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もとのもくあみ

作者: 猫井MAMA美

何も無くなった世界に1人取り残され繰り返す自問に答えは出るのか、そして「私」は何者なのか。

はたして、その答えは合っているのか。「私」は自分を見いだせるのか。

更々と静かに流れ溢れ落ちる

粛々と静かに廻り巡り交わる

閉じては開き 回っては止まり

上から下へ 次々と落ち また昇って逝く

ゆるりゆるりと回転を止めず ふわりふわりと舞い

ひらりひらりと流れ流され じんわりと溶け崩落ちていく


深々と降る雪のように 雪を溶かす大地のように


ぐるぐると言葉が頭の中を廻り、羅列だけが跡を残していく。何時からこうしているのか分からない、閉じたままの目に回りの景色は色鮮やかに見えて空は幾時を刻み日々を違えていた。




刻の輪が 自在にカタチを変え この世の全てを飲み込むのに

たいして時間はかからないだろう あの空が燃え

大地は枯れはて 海は混沌の原始に還り

全ての命を 元の輪に戻し 全ての魂を統合し

散り散りに分ける そしてまた

1滴の 源 を 輪から押し出す




何処かから聞こえる囁きは、何を意味するものかまだ誰にも分からない。しかし私はその意味を理解し起こる事を知り次の刻に備えなければならない、いとしみ慈しみ また無に返るまで耐え守り続けられるように。その言葉は私の中に外に延々と繰り返され、私をここに縛り付ける。


夜が明ける また今日が始まる

日の輪の上から 水平線を ぐるうりと見渡し

薄い紫から白く変わる太陽光を背に ぐぅんと延び上がる

何も亡くなった 遥かな大地に 恐れ悲しみ

何の耀きも無くなった 母なる海に 1人涙する

全てを失い ただひたすらに たたずみ、にらみ、かえりみる

そしてまた 日々に憂い 日が暮れる



私は何だ?ここは何処だ?今は何時だ?

また沸き上がる疑問、毎朝毎晩なにもない世界を見渡し考え一巡しまた忘れまた考える。何度も何度でも思考を繰返し、また周りを見渡す。そうしても…未だ答えには辿り着かず。

全ての疑問を含み全ての答えを他所に全てを飲み込み全ての…

そう、全ての結果がこれなのだ。


あの時 何を選んでいたら 良かったのダロウ

幾度想い巡らせて見ても 正しい答えには行き着かない

誰を咎めても 誰にも贖罪は 来ない

全ては 全ての ヒト の過ち

何を選んでも 誰が選んでも 何処で選んでも

そう、何を選んでも…


結果 同じ定めなのだろう


全ては定められた運命?いや、違う。

誰も分からなかったのか?いや、それも違う。

誰もカエラレナかったのか?

本当は、皆 知っていたのではないのか?

それでも尚、目を反らし 眼をつむり 見ないふりを


してきたのではナイノか



その日目覚めれば

見渡す限り 全ては同じ風景

下を見れば 足元は崩んばかりの脆さをもち

上を見れば 空は見る影もなく淀み垂れ落ちる

後ろを振り向けば 真っ黒に塗り潰された夢ばかり


かと言って 前を向いても 何処にも繋がる道も無く


今 ここに ヒトリ たたずみ 嘆いても

取り返しがつかない事に かわりはない


誰も 居なくなった この世界に

本当に 私だけなのか 探しに行くべきか

何処を探せば良いのか まったくもって分からない


まるで夢を見ていたのか それとも現実に無くなったのか

それすらも分からない 助けを求めようにも 誰もいない

ここから 一歩 が進み出せない


見渡す限り 土塊と横倒しになった木の残骸があるだけ

なぜ私だけが ここに居るのだろうか

もしかすると 私は私が死んだ事に 気付いていないだけか


手を固く握り 足を踏ん張り 自分を見つめた

いや、私は生きている ここに居る

この見えるモノが本物ならば


私はまだ、生きている


探そう 本当に死んでしまう前に

歩こう 何処でも良い前に進もう

ここから 一歩 前へ 一歩


足が動かない 前に出せない 何故

頑張れ 落ち着け 大丈夫 出来る 出来るはず

思い付く限りの文言を 自分に投げ掛ける

あがいても もがいても それでも

それでもなお 足は出ない


動けない私は、いったいどうすれば良いのだろうか。ここで、ただ朽ち果てて行けば良いのだろうか。立ち尽くし漫然と日々を過ぎここで…ただ…何もなく朽ちていく。今の私に出来る事…それすらも思い付かない、私に出来る事…それは。


あれから幾日たったのだろう、私ここで見続けた。

私に出来る事、今の私に出来る事…きっとあるはず。


ならば


見よう この目の届く範囲を

どこまでも 日のあるうちに 何日でも 幾月でも

前を向く ソコには変わらず土塊と倒れた木ばかりだった

横を見る ソコにもやはり 土塊と倒れた木ばかりだった

後ろを見る 遠く 遠く少し霞んでいるけれど

何か見える 太陽の光を反射し キラリと光が見える


何かある

動け 私 あそこへ いこう

動け!動け!動け!動け!


大地から引き抜くように 力一杯

張り付くその足を 前に

振り返るな 前だ 進め 私の足


もう一度

動け

もう一度

歩け

もう一度


涙も出ない 声もでない

やはり

動く事も出来ない


もう一度 己の足を見る

もう一度 己の手を見る


何故 動かない わからない


先程の 光を見詰める 心なしか

近づいてる 気はしまいか


もっと良く見る 息を殺し じっと見つめる

静かに 静かに 目を凝らし 見詰める


いったいアレは何だ


私が動いているのか 否 私は動いていない

ならばアレが寄り来るのか?


それとも ただの錯覚なのか


遠く遠く 光るソレが 何かも分からず

時折 キラリと光を反射し 私を惑わす


ただ時間だけが過ぎ ゆっくりと帳は降りる

濃い藍色に染まる空は 誰にも邪魔されず

美しく

チカチカと瞬く星は 白く輝き月とひしめく

着々と過ぎる時間は やがて朝を迎え

また空を繋ぎ きらきらと色鮮やかに

艶やかに

遮るモノの無い その景色は昨日と幾分もかわらず

何も変わらずソコにあった


脈々と連なる 血の様に 長く永く時を越えて

遥かな太古から 今の今まで 途切れる事なく

ツラツラと 絶え間なく流れ 浸食し

全ての大地を 覆いつくし 海を蝕み 空を穢し

自らの首を絞め ジワジワと苦しめ 着々と破滅への

道を歩んでいく


そして…たどり着いたのは


下を見れば 足元は崩んばかりの脆さをもち

上を見れば 空は見る影もなく淀み垂れ落ちる

後ろを振り向けば 真っ黒に塗り潰された夢ばかり


そしてまた 前を向いても 何処にも繋がる道も無く


ただ泣き崩れることも 声をあげることも 忘れることも

何もできずに立ち尽くす 朝を昼を夜を 見詰め続け

幾日も 幾晩も 頭上を通りすぎる 太陽と月を

恨めしげに にらみ 悪態をつき 許しを乞う


サラサラと風に晒され シトシトと雨にまとわれ

ギラギラと光に照され ジワジワと刻が過ぎていく


私は何故ここにいる 私の名前は

私は誰だ


誰か答えて…


私は何だ

私は何時からここにいる 私は…いったい


ゆらゆらと前を見据える、見ようとした訳ではないが何かが途切れ途切れに目の前を掠める。私ではない誰かの目線、何処か遠くの景色…いくつもの目が見ている今の風景。

ゆっくり一巡しながら回りを見渡す、何処にも見えるモノなど無いのに…私には見えている。まるで今その場で自分が見て感じているかの様に、目に耳に肌にザワザワと世界がまとわりつく。全ての目が見た…目…なのか…目で見ているのか…今私の目は閉じられている、そうだ見てはいない…全てを感じている。手から足からその指1本1本から肌から髪の毛の先から、私の全てを使って感じている。


今なら分かる、私はヒトでは無かったのか。そうあの瞬間まで私は…わたしは、確かに人だったのではないのか。しかし私は私だ、私は誰でもない、全てを見てここにいる、私はずっと…

この樹が私だったのか。


小さな声が聞こえる 鳥の囀ずり 虫の囁き

肌に感じる声無き声 葉の擦り音 枝の打ち音

私を取り巻く大きな声 太陽の光 月の耀き

足元から感じる揺らぐ声 このホシの叫び


ずっと前から聞こえていた、ここに住まうモノ全てが感じていた。終わりへの微震、見て見ぬ振りをしても振り払う事が出来ない…それを皆も感じていたはず。後ろを淡々と付いてくる嫌な足音、振り返っても見えない黒い黒い影。


誰かが叫んでいる、何かを声を上げ知らせている。

見る事が出来ないソレは、何かを伝えようとしている。

あぁ今なら分かる、アレは私だ。

ここにいる私では無い、私だ。

私はここに居る、そしてまた何処にでも居る。

この世界の全てを見ている、聞いている。


私は全てを見、聞き、感じなければならない。

これから始まる創造の輪廻、原初からの立ち上がり…全ての輪が繋がり巡り絡み合い別れる。


ここから


もうすぐ始まる、大いなる変革…

ソレデイイノカ コノママデイイノカ

矛盾 それは 最初から分かっている

ここで変えられなければ また次も同じ

我々が、変えなければ、ならない


私と私では無い私と、この世に有る全ての私と共に次こそは…より長く永く。手を伸ばし枝を張り出し足を伸ばし根を張り巡らせ、私では無い私と全ての根を繋ぎ。この星を包み込み覆い隠す、手で枝で髪で葉で…私の全てで。

幾時かかろうと例え途中で折れようと、繰り返してはならない次こそは永く有るために。次こそはシアワセニ有るために、次こそは…幾度となく繰り返される過ち



繰り返されるのは過ちでは無い、過ちの中に私たちは住んでいる。この混沌の中にノミ生きる意味を持ち、この残渣の中にノミ我々が住まう場所がある。

時を重ねもがき何度となくあがき、ここから出ようと試みやり直し…繰り返し。何度となく螺旋を描き回り巡りここへ戻る、歩き続け歩み続け辿り着く事無く答えは出ない。

それでも、諦めきれずやはりまた歩み始める。そしてまた、ぐるぐる廻り私はまたここに立つのだろう。


答えは出ない…本当に…いやもしかして、答えは出ている…本当は…ここが答え。誰も知らない問答を繰返し、答えにならないモノを求めて手を伸ばし探りもがいていたのか。



答えはここに有る、私と私ではない無い私とソレを包み込む全ての世界と…今ここに有る私が見ている全てと私の見えないところに有る全ての事柄と世界が表裏一体となり混然と混沌と、この世界を造り出している。


あぁ、これが全ての答えだ。そう、これで全ての答えだ。

さあ見よ、全身で感じよこれが答えだ。ただぐるぐると回り続ける世界はこれからも、何時までも…まるで蛇の輪の様に自分の尾を噛み終わることのない回転に巻き込まれ渦巻いて。遠くに見えた光は今は近くに有り、私の全てを輝かせている。私は光、私ではない私も輝きこのホシを包む私は瞬き私達を繋いでいる。


光を待ち繋がった私達は この世界を また 巡り始める。


幾時も幾刻も 更々と静かに流れ溢れ落ちる

直人も稀人も 粛々と静かに廻り巡りまみえる

世の扉は常々に 閉じては開き 回っては止まり

全ての御霊は 上から下へ 次々と落ち また昇って逝く

ホシは ゆるりゆるりと回転を止め ふわりふわりと舞い

世界は ひらりひらりと流れ流され じんわりと溶け崩落ち


そうして、また元に戻り繰返し見直しやり直し後悔し。それでも、立ち止まらず振り返らずナンドモナンドモ繰返し繰返し求め続け…そしてまた、ここに立つ。


予め決められていた事を繰り返すのは楽だろう、時には踏み外しぬかるんでもまた振り戻りやはり繰り返す。立ち止まり正しきを見返しても答えは見えないが、この先に行く路に正解はあると信じたい。ただそれは誰にとっての正解なのか…何度繰り返しても辿り着けない、そしてまた繰り返し繰り返す。

この先にも未来はあると信じ、何度「破滅」を繰り返しても…愚かな我々は枝を伸ばし根を張り巡らせまた空を仰ぐ。


刻は流れ 巡り 私達は繰り返す

誰にも知られない まま ただ ゆっくりと

同じ空の下 同じ大地の上 同じホシの中


遥か 遠くに 見える 光る 希望を 求めて

また ゆっくりと 前を見据え 刻を繰り返す


何度 失敗しても なお 繰り返す

小さな 希望が 有る限り

本当はもっと具体的に書くつもりでしたが、書いてるうちにだんだん抽象的になってしまいました(笑)

まあ、おおよそいつもの通りモヤッと始まりモヤッと終わりです。

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