帰ってきた我が子(実話怪談)
私は、結婚当初から猫を飼っています。すでに8匹を見送り今は10匹と暮しています。
娘が産まれる頃は、三毛猫のミミだけを飼っており、三毛は気性も荒いので、うちの母から「赤ちゃんは、乳臭くて猫がいると顔の上に乗ったりして危険だし、爪を顔に立てられて一生消えない傷が残ったらどうするの? 他の人に里子に出すか、爪を抜くか、保健所に連れて行きなさい」とすごく反対されました。
しかし、私にもパートナーにも我が子同然のミミを手放すなんて考えられず、母に猛反発して意地になって「絶対手放さない。もしもの時は、自分たちが責任を取る」と引きませんでした。
娘が産まれてから母の心配した状況にはならず、それどころか、娘に何をされてもミミは怒らず爪も立てずいつも娘に寄り添い、娘が病気になった時などは、私たちからの見た目ですが、心配そうに娘を覗き込み、絶対に娘のそばから離れようとしませんでした。
そのミミも8年前の14歳の時に老衰でこの世から旅立ちました。娘に特に懐いてくれた子だったので、学校から帰ってミミの死を知った娘がすごく泣いたのを覚えています。
それからその事が起こり始めました。
最初にあったのは、私が寝ようと電気を消して布団に入ろうとした時です。良くうちの猫たちは、寝る時に寄り添ってくれるのですが、その日も暗い中でどの子か最初は分からなかったのですが、顔にすり寄りそのまま顔に引っ付いて来ました。
私は、その子を撫でながら「どの子かな?」と見ました。暗がりに目が慣れてきてびっくりしました。逝ったはずのミミでした。
私は、思わず抱いて泣きました。帰って来てくれた。ミミが帰って来てくれたと……
あれから毎年4~5回、帰って来てくれています。時には、本棚の上から眠っている娘をじっと見ていてくれたり、私の布団の上に乗ってたり、布団に入ったら足元に入っていて確かめるとミミだった事もあります。
この現象は、今も続いているだけでなく、ミミの翌年に逝ったミュウも時折一緒に帰って来てくれています。
我が家の猫たちは、我が子です。心から愛しています。私がそっちに逝く日が来たら、一緒に永遠に暮らそうね。愛してるよ。