お供え
ムジンは光を切り裂きながらこちらに向かってくる。
「ウソだろう」
俺は思わず声が出てしまった。
「なんということだ」
レッドさんも唖然としている。
「あれだけの魔法撃をくらってほとんど損傷がないなんてどうすれば」
ファンさんが青ざめている。
ムジンはノーダメージというわけではないようだが大きな損傷は見られない。
「ここは儂らが引き受ける、お主らはなるべく遠くへ逃げるのじゃ!」
レッドさんが叫ぶ
レッドさんの危機迫る感じ、文字通り死守するつもりだろう
「俺が残ります!」
ここは俺が残るのがベストだ
「ちょっと!」
ファンさんが止めるが
「俺には移動できる魔法もあるから危なくなったら飛べばいい」
「しかし、君では奴を足止めすることはできんぞ!」
「切り札はあります!」
そういうと俺は
全ての再生を司る 巨人よ今こそ現れるとき!
創生 リサイクラー!
光の中から俺の切り札が現れる
「これは召喚か・・・?」
「さあ 早く逃げて下さい!」
この世界で3度目のリサイクラーとの戦いが始まる
俺はリサイクラーに敵を押さえつけるイメージを送り
「早く逃げてください!」
その言葉にレッドさん達も納得いってない様子ではあったがマジックバンの方へ向かい走り出した。
「さあ お前の相手はこちらだよ」
俺は再び敵と対峙し、リサイクラーに意識を集中する。
リサイクラーは敵の前側の足を押さえつけてはいるが
パワーが足りずズルズルと押し込まれている。
「くそ、なんて馬鹿力ならんだ」
俺は敵のステータスを確認すると
???? レベル1
HP????
MP????
スキル???
状態 耐魔コート メタル化 ???AI
なんだこれ…
なんとかみんなが逃げる時間だけでもそう思ってた矢先
敵の口が電のような轟音と共に光を帯びた砲撃が放たれた。
リサイクラーがその攻撃を直撃してしまい自分の方に飛んできた
「るー!」
「みー!」
俺の頭の上で何かが跳ねている。
顔上げるとそこにはライさんとクロ、リリーが居た。
「なぜここに」
「るー!」みー!」
二匹とも戦う姿勢だ
戦ってくれるのか…
しかし勝算は低い
まったく序盤からこんなラスボス級の敵なんてほんとに神も仏もないな
「呼んだ?」
肩からニョキッと何かが生えてきた
……一体どうすれば!
「無視するな!せっかく出てきてやったのに」
自称神様でしたね…
「なんとかできるんですか?」
「なんじゃ その投げやりな言い方は!儂帰っちゃうぞ!」
「すみません!何とかしてください!」
「しかし…基本儂は干渉しない方針で…」
やはり神は居なかったのか…
「心の声!聞こえてるから!」
ポカポカ頭を叩かれた
「痛いですって!どうしたら助けてくれるんですか?」
「そうじゃの~神にモノを頼むならそれなりのお供えが…」
「そんな 生贄!」
「ぴ~」
「る~」
涙目でこちらを見るリリー達
「違うから!そんな物騒じゃないから!そうじゃの夕食食べ放題、飲み放題で!」
お手頃過ぎて逆に不信感が…
「だ~から~心の声が聞こえてる!」
ポカポカ
「わかりました、夕食豪勢なものおごりますから」
「ふむ!最初から素直になれば良いモノを…まあ 良い!では始めるか!」




