ファンさんの死6
とりあえず俺たちは村へ戻った
「ふ~今回はなんとかなりましたけど」
ヴィリジさんが俺に話かけてきた
「そうですね、今後のことを考えると」
俺たちが悩んでいると町の外が騒がしい
「敵襲?」
俺たちは慌てて現場へ向かうと
先程助けたラビット族が敵の索敵を終えて村に戻ってきたとのこと
そんなことを知らない町の人は
「彼らは一体?」
「何者なのかしら?」
戸惑いの声を上げている
「すまない、ちょっと通してくれ」
俺が人垣を分けて前に進んだ
「みんな聞いてくれ!彼らはラビリス族だ、さっきの山賊の襲撃から俺たちを守ってくれた」
ざわつく町の人たち
そんな中ひとりのラビリス族が前に出てきた
「先程の敵は逃がしてしまいました」
「いえ、追っ払ってもらえただけでも感謝してもしきれません」
「そう言って頂けると助かります」
「えっと確か黒騎士が同族を助けたとか」
「ええ、彼のおかげで私の家族は救われました」
「えっとラズリーさんでしたっけ」
「はい、族長をしております」
まさか 助けたのが族長の家族だったとは・・・・
「あ 申し遅れました 私はここの領主の高井と申します」
「失礼ですが、黒騎士様とはどんなご関係です?」
「えっと彼とはですね・・・・」
下手にごまかすと嘘がみやぶられそうだからな・・・・
「ちょっとこちらに良いですか」
俺はラズリーさんと少し離れた場所で内緒話をする
「実はですね・・・あの黒騎士は私なんです」
「え?!」
俺は信用してもらうために助け情景を詳しく説明すると
「確かに私が聞いた内容と一緒です」
「えっと あの 私は影ながら人々を助ける活動をしてまして」
すみません、助けてるのは表の人ですが…
「おお!なんと素晴らしい、しかしなぜ影ながらなのですか?」
「あまり表だってやるのも恩着せがましいですし…」
「なんと!崇高な精神だ」
「この村も行くあてを失った者が集まって出来た村なのですが…」
「なんと!我輩 感動のあまり涙が」
良心が痛い
「まあ、そんなわけです」
2人でこそこそしているのも怪しいのでみんなのところに戻り話を再開した
「ところであの賊は普通とは違うように見えましたが」
「ええ、どうやらどこかの国が裏で手を引いているような感じで」
「なんと!しかし なぜ?」
「この町の発展を快く思ってない輩がいるらしく、まだ確証はないのですが」
「ふむ~それは大変ですな、宜しければ力を貸しましょうか?」
おお渡りに船!
「良いんですか!ありがとうございます」
「ええ、あなたの志にお付き合い致しますぞ!では私共はどこか近場に野営地を探しますので」
「え?ここに住めば良いのでは?」
そういうと困ったような顔をして
「申し出はありがたいのですが、我々はモンスターと思っている人間も多いので不快に思われる方もいるかと」
「そんなことが」
俺がヴィリジさんを見ると
「事実です」
「みんなはどうおもう?」
ざわつく町民
「う~ん」
俺が困ってると一人の少年が前に出て
「うさぎのおじさん あの盗賊をやっつけたんだよね?」
いきなりの質問に面くらっているようだが
「ああ 全滅とまではいかなったが確かに倒した」
そういうと少年は
「じゃ 俺を強くして下さい、僕の家に住んでもらっても構わないので」
「え?」
「俺の父さんはこの前の戦いで死んじゃった、なので今度は俺が守りたいんだ!だから強くしてくれよ」
「うううう」
ラズリーさんが号泣してる~
「俺たちも鍛えてくれ、俺らの家でよかったら提供するから!」
元海賊達もその言葉に乗っかる
「どうだろう、みんな彼らを是非 俺たちの町に招待したいんだが」
異議はなかった
「というわけだが、君たちの都合もあるだろうから滞在という形で構わないんだが」
「ううう、先程の少年の言葉にも感動しましたが、町にも入れず森に住むことしかできなかった我々を受けいれてくれるとは」
「そうだったのか」
「できれば、我々の妻子、仲間も呼んで宜しいでしょうか?」
「問題ないと思いますよ、住むとこいっぱいありますから」
「おお!ならば我々は全力もってここを死守することをお約束いたします!」
こうしてわが町の防衛&防衛指導はラズリーさんの指揮のもと構築されていくこととなる
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