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着いた


「おはよ〜」


 新幹線が九州に上陸した頃、やっと美雨が起きた。


「寝てたのは美雨だけだけどな」


 稲城はとっくに起きて、パソコンをいじっている。


 なんかすごい関数を描いている。全然分からない。少なくとも普通の人は修学旅行のときそんなことしないな。


「すごく都会ですね」


 美濃が窓から見える街並みを見渡した。


 確かに。全然遠いところに来た気がしない。渚ヶ丘学園から少し都会に行ったところとあまり変わらない。


 新幹線の穏やかなアナウンスが鳴り、僕たちは荷物をまとめた。


「うわっ……あ、トランプ落としました……」


 美濃がトランプをケースに戻す前に落とした。


「すごいばらばらだな……」


 終点が博多だから、降り遅れることはないだろうけど、拾うのがめんどくさい。


 僕たちは手分けしてトランプを拾い集めた。


「いちにちさんよんご……」


「数えてる暇はないよ美濃」


「でも、全部あるか不安です」


「落ちてるのが見当たらないから大丈夫でしょ」


「まあ……そうですかね」


 僕たちは、通路に並んで新幹線のドアが開くのを待つ。


 大きな荷物を持ってる人はいない。着替えなどを詰めたものをみんな前もってホテルに送っているからだ。




 新幹線を降りれば行動班ごとに自由行動。


 午後六時までにホテルに着けばどこに行ってもいい。


 どこに行くか……。僕はお土産に可愛いぬいぐるみが売ってるところならどこでもいいな。


 修学旅行は、親が振り込んだお金経由で一万円が授けられる。


 つまり、普段お金がなくてぬいぐるみを買い渋る僕も、今回は一万円をもっている。


 と言っても食事とかもあるからな……。


 そのために、自分でためたお小遣いも持って来たが。


「よし、佐賀県に行きましょう!」


「どうして佐賀県が出て来た」


 福岡県すっ飛ばすのかよ。


「でも、どの班よりも遠くに行きたいじゃないですか。つまり午後六時までにホテルに着けてかつ最も遠くまで行けた班の勝ちです」


「いいねそれ」


 美雨が美濃に賛成してるし。そんなこと考えてるの美濃と美雨だけだなたぶん。


 みんなもう今頃とんこつラーメンでもたべにいってるんじゃないかな。

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