いが弾けているのを聞いた。

廊下から見ると、ショウやコウ、眉毛の濃い担任、他にも友達が勢ぞろいしていて、笑顔で会話をしていた。

なるたけ大きな音を立てて教室に入ると、みんながパッと振り返ってくれる。

その中には。



 振り返った顔の一つにヤマちゃんがいた。



久しぶりに見るヤマちゃんは前よりも髪の毛が短くなっていて、


「……お疲れ」


ヤマちゃんは目尻を下げて笑った。


「お疲れー!久しぶり、だよな!」


笑顔のヤマちゃんを押し退けて僕に詰め寄ってきたのは、12月には推薦入試で地方国公立に行くことが決まっていた友達だった。

ショウやコウ、他の友達も口々に喋ってくる。


「おつおつー」

「京大勢が揃った!」

「テル感触どう?受かった?」


「う……あんたは!そう言うケイは受かってると思う?」


ケイはビビった。


「ま、まままぁな!

100%受かった……と思ぅ」


語尾がどんどん小さくなっていった。

こいつ自信ねぇな。

まぁ正直ケイのことなんてどうでもいい。


「久しぶりーヤマちゃん。

もう京都に戻ってたんだ」


「……うん、テ、ル、久しぶり」


「どうした?岐阜まで行ってたから疲れちゃった?」


「ううん!そんなことないよ!

なんだか久しぶりだから緊張しちゃって」


そう言われると僕もじゃっかん気恥ずかしさを感じてしまう。

二次試験直前まで学校で勉強していた僕やショウと違って、ヤマちゃんは自宅で勉強することが多かった。

共通テストが終わってから徐々に学校で会わなくなって、SNSで会話や通話するだけだった。

僕が黙っているとお調子者のコウが会話に入ってきた。


「ヤマちゃんさっきまで普通に喋ってたやん、なんで緊張するねんw

ホンマ、ヤマちゃんはテルのこと、むぐっ、、もごもご」


コウが喋っている最中だというのに、ヤマちゃんが敏捷な身のこなしでコウの口を塞いだ。

コウのにやけた顔と話の流れから、たぶんヤマちゃんをからかおうとしている、と分かったから喋らせずにすんで良かった。

ヤマちゃんがからかわれるのは無性に腹が立つのだ。


コウは何か言う前にヤマちゃんに遮られたから、実際にヤマちゃんをからかったわけではない。

からかい未遂罪で連行することは不可能だ。

……って、何言ってるんだ自分。

やっぱり昨日の今日だから疲労も少なからずあるのだろう。


ガラガラガラ!


勢い良く教室ドアが開いた。

ムキムキの体躯が敷居をまたぐ。

そして、


「おおおぉぉーーーっ!!」


堂々と入ってきた化学の先生兼副校長は、なぜかドラゴンボ○ルの主人公のような体勢で叫びだした。


え、え?どうした先生?

眉毛の濃い担任を含め教室内の全員が戸惑っていると、化学の先生は真顔で一度ぐるりと教室を見渡してから、目尻を下げてにっこりと破顔した。


「おかえり!」


この言葉を聞いて僕の胸はじんわりと温かくなって、そして先生の笑顔につられて僕も無意識に目尻を下げていた。

チラリと見たヤマちゃんは……小さなえくぼを作っていた。

美少女にえくぼって、控えめに言って最高だと思う。


「ただいま」……なんて新婚みたいな返事をする前に、霞ヶ関さんが教室に入ってきた。


「なんか雄叫びが聞こえたんだけど……って先生!?」


「おお!霞ヶ関くん!

良く戻ってきたな。

試験の首尾はいかがか?」


「……あ、いえ、あたしは推薦で入学決まってますので、二次試験を受けた訳じゃない……」


「ま、まぁ、うん。

えーと、みんな良く頑張った!お疲れさま!」


化学の先生はワックスをかけられた頭を汗でより一層テカらせていた。ムキムキの化学の先生は慌てて教室から出ていった。

僕とヤマちゃんは顔を見合わせ、クスッと笑った。

前書きの続き↓

共通テストでスベって良い点を取れないと、例えヤマちゃんのような実力者でも自信を一時的にでも失います。

「やっぱり志望校のランクを落とそうか」なんて弱気になってしまいます。

どうすれば志望校を高く維持したまま二次試験に臨めるかって、「共通テストで良い点数を取れば良い」だけです。


とにかく自分が言いたいことは、共通テストを舐めないで、きちんと対策·準備をしてくださいということです。


あと一ヶ月です。ガンバルンバ!

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