夜から朝へ
……あれ、時間が過ぎている気がする……。
そう思って目を開けると、目の前で美雨が謎な感じで丸まって寝ていた。柔軟性がありそう。
あ、しまった。お菓子を食べさせようとしていたところ二人とも寝てしまったのか。
見ると美濃もお菓子の袋を放り出して寝ていた。
時刻は朝五時。
そろそろ部屋に戻るか。
僕は美雨と美濃の部屋を出た。
部屋はオートロックだったもんな、よし。
僕は先生に会わないように気をつけて階段の方へと向かう。
階段で降りれば、エレベーターが開いたら先生がいました〜、みたいにはならないし、途中で会っても何階から来たかはわかりにくいだろうから多分大丈夫。
結局、誰にも会わずに自分の部屋に帰ってこれた。
自分の部屋の鍵を開けると、いつの間にか三人とも戻って来ていて布団もちゃんと敷いて寝ていた。
僕もちゃんと布団で寝るか。
僕は自分の布団を引っ張り出してきて寝そべると、気づいたら寝ていた。
ピロリンロリン
一応かけておいた七時の目覚ましで目が覚めた。
朝ごはんの時も僕たちの班が揃ってないなんてなったら、旅行委員にマジでキレられるかもしれない。
「おい、みんな起きて。朝ごはん七時半集合」
僕はそう言いながら順番に雑に三人を起こす。
「……お子様ランチができた……ついに……」
まあ頭は起きてないけど物理的にもぞもぞ言い出したのでもうちょいで起きるでしょ。
僕は誰も水道を使ってないうちに顔を洗ったりすることにした。部屋に一つしかないし。
優秀な班の僕たちは朝ごはんにはちゃんと四人でこれた。
あ、小学生の林間学校だったら優秀ってくらいの優秀さだよ、ちゃんと自覚してる。
「あ、おはよ優〜」
「美雨か」
朝ごはんはバイキングなので、トレーを取るところにまず並んでいると、美雨が来た。
つい二時間半前まで同じ部屋にいた美雨はちゃんと髪とかが整えられていた。すごい。丸まった寝方してたから戻せない髪のくせがつきそうだったけど、大丈夫だったみたいだ。
「ねえ、優がほっぽり出しちゃうから私畳で寝てたんだけど。だから腰が痛い」
「それはごめん」
確かに硬いところで変な体勢で寝ると腰が痛くなりそう。これは言われて気づいた。
「暇な時マッサージしてよ」
「なんだよ」
いや個人的に美雨のマッサージやってみたいけどね。
「じょうだんですー。それより今日はハードスケジュールだもんね。がんばろー」
それな。ていうかそりゃあそうだわ。福岡に泊まってるのに自由行動で長崎まで行くんだもんな。
お読みいただきありがとうございます。間隔があいてしまい申し訳ございません。