表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/46

後輩と二人でおべんとう


「どうして私が作ったって気づいたんですか?」


 大野さんが僕に訊いてきた。


 僕と大野さんは低めの屋上にいる。


 低めの屋上、というのは、2階建ての二号館の屋上のことだ。三号館と一号館に挟まれていて、その二つの建物は3階建てなので、「低めの屋上」と呼ばれているわけだ。


「うーん。実は、何も、わかってなかったんだよね」


「え? え? あ……ゆー先輩。そうやって後輩にカマかけていじめるのよくないですよ」


「いじめてはないけど……」


「で、でも……。もうこうなったら、ゆー先輩、私の話聞いてくださいね。おべんとう食べながらでいいですから」


 そう言ってピンクのランチョンマットを広げて自分のお弁当をのせる。


 僕もその隣で、お弁当を取り出した。



「あの、ゆー先輩ってラノベ主人公じゃないですよね」


「うん。そうだけど。それが話の始まりかよ」


「はい。ラノベ主人公だったら、自分が部長をやっている小さな部活に突然後輩が入ってくることもあるかもしれません。でも」


「僕はラノベ主人公ではないから、そんなことは起きないと……あれ、でも起きてるよ」


「……なんでだと思いますか?」


「なんでだろう」


 僕は大野さんを見つめる。大野さんは三号館と一号館に挟まれた空を見てため息をついた。


「私の方が、おかしいからです」


「……」


「私、ぼっちですから」


「ぼっち?」


「ほらだって、今もこうやって一人でおべんとう食べてますよ」


「あれ、僕もいるけど」


「そういう問題ではありません。つまりは、突然、高二しかいない小さな部活に、中二の私が一人で来て入部希望するっておかしくないですか」


「まあ、めずらしいかもしれない」


 ぬいぐるみ部に部員が入ったのが嬉しすぎて意識してなかったけど。


「ですよね。そういうことです」


「……で、今回のぬいぐるみの件と、大野さんがお友達が少なめっていうのは、関係がある……?」


「あります。それは、全ては、ボランティア部での出来事がきっかけです」


 大野さんは、しゃけふりかけのかかったご飯を口に入れ、そう言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ