第13話 次の街へ
だいぶ遅れてしまった。
申し訳ない。
でもまぁ。いろいろあったので仕方無いです(自己完結)
『結城の新たな武器を作ってから2日が経った。結城は作った弓を毎日練習し、八割の確率で程当たるようになってきている。矢は石と棒を組み合わせた簡素で低品質な物。本来ならそれも職人の手で作らなければならないのだが、鈴宮が原子操作で量産しているため職人の手も借りずに量産している。そんな感じで物と物とを繋ぎ合わせられる原子操作はかなり強力なスキルだと思う。
さて2日が経ったその日に何が起こったのか?っていうと密偵が帰ってきたんだ。色んな街を凄いスピードで駆け巡り、状況を観察する。被害状況などから救える場所を取捨選択する為らしい。
そろそろ密偵が戻ってきて小1時間ほど経つんだが。どこかの街へと向かうことは確定なので既に馬車に乗っている。状況としてはこんな感じだな。』
『成る程。私が寝てる間に特に何も無くて良かった…。というか殆どキヨシの意見じゃん。』
『そうだな、よく考えると殆ど何も無い。というか俺の意見が入っている事については、仕方ないので諦めて貰いたい。』
2日間の眠りから目覚めたアリスに現在の状況(?)を伝える。
既に出発の準備は終わっており、出発もすぐだ。
ちょうど今は日が昇る前。夜明けと共に出発するんだろう。
因みに、聖なる森であるこの周辺は、別に光っていない。光を全反射する宝石の木は有るらしいが、それも5000本に一本やら10000本に一本だとか、数がはっきりせず、見つけたとしても、大体果実が鳥に食われてしまい、特に何かがあるわけでも無いとか。
さて、情報の少ない地域で一定数の人数とずっと喋っていると、話題にする情報が尽きる。
何が言いたいかというと、喋る事が無い。今現在夜明け前であり、周囲の状況は見にくいし、数日間も居れば遠くの景色も、飽きてくる。
話すことと言えばちょっとした作戦会議なのだが…、
目の前の鈴宮達のグループは、それぞれの能力が尖りすぎていて、逆に連携が取りづらい。
それをわかっているため作戦会議というか、基本的なフォーメーションみたいなのだって組もうとしない。
たしかに殆どが近距離の方が有利なビルドかもしれない。
それにしても秋原を除いて全員が前衛とか頭が痛い。
おかげで、俺は無理矢理後衛に組み込まれた。
正直、銃を持っている鈴宮は後衛になるべきだと思う。
結構悔しいので、戦闘時はもう弾幕を形成したい。でも多分MPが足りない。
うーん、この何に手を出しても無駄な感じ。うーむ。
「そういえば次の街は何処に決まったんだろうな?。まぁ名前聞いてもわからんけども。」
あてもなく聞いてみる。
「そういえば知らされてねぇな。」
と鈴宮が言いながら、御者をしているルーカスさんに聞きに行った。他のグループは中々盛り上がっているようで、所々では、ちょっとしたゲームのような事をしているのも見られる。が、このグループは静かだ。
というのも、それぞれが、それぞれのスキルの使い方を試行錯誤しているからだと思われる。
向田と園田に関しては、癖が強すぎる気がする。
[ステータス分配]はステータスのポイントを振り分ける事で戦法を変える事が出来、鍛えればステータスの暴力を使え、[運動エネルギー変換]はどんなエネルギーでも無理矢理運動エネルギーに変換し、その逆も可能といういわば、エネルギーを操る能力に類似したものであると言える。
そんなスキルだが、それに関連する技とか魔法とかがあるわけでは無いので、自分でコンボ的な技術を作り出すという事が必要。ということだろう。
『別に仲間内でコンボ作ってもいいんじゃ…?』
『甘いぞ、アリス。コンボというのにも種類がある。状況によって使い分ける為に色んなコンボをそれぞれ作りだしている。その中でも、見られてはいけないのが必殺技的なやつ。これを決めれば倒せるとか大ダメージを与えられるといった切り札は隠しておいた方がいい。手の内を明かさぬ為の策だ。』
『な、なんと…!?。でも、それって結局味方を信じていないという事じゃないの?。』
『そうだな、俺も最初はそう思ったんだが…。こいつらは、逆に味方を信用している。どのコンボについても一言も触れないという事は、もし、戦闘中にコンボを使っても俺達が勝手に合わせてくれる、そしてコンボを知らずとも、勝手に合わせられると信じてる。』
『よくそんなに人の心が読めるね?』
『いや、こいつらの思考は大体単純だ。そして俺の思考も単純なんだ。だから、互いが互いにある程度の思考を読もうとする事ができるって感じだ。』
『なるへそ。』
『蛇足になるけども、コンボを教えないというのは、味方を守る為でもあるんじゃないかと。』
『…あぁ、[記憶を閲覧]する能力とかを警戒するためだね。でも、そんな力使えるのがいるとは思えないけど…。』
『あいつらの能力はチートだ。つまりいつ自分と同じレベルのチート持ちが出てくるかもわからない。チートがあるから、力への恐怖心的なのがあるんだろう。元々俺たちは隠キャの集まりであるからして、チキンなんだ。臆病であるが故に、能力を手に余る物だと考えている。』
『つまり、自分達がチート能力を持ってるから他の誰でもチート能力を手に入れられる可能性がある。って思ってるわけね?。』
そういう事…だと思うんだが。
しかし、この無言はつまんないから、出来れば他の話題でもいいから喋りたいんだけど。
「お、鈴宮。良いところに。」
「ん、どうした?。…あぁ、ここ静かだし結構つまんねぇよな。」
「おぉ、そういう事だ。んで、次の街について聞けたか?」
「おう。この前は交易を主とする都市だったが、次に着く場所は防衛拠点みたいな都市らしい。」
「じゃあ、そこに加勢に行って戦力を補充するって感じか?」
「多分な。でも防衛拠点って事は結構強い敵が攻めている可能性もあるし、俺達はまだ弱い。そう考えると、協力が必要になってくる。せめて前衛か後衛かぐらいは決めておこうぜ。」
『ん?』
その言葉にアリスが反応する。まずいな。
2つの会話を捌ききるのは無理だ。まずはどっちかに絞る。
ここは迷わず、アリスを切るしか無い。
『悪いがアリスさん。それに関しては後々って事で。』
既に、全員が、作戦会議をする為に円を囲んでいる。
最初に発言するのは言い出しっぺの鈴宮だ。
「さて、まず俺のポジションだが、正直どっちでもいける。ので、一応は数が少なさそうな後衛に就くってことで。じゃあ次葉斗。」
「自分の2次元具現化は、2次元ならイメージの続く限りなんでもいける。炎の玉とかでもいけるし、後衛が無難だろうと思う。その気になれば某宝具とか、某巨大ロボとかもいけるし、ある程度使いこなせるし前衛でもいけるんだけども、具現化させる時間制限があるのと、自分のステータスが後衛向きなんで。じゃあ次そうだな正宗で。」
「俺かよ。で、俺だけど勿論前衛だな。スキルの構成からしてタンクだし。じゃあ次はそうだな清で。」
「俺か…俺基本なんでもできるんだよね。という事で、パス。というか一応役割も決めとこうぜ。タンクとかアタッカーとか。」
再び、鈴宮へと戻る。
「そうだな。俺の[原子操作]は相手の撹乱に使えたりもするが、攻撃力は低い。操作可能範囲もあったが、今は30mぐらいなら行ける。って事でサポーターとかデバファーとかか。」
「じゃあ自分は後衛アタッカーでいいよな?。」
「それがいいと思う。じゃあ次は、雅人よろしく。」
「この流れで行くなら俺は前衛になるよな。まぁエネルギー変換の射程距離は50cmくらいで短いから、そっちの方がやり易いのかもしれない。じゃあ、パスした人は無視して最後、吉継。」
「俺の場合は、ステータスを尖らせる事が出来るしやっぱ、前衛じゃないか?。避けタンクと受けタンクの両立が出来るかもしれん。という事で、前衛のオールラウンダー的な?。」
「成る程、攻める時は攻めれるな。じゃあ清は適当に中衛の雑用で。」
雑用ってなんだよ。雑巾がけでもしろっていうのか?。
「俺だけ雑だな!。まぁ反論出来ないからそこに収まるけど、本当に雑用とかはやらんぞ?。というか俺普通に突っ込むぞ。」
「おうおう。わかったから、早く床掃除しろよ。」
「やっぱわかってねぇ!。」
まさかほんとうに予想通りになるとは思ってなかった。
そういう雑用じゃないんだよ。そう、サッカーで言うならミッドフィルダー?みたいな感じで、後衛と前衛を併せ持つ器用貧乏みたいなね?。
まぁサッカー好きじゃないんだけど。トラウマがあるからな。
「まぁまぁ。落ち着け。そろそろ街が見える位置に来るぞ。」
「なんで知ってんの?」
「さっきルーカスさんから聞いた。」
そう言われながら、前方の方を見る。
馬車は一直線に並んでいるため全然見えない。
仕方ないので、窓から顔を出し、覗いてみる。
「見えたぞ!防衛拠点…だ……?。」
街があった筈の巨大な土地は、既に何者かによって無に帰されていた
文字通り跡形も無く文明そのものが消え去っていた。
周囲の土地な焼け焦げ、中央に巨大なクレーターが出来ていることから、爆発のような何かによって消滅させられたというのがわかる。
「また、間に合わなかったか…。」
そうルーカスさんが言った直後、前方の馬車が、今は無い防衛拠点とは違う方向へ曲がった。その先には道と言える道は無く、悪路だと言う事が分かる。
言うなれば獣道。馬車で行くには無理があるだろう。
「この道、馬車で行っちゃまずいんじゃ無いんですか?」
気になったのか、結城がルーカスさんに聞いた。
「そうだと思うだろ?。でも、ある条件下であれば違う。」
「ある条件下?。」
「それはな、この短剣を持っている時だ。」
そう言いながら木でできた短剣を懐から取り出した。
色は塗っておらず木の色そのままで荒削り。武器はおろか、何の役にも立たないような短剣だ。
「それは?」
鈴宮が聞く。
「妖精の御守りだ。この先の森には善性の妖精の巣がある。だから許可証でとして意味を成す宝具が必要となる。ってとこだな。」
「成る程。妖精の許し…か。ところで善性の妖精ってなんすか?。」
そういえばそうだな。妖精にも善とか悪とかそういうのはあるのか。
「善性というのはあくまで区別分けだ、人間にとって害をなすならば悪。協力関係が築けるなら善。と言った一方的なもの。だから別にそこまで気にしなくても良い。それよりも、そろそろ森へ突っ込むぞ…!」
ボロボロな道の筈なのだが、先程までのある程度舗装された道と揺れは変わらず、違和感も無い。
妖精の力ってすげー。
森へと更に近づくと、やがて、馬車の周りが薄い光の粒子に包まれ始めた。
前を見ると、馬車を避ける様に草木が移動し、道を作るのが見える。
「すげぇ…」
この光景を見て、クラスの全員が息を飲んだ。
草木が移動するその動きは、あまりにも自然であり、以前から道があったように感じる。
あり得ない事があり得る。ここでも異世界に来ていることを再確認することになった。
そうして出来た道を進むこと数分程。
馬車は森の中の開けた場所に出た。
騎士団の馬車が全部入っても有り余るほどに広い広場だ。
中央には、一際目立つ大きな木があり、その根元にはテントが張られていて、集団が既に到着しているようだ。
「少ないとはいえ、無事に生き残っているとは…」
集団の様子を見て、ルーカスさんがポツリと呟いた。
クレーターができる程の被害だったが、無事でいた人達がいて良かった。
って感じだな。
そうしていると、馬車の全てが広場に到着し、中央の木に固まっている集団と何らかの話をするのか、団長が待機を命じてから木の方へと向かった。
「そういえば、ここに来てどうするつもりだったんですか?。」
ルーカスさんに聞いてみる。既に滅ぼされている街の近くで何かをするという感じでも無いし。
「…ん?あ、あぁ。恐らく[転移の扉]でも使おうとしてるんだろう。[転移の扉]はオウルム王国各地に存在していて、使えば他の[転移の扉]へと移動が出来る。それを使えば移動速度が格段に変化するから、王国の騎士団は良く使っていたな。」
なるほど…某ドラ○ンなクエストのあれみたいだな。
…そういえばこの国転移関係の物が多いな。
召喚といい、転移魔法といい、転移の扉といい…
『私がいたのだってこの国が転移関係の物が多かったからだし。』
『へぇ、だからあんな辺境の砦に…でもなんで転移関係の物が多いんだろうな。』
『それは、多分転移の扉のせいじゃないかな。転移の扉は古代の技術が使われた遺跡だから。そういう遺跡を調べたり使っているうちに、転移系の物が発展していったんだろうね。』
そうして話していると団長が戻ってきた。
どうやら、あの集団はクレーターと化していた元防衛拠点で暮らしていた人達らしく、避難民として保護をするらしい。また、それと同時に転移の扉という物を使って遠方に移動するようだ。
向かう先は、オウルム王国南部の唯一の交易路となる渓谷地帯の近くにある交易都市だとかなんとか。
出発は今日はもう夜が近いため、明日の朝になるようだ。
実際、空を見てみれば満天の星空を見る事が出来た。
その後は特に何もなく、俺は眠りについた。
なんか、話がおかしくなってたり?
あ、ちなみに防衛都市の名前は考えてないです。
今回出た交易都市の名前は…次の話で出ると思います。
実際名前なんてあんま関係ないですけどね。




