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2時9分(実話怪談)

 これは私が小学校高学年頃の話ですから昭和51年か52年位だったでしょうか? 実家での事です。

その時期の私は深夜のラジオにハマっており、平日はオールナイトニッポン、土日は地元放送局の創作ドラマ等を楽しんでいました。

ある日、いつもの様にラジオを聞いていましたら、階段から「ギィ」と言う音がしたのに気が付きました。

時計を何気に見たら『2時9分』

その時はただ家が軋んだだけだろうと気にも留めませんでした。

しかし、それに気が付いてからいつも鳴る「ギィ」が何か不気味で気になるようになっていきました。

それと言うのも、その音がするのがいつも『2時9分』だと分かったからなのです。

小学校高学年の頃には怪異慣れとでも言いますか、小学生低学年頃の様に脅える事もなく、その頃にはしょっちゅうある怪異を素直に受け入れるようになっていました。

そうだったからかもしれませんが、毎夜聞こえる『2時9分のギィ』の正体を見てみたいと言う欲求が止められなくなっていきました。

ある夜、私はラジオをつけたまま、時計を抱えてドアの側に待機しました。

どんどんとその時刻が近づいてきて、そして……

「ギィ」

私はすぐにドアを開けて電気を点けました。

そこはいつも通りの階段があり、何も変わりなく、期待していた幽霊の姿さえありませんでした。しばらくそこで待ってみましたが何も起こりませんでした。

がっかりした私は、いつもの様にラジオを聞いて眠りにつきました。

次の日、私は学校から帰り自分の部屋へと上がっていきました。

いきなりそこで見えない誰かに前から押されたのです。     

私は後ろ向きに階段を転げ落ち、身体中に体液が滲む程の擦過傷を作ってしまいました。

あれは何者かの復讐だったのでしょうか?

その件以来、『2時9分のギィ』は聞こえなくなりましたが、その事で学びました。今でもこう思います。

怪異を弄ぶ行為は、決してやってはいけないと……


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