新幹線の中と言えばトランプ
「すごく速いです! ほら、もう静岡県に入りました!」
スマホと外を交互に見る美濃。それやると、目が疲れるし、スマホは充電食うな。
ちなみに僕は稲城の隣に座っている。美雨と美濃は前にいる。修学旅行定番 (だと僕は思っている)椅子を回転させるのはやってない。稲城が机でパソコンをしたいらしいのだ。
しかし、そう言ってた稲城はすでに寝ている。迷惑なやつ過ぎる。
僕は外を眺めた……途端音がしてトンネルに入った。結構トンネル多いんだな。
「トランプしようよ」
美雨がシャッフルしたトランプを、前の座席の隙間から見せる。
「いいよ」
「じゃあ、神経衰弱ね」
「広げる場所がないんだが」
「そうだね確かに。じゃあ、大富豪!」
「いいよ。ルールどこまで?」
「うーん」
「とりあえず、八切、イレブンバック、スぺ3でどうでしょう。あと、革命はありで」
美濃がスマホを窓際に置き、そう言った。
「つばきのでいっか」
「うんいいよ」
「じゃあ配るね……稲城くんは?」
「寝てるからそのまんまでいいよ」
美雨がシャッフルしたトランプを十枚ずつ配る。三人で全部配ると、だれが何の札持ってるかが容易にわかっちゃうから、余らせたほうがいい。
(よっしゃ。結構二枚組がある……!)
二枚組は一度に出せるし。相手がパスすることも多くなるだろう。
「じゃあ、じゃんけんぽい」
はい。美濃が勝った。そういやじゃんけん弱いな僕。
「私からですね。はい、革命。7四枚」
美濃が得意げに自分の席と美雨の席の間に置いた下敷きの上に7四枚を扇形にして出す。
「?!」
四枚同じ札を出すと革命が起きる。そうすると、ジョーカー以外の札の強さが逆転し、2は最弱カード、3がジョーカーの次に強いカードになる。僕は改めて自分の手札を見た。3も4も5もない。ジョーカーもない。
「出せませんね。はい、じゃあ、八切って、八切って、3三枚……出せませんね。はい上がりです」
僕は大貧民になる覚悟を決めた。三人だと、大富豪と平民と大貧民しかいない世界になる。つらい世界だな。
お読みいただきありがとうございます。
最近短くてごめんなさい。次話から今よりは少し長くなる予定です。
小学生三人の出番がしばらくないので、えりかが主人公の話をスタートさせてみました。読んでいただけたら嬉しいです。
ぬいぐるみの持ち主を探すJSたち
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