夕食
「それにしても、本当に僕たちの班だけ離れてるな……」
白深と僕が戻った時には、当然全員が席についていて、楽しそうな夕食がスタートしていた。
だからなおさら、僕たちの班がぽつんとなっているのがわかりやすくなっている。
ふと、美雨と美濃の方を見れば、楽しそうに真ん中の鍋に食材を入れまくっていた。
美雨と美濃は友達もいるし、クラスの輪に入りまくりだ。
一方僕は変人枠に入っている。
なんで女子がぬいぐるみが好きでもなんも変に思われないのに、僕がぬいぐるみ好きだとぬいぐるみ大好きロリコンとか言われるんだろうね。
美雨と美濃にも時々言われてるからだな。
それだわ。
しかし、もう高2の二学期もあとほんの少しという頃だ。
今さらキャラを変えるのは無理だし。
別にこの班の変人たちが悪い人なわけではないので、別にいいや。
うん。本当に別にいいんだけど。
やっぱりこのメンバーで夕食を食べてても、会話がない。
各自がそれぞれの目的を果たすために黙々と頑張っているからだ。
田植は写真をとっては食べを繰り返して、三角食べとは程遠い。それに、食べながらメモを取っている。ただ鍋のことを全部やってくれるのは優しい。
稲城はパソコンを見ながら食べていて、そこだけ切り取れば、いくらご飯が豪華でも、誰もまさか修学旅行中の夕食だとは思わないだろう。
白深は、多分早く寝たいのだと思うんだけど、すごい急いで食べている。
会話をする人がいないので黙々と食べてたら、白深より少し遅いくらいに僕は食べ終わってしまった。
ちなみに美味しかった。そのままぬいぐるみを作りたくなるくらい美味しかったということで、僕は裁縫セットと作りかけのぬいぐるみを小さな手提げから取り出した。
まあ修学旅行で早くご飯食べ終わってぬいぐるみを作るのもなかなかだという自覚はあるけど、暇なんだもん、しょうがないよな。
夕食の時間が終わると、入り口に近い班から順々に出て行く。結構な行列だ。
僕たちは最後の方に大人しく出た。
お土産屋さんには人がたくさんいたし、通路にも人がわらわらいて、店員の女の子は見えなかった。




