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第21話 ギルドの試験 1

一日おきに投稿する事にしました。

朝である

しかし今日はカストフが居ないからかかなり揺れて寝づらかった。

これが水の権能の力か…恐ろしい。欲しい。


『いや揺れ減らす程度だったら普通の水魔法でも止められるでしょ。その程度で権能欲しがるとか、野菜を数十メートル運ぶのにわざわざレールを敷いて車で運ぶようなものでしょ。』


うーむ、例えが良くわからんが、船の揺れを抑えるためだけに水の権能を使うなんて勿体ないということか。

あとさらっと列車があるかもしれないことがわかったな。

ファンタジーと列車。

…うんベストマッチの匂いがする。

まぁそれは後々わかってくるだろう。

今日はやる事がある。

1日限りだが、異世界でのメーンイベント。

[冒険者ギルドの依頼]という大事な予定である

これは逃してはならない。

というわけで朝早くだが出発だ。

カストフの説明だと、今回の積み込みは休みでいいらしいので後腐れなくギルドに迎える。


「とりあえず調子も良いし、ちょっと跳ぶか。」

『えっ?』


甲板に出ると雲の切れ間から漏れ出た陽射しが俺を焼く。

暑いというか熱い。

昨日はこんなでも無かった気がするが…なんでぇ?

とりあえず宣言通りにするためステータス増強スキルを発動する。

全身に力がみなぎるが…筋肉量が増えたりしている様子は全くない。本当にどうなってるんだか。

揺れは気にしない。

俺は甲板から空へと跳んだ。

船が大きく揺れ、俺は地面から遠ざかっていく。


「…そういえば着地場所を考えて無かったな。」


そう言った時にはもう遅く、既に俺は街全体が見下ろせる高さに達していて更には少しずつ自由落下も始まっていた。


『やばいやばい…アリスさんアリスさん、勢いとか空間の権能さんでなんとかできません?』


少しずつスピードは増し、風圧により下を見るのも少し難しい。


『……自分でなんとかしなさい。少し頑張れば自力で権能も使えます。というわけで自力でなんとかしてください。これは何も考えずに跳んだキヨシへの神罰です。じゃ』

『いや、じゃじゃなくてさ…』


だが力を貸してくれないならばどうにか自分でやるしかない。

というか権能ってどう使うんだ?。

いや本当に使い方がさっぱり。

既に地面までは五秒もないだろう。


『大切なのはイメージさ』


1秒もない間にそんな言葉を言うアリスさん。

そんな素早く意思を伝えられるなんて半端ないです。

そんなわけで残り4秒ほどな訳です。

言葉通りラノベ通りイメージで発動させたり操作するんだろうな、権能って。

つまり残り3秒でイメージを固める。

思い浮かべるのは、そう某有名テレポート系3Dアクションパズルゲームの様子。

俺の下に入り口Aを作り、それに対応する上向きの出口A'を俺の横に作る。

落下の勢いを利用して逆に上に上がる。

一回で衝撃を殺しきれなくても、これなら勢いを減らせる筈だ。

残り2秒、空間は開かない。

既に地面は目の前だ。

イメージが足りないのか?

ならば、思い浮かべるのはさっきのイメージで繋げた入り口に入り、出口から飛び出て上に飛ぶ自分の姿。

これでどうだろうか。

残り1秒。

ニヤリと笑うように空間が開き、視界が反転する。

街からは目が捉える毎に遠ざかっている。

ちょっと思い浮かべたのとは違うが成功である。

俺が勢いのまま5メートル程飛ぶと、また、落下が始まった。

落下が始まる前にくねくねと体を回転させ、なんとか体の向きを元に戻すことに成功した。

勢いは先ほどと比べて遥かに緩やかで、これなら多分綺麗に舗装されたレンガの道も傷つけないだろう。

ガッ、という音ともに着地する。


「よかった道路は傷ついてない…」


そう安堵すると同時に、周りの人が俺を怪訝な目で見つめている事に気づく。

もしかして…というかやっぱり、俺不審者?。

街の人たちの視線を全面に受けながらも、俺はそそくさと冒険者ギルドへと向かうのだった。


『うん、なんとか使えたみたいだけど、どうあがいても権能使うところ見られたりするとこうなるから気をつけてね。』

『…できればそれを先に言って欲しかったな。』

『百聞は一見にしかずって言うし、こう言うことは経験しないと治らないでしょ。』


なるほど。荒療治って事か。

たしかにこれはトラウマになりそうだな…。

というかトラウマになりそうでよかった。

もし何かに目醒めてしまったら地獄だ。


『うん、私もそう思うよ……。阿鼻叫喚が眼に浮かぶ。』


変な目で見られながらも挫けず街を歩き続け、しばらく。昨日のギルドの通りに出る。


「というわけでさぁやっと辿り着きましたギルド!」


視線のせいか、今までがかなり長かったように感じられる。

ほんと、もうやらないようにしよう。視線という物は、呪いである。束ねれば腹痛の原因から時間感覚を狂わせる事まではば広くカバーします。


「こんにちは、今日は半刻後から試験が始まりますので参加する場合は、こちらの用紙に記入し、そちらの席でお待ちください。」


そういえば今日はちょうど試験だっていってたな。

折角だし参加するか。

用紙をもらい、記入する。

ペンはもちろん羽根ペンである。

黒インクの入った瓶も勿論セットだ。

変に現代兵器作るならペンを作って売った方が儲かるといつも思うんだが。実際羽根ペンは、結構掠れが多く出て困る。

うん書きにくい。


「あの、よければ代筆しましょうか?」


見兼ねた受付の女性にそう聞かれるが、断る。

男には、やらねばいけない時と場があるのです。


『少なくともここではないでしょ。』


はい、心遣いに感謝して代筆してもらう事にします。

いくつかの質問に答え、欄を埋めていってもらう。




しばらく待っていると、だんだんと周りに人が集まっていく。

全員が、いかにも初期装備といった装いをしているため恐らく今回の試験に参加する仲間という事になるのだろうか。

まぁ、断定するのはまだ早い。待て、しかして希望せよ。…独り孤独に希望するんだ


『え?、独り?。ちょまっ』


そういえばアリスがいたな。

姿が見えないせいで、

もう一つ人格あるやん!

頭の中で会話できる!?なんて便利

念話がデフォになり、ボッチ化。


という流れに……、


「いややっぱ俺がぼっちなのはお前のせいでは?」


つい口からでてしまったその言葉は、アリスとは違う知らない人へと伝わる。

あ、振り返って睨まれた。

本当に申し訳ない。そっちに言ったわけではないし。

仕方ない仕方ない。

本当に怖い。土下座しよう



土下座をした俺は、普通に引かれましたとさ。

靴舐めしなくて良かった。


『靴舐めする状況…キヨシは昔から変人だったと。』


変なこと言わないでもらいたい。

靴舐めに関しては友達とパラノイアをやった時に身についた知識的なスキルであり、実践もしたことない。


「というわけでセーフ」


あれ?心の声ダダ漏れでは?。


『そうだね。念話使えよおい。』


…はっ!?。まさか念話会話と口語会話を混同させる事でいきなり変な話をしだす変人だと自分からアピールさせるという作戦…いや罠………。

やはり神さま…恐ろしやぁ…。


『そんなつもりは毛頭無いんだけど…。取り敢えず変な陰謀とか余計な事は考えずにさっさと自然神のかけら集めてこいオルルァァ!』


きゃあー!、神様なのになんてはしたない言葉使いなのかしら?。

それ人にもの頼む態度じゃないよね?。




ぎゃあぎゃあと心の中で騒いでる内に、時間が来たようで、試験の内容が説明された。

試験内容は、アダプションウルフの討伐である。

アダプションウルフは、ウルフの亜種で、名前のまんま適応力が高いタイプらしい。

普通なら、その地域詳しい狼程度の脅威度だろうが、アダプションウルフの厄介な部分は、いくつもある。

一つは、生息圏が他のウルフ系統と被りやすいこと。

これにより、場合によっては複数種のウルフと対峙する可能性が生まれる。

もう一つは、見た目が他のウルフの見た目によりやすい。という事である。

雪山の森に生息するなら、雪山にいるウルフ系統の見た目に似て、洞窟近くの森に生息するなら、洞窟にいるウルフ系統の見た目に似る。

その為他の種類との見分けがつきにくく、また集団戦で戦うアダプションウルフは、場合により毒の魔術を扱う。

聞く限り、かなり厄介そうである。

が、それも同レベル帯のみの話だ。

俺の戦闘力は既に1万越え。戦闘力1500程度が何体かかって来ようが負ける気がしない。

何処かに居るだろう神さま(仮)から鼻で笑われたがそんな事はどうでもいい。重要な事じゃない。

しかし、今回の目的は、他の冒険者の手札から学び、新たなスキルを手に入れる事だ。

成り行きとはいえ、神と戦う事になるなら勝てるように、最低限の死なないように成長し、学ばなければならない。

決して独りが嫌とかいう理由ではない。




必死の交渉(一緒にパーティ組みませんか?と言うだけ)の結果、試行回数1回目にして、快く受け入れてもらう事が出来た。

異世界の人が寛容すぎて、これじゃ俺、地球に戻りたくなくなっちまうよ……。

パーティは、盾役であろう戦士、ダメージソースであろう魔法使い、回復支援その他諸々の神官、中距離支援により、縁の下の力持ちとなる弓使いというバランスの良い4人で構成されている。

強いて言うならば、先頭で斥候役できるような役が居ないのと、後衛が多めな事に目を瞑れば、堅実な良いパーティ構成だ。

強そう。

まずは自己紹介だ。自己紹介でつまづくと、その後の会話が続かない。


「昨日登録した新人の、キヨ()です。よろしくお願いします。」

『あ、噛んだ』


やばい噛んだ。

冒険者とは、やはり会話下手には生きにくい社会であるだろう。

自己紹介で噛む。それはつまりそんな社会において死を表す。

速やかに訂正しなければ、『あいつ、自己紹介失敗したんだってよ。ダッサ笑笑』などと、嘲笑の対象になるだろう。

しかし、まってくれる筈もなく…

相手側のリーダーであろう神官の少女が前に出た。


「宜しくお願いします。キヨスさん。私は、このパーティの指示を担当しているフォニアと申します。こちらこそよろしくお願いします。そして、彼がダァト。彼女がメリッサ。そしてあのそっぽ向いてるのがフォシスです。」


なるほど、タンク役で小振りの斧と、盾を持っているのがダァト。

弓使いで、身軽な格好をした刺々しい雰囲気の少女がメリッサ。

大きな杖を構えながら、興味深そうに周りを見渡しているのが、フォシス。

個性豊かである。


「少しの間だがよろしくな!キヨス!。」

「…よろしく。」

「かなりのステータスの持ち主と見た。少しの間だがよろしく頼む。」


そう言って全員が手を差し出してくる。握手だ。多分握手だろう、どちらの腕で握手するかで意味が全く違ってくるらしいが、残念ながら覚えていない。

ただ、友好的な意味だと信じたいな。


「新人冒険者のキヨスです。自分が負担すべき役割などもわかっていない初心者ですが、よろしくです。」


我ながらアドリブでよくこんな台詞が出てくるものだ。

ともかく、そうして俺は全員と握手を交わし、一旦とはいえ仲間(パーティ)として共に戦う事となったのだった。

ギルドのクエスト編です。

どんどん話が脱線している気がします。

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