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7.仲間

一日空けてしまった。ごめんなさい。

ずっと見てきた…。ぼくはずっと過去ばかりを繰り返し見ている。痛みも悲しみも憎しみも、そこにあったものを振り回し自分はなんでここに居るのか、子供みたいに泣き喚いて、叫んで、それでも前に進むことを選んだ、もう暴れることもできなくなった身体で這いずってでも進む。そこに未来が、僕が目指したものがあるなら。




「バイタルは正常ですね。」


看護婦さんがいつもの調子で言う。


いつものバイタルが終わる。正常らしい。今日はなんか気分が落ち込む。どこか行きたいなー。行けないけど…。



その時メッセージがなった。


誰だろ?あ、焔硝さんだ。えーと…、オフ会?マジ?


どうしよ、僕外に出れないし、事情話しても気を使わせちゃうしなー。


うん、よし。断ろう。それがいい。


「いいんじゃないですか?」


え?看護婦さん?


「え、いやでも、だめですよ、気を使わせちゃうし、そんなの、誰も楽しくなくなりますし…。」


「そうですか。お友達は作ったほうがいいと思いましたので…。でも本当にそれでいいんですか?ずっと会わずに、それで本当に信頼は得られますか?」


「信頼?」


「そうです。信頼ですよ。顔を見せないで、実際に会わないで、本当に信頼してもらえると思いますか?お仕事なんですよね?」


…っ!


仕事。確かに…。これは仕事だ。お金はまだ貰えてないけど。相手は仕事をしてる感覚なはず。ぼくみたいな個人勢でも誘ってくれて、自分のチャンネルに呼んでくれて、少なからずお互いに貢献しあって来た。


ぼくは大丈夫。ぼくは大丈夫。と、自分に言い聞かせて自分を納得させていく。


よしっ!


「ぼく、会ってみるよ!」


僕は看護婦さんに宣言をして、過去の自分と決別するかのように、スマホの画面を操作するのだった。

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