51/60
蓋(懐かしの怪談ジョーク 木本葵ヴァージョン)
私が高校生だった頃の話です。
私は、勉強が好きではなく、学校で一番好きな時間と言えばお昼休憩。
ワクワクしてお弁当を出して、蓋を開けてみると中身がありません。
母が弁当を詰め忘れたかと思い、がっくりしましたが、良く見ると蓋にお弁当の中身が全部ごっそりくっついていました。
それから数日経って、祖父が亡くなりました。
葬儀の時、みんなに祖父とお別れをしてもらおうと、お棺の顔の部分が開かれました。
そしてみんなが絶句しました。
お棺の中には、何もないではありませんか。
父や親族の男衆が慌ててお棺の蓋を取り外しました。
良く見ると、お棺の蓋に祖父がぴったりとくっついていました。