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裁縫道具をもって

 おおよそ調べ終わって、僕たちはまたトランプをしていた。修学旅行のトランプは正直なぜか飽きない。


 って今初めてわかった。


「そろそろお風呂行ってきます」


「たしかにお風呂行かないとだねー」


「あ、じゃあ僕も行こうかな。おやすみ」


「え、戻ってこないの?」


「戻るの? まあいいよ。どうせ多分僕の部屋の人たち自分らしく楽しんでるから」


 僕がそう言うと、


「じゃあ、美雨のお風呂上がり姿に興奮して鼻血出しても部屋汚さないで済むようにちゃんとティッシュ持ってきてくださいね」


 となんか変なことを言い残して美濃は部屋を出て、美雨も鞄からお風呂セット的なものを取り出してそれを追った。


 僕もお風呂行かないと。


 部屋はオートロックなはずだから僕が出ればそれでいいんだよね。


 僕はしっかりと扉を閉めた。


「へ、へんたいだ……やっぱり」


「え?」


 店員の女の子が再出現していた。なんだよ。


「ここ、女子部屋でしょなんでそっから出てきたの? なんかもしかして性行為でもしてました?」


「してないよなんだよいきなり下品な。普通にしゃべったりトランプしてただけ」


「……へえ。それって夕食前にいた女子二人?」


「あ、そうだけど」


 店員の女の子は気分良くなさそうな顔で、手元に持っていたものをぶらぶらした。


 手に持っていたのは、裁縫道具だった。


「もしかして、美雨と美濃とぬいぐるみ作りたかったの? 今お風呂だけど戻ってきたら作れると思うよ」


「な、なんで私別にぬいぐるみを作るのは……好きだけど」


「じゃあみんなでやろう。僕もお風呂入ってくるから。四十分後には多分みんな戻ってるでしょ。その時おいでよ」


「なんで匂いフェチもいるって決まってんの」


「ごめん。じゃあ僕は退散……」


「いやしなくていい」


「あ、そうなのやった」


 なんでかよくわからないけど、匂いフェチって呼ばれてるわりには嫌がられてないらしい。


 というわけで四十分後に、店員の女の子が美雨と美濃の部屋に来ることになった。


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