旅は道連れ世は情け
旅がはじまります!
大きな物音と共に奥の方から3人の男達が外へ飛び出して行った。
「リリーいくよ」
「ルー!」
俺は男達を追って外にでると
「おい!急げ!追いつかれちまう」
男たちはマジックバンに跨り騒いでいる
「リリー あいつらに惑わしのメロディーを、そして地べたに座らせれるか?」
リリーは
「ルー!」
了解という感じで鳴き、男たちに向かって歌いだした
「ん?なんだ・・・・」
男たちは歌の効果で意識が虚ろになり始め
「ルー!」
リリーの一声で地べたに座り込んだ。
「リリーすごいな~」
リリーは歌いながらえっへんとばかり胸を張る。
「待つのじゃ!」
店から粘着質のゼリーまみれの老人が慌てて出てきた。
「おお これは」
赤い服をきた髭の立派老人が盗人たちの光景をみて驚いている。
「こいつらを足止めしときました」
俺がそういうと
「いや~助かった」
「まったくこいつらが相談話を持ち掛けてきて、話を聞いてる最中にいきなり足止めのスライムを投げてきての~」
スライムだったのかアレ
「ふん!このコソ泥が!」
盗人どもの頭をひっぱたく老人
「それにしても助かった礼をいう」
老人は俺に対して深々とお辞儀してきた
「いえ、そんなたいしたことは・・・」
「しかし、これは珍しい魔法だのその連れている魔物も・・・」
老人が俺たちをマジマジと見定めている。
「そんなに珍しいですかね」
ちょっと距離が近づき過ぎでは…
「おっとこれはすまんついつい気になっての」
状況を察してか我に返る老人
「それでじゃ、お礼をしたいがここではなんだから 中に入らんかの?なに金は心配するな!行くぞ」
俺は強引な誘いを断り切れず店の中に戻り老人達はシャワーを浴びて来ると言い待ちぼうけ状態。
何か忘れてるような
「あ」
忘れてた……
周りを確認するが見当たらない
クロは⁉
あんな小さいからな…まさか踏んだか!
俺は慌てて観察スキルを使い周りを見回すとクロは手の甲に居た。
「良かった〜 あれ?」
クロのステータスを見ると
クロッコ
Level1→5max
HP50
MP 10
スキル 浮遊
条件解放により
クラスチェンジ可能
俺やリリーのLevelは上がっていないが、クロはLevelが上がってクラスチェンジまで可能になっていた。
そういえば戦う以外でも経験値もらえるとか言ってたし、さっきので得た少ない経験でクロのレベル上げには十分な量がもらえたのかな?
そんなことを考えながら
「クロせっかくだからクラスチェンジできるか?」
意思疎通できてるか疑問だがクロに向かって話て見ると
クロが光だした。最初は米粒位の光が徐々に大きくなり野球ボール位になった。
そして光は収束し始め消えると黒いモコモコの毛並みと目がクリッとした生き物が現れた
ストラップにしたら人気でそなくらい愛くるしい感じだ!
「お前クロか?」
「み〜♪」
クロは嬉しそうに鳴いて、頭の周りをふわふわ浮いている。
「あら?その子は何?可愛い!」
ファンさんがシャワーから戻って来て、クロを見るなり撫でまわしている。
「えっと実はいろいろありまして」
俺は今まで起こったことを説明した。
「ほんとあなたってトラブルを呼び込むのね」
そんな話しをしていると老人が帰ってきた。
「いや〜お待たせ、店主 オードブルと何か飲み物を見繕ってくれ」
老人が店主に注文し戻ってくると開口一番
「その彼女は君の連れかい?その髪、カーネーションの紋章…お主…」
ファンさんの容姿を見るなり言葉を濁した。
「なによ!」
ファンさんが怒り気味に反論している。
「ふん!」
何を怒っているのか、老人が何を気にしているのかさっぱりわからない
そんな疑問を考えていると
「さあ みんなで食べよう、君が盗人を捕まえたんだってな!お前意外と強いんだな!」
飲み物と料理を店主が運んできて意気揚揚としゃべりだした
「今日は俺のおごりだ、俺の作れる最高の料理を用意したどうだ!」
飲み物は キンキンに冷えていて、味は蜂蜜に柑橘類を入れてある感じで酸味と甘みのバランスがいい感じ!
料理は牛肉のような肉がこんがり焼かれており、蜂蜜入りのソースをかけて焼いたのか北京ダックのようになっている。
「どうだ!うまいだろう!今日は騒ぐぞ~~!」
俺の首に腕を回して騒ぎ出す
さすが元冒険者すごい力だ…苦しい
他にもソーセージのようなものに、ピリ辛くて甘いハニーマスタードがついたもの、カラフルなサラダがついている。
どれも絶品!
「店主旨いぞ!」
老人が声をあげて賞賛する。
「当たり前よ、蜂蜜が良いの手に入ったからよ、昔アイリス地方で習った料理を作ったのさ」
「く〜流石だ 普通のレストランじゃこうはいかないからの!これだからトリップハウス巡りはやめられない」
老人は満面の笑みで頷いている。
そんなこんなで先ほどの険悪なムードは吹き飛びみんなでどんちゃん騒ぎが始まった
リリーは歌いだし
クロはポンポン跳ねている
楽しい時間だった
その後も店主が秘蔵の酒を出してきて終わることない大宴会 店主の冒険譚を聞きながら話しは盛り上がった。
会は終盤になりみんなかなり酔っている中俺の話しになった。
老人が
「そういう君はどうして旅をしているのかね?」
「それ!私も知りたい」
ファンさんも興味津々だ。
「えっと実は訳あって コアという存在を探してまして」
「コア?聞いたことないの〜〜」
老人が首をひねりながら答える
「私も知らないわ」
ファンさんも知らないらしい。
「うむ、これだけの面子が揃って知らないとなると、中央の賢者くらいしか…」
老人は何かブツブツ言っている。
「賢者ですか?」
俺が聞くと
「ああ、ある程度の町の長以上が相談やサポートを受けれる独立機関じゃ」
「ほー」
「じゃが一般人では会うことも不可能じゃから現実的ではないの〜」
「そうじゃ!」
老人が
「私といっしょにマジックバンで旅をしながら情報集めてはどうじゃ!」
「おもしろそうね!」
ファンさんも酔いもあってか上機嫌
リリー達も訳もわからないだろうに騒いでいる
「よし!決まりじゃ!みんないくぞ!旅じゃ!」
かくして老人とのツーリング旅行が始まった
クロのステータス
フルクロッコ
クロ
Level1
HP50
MP15
スキル 浮遊
NEW 重力魔法
ゼロ :重力を0にする