その名はクロ
旧タイトルの二垢を完結させました><
一応新たな一歩のケジメとおもっております
「はあ〜〜危なかった」
「る〜〜」
俺とリリーは町の出入り口までなんとか辿り着いた。
やはり金や妬みってのは何処へ行っても恐ろしい!
しばらくするとファンさんも到着した。
「まったくなんて品のない人達なの軽蔑するわ」
とりあえず怒りモードのファンさんを宥めながら
「さて どうしようか?」
「とりあえずこの町にはもう入れないわ、他の町にいきましょう」
「ちなみに次の町を目指すとしてどれ位掛ります?」
「そうね、何もなければ夕刻には着けるかしらね」
「移動手段は?」
「マジックアイテムもないし、定期車の停留所は町の中よ、徒歩しかないわね」
「歩きで⁈」
「誰のせい?」
「すみません」
うう まさかこんなことになるとは〜〜
その後もファンさんに小言を言われながら
2時間位歩いた、街道をあるいているおかげなのか戦闘もなく順調な旅路。
「あそこにトリップハウス見えるわ、少し休憩しましょう」
「トリップハウス?」
「引退した冒険者がこういった街道などに休憩できる小屋を営んでいる所よ、場所によっては軽食や宿泊施設なんかもあるのよ」
「へ〜道の駅やペンションみたいなものかな?」
ファンさんが不思議そうな顔をして
「あなたの言ってる意味はよくわからないけど、まあ見てもらった方が早そうね、トリップハウスは拘りのレシピとかいろんな特徴をもって運営している人が多いから、それ目当てで旅する人もいるくらいよ」
「拘り?」
そんな会話をしているうちにトリップハウスに着いた。
小屋の前にはみなれないタイヤのない大型のバイクと荷台がついたタイプが何台かとまっていた。
「ファンさんあれ何ですか?」
「マジックバンね、凄く高価なものよ、しかもかなりカスタマイズしてありそうね、そんなことより早く行くわよ、早く休みましょう」
そう言うと中に入って行った。
「すみません」
「あいよ〜」
小屋の奥から体格の良い親父が出てきた。
「すみません、少し休ませてもらえませんか?あと飲み物あるかしら?」
ファンさんが親父に聞いている。
「おう!うちの拘りアイスハニーウォーターがあるぜ」
「良いわね、それ3つくださいな」
「イヤ!4つじゃ」
にょき!
行き成り神様登場です
「うお!兄ちゃんそれは召喚魔法か何かかい?」
店主もびっくりしている
「ええ、まあそんなもんです」
「そんなもんとはなんじゃ!」
ポコ!
「大変そうだな」
店主からの同情の目線が痛いっす
「400ルチだ」
そう親父が言うとファンさん、神様の視線がこちらに…
「あ、はい」
払えってことね
店主が
「にいちゃん鈍いなー彼女に促さる前に出さないと」
そういうとファンさんが顔を真っ赤にして
「彼女じゃありません!軽蔑するわ!」
ファンさんが全力で否定した。
「うむ、儂もタイプじゃないな」
神様も
そこまで言わなくても!と心で泣いた
「そかそか 嬢ちゃん そんなに目くじら立て怒らんでくれ、嬢ちゃん特別にシャワーサービスするから汗を流すといい」
若干押され気味の親父さんはお詫びにシャワーをサービスしてくれるらしい
汗かいてたし!丁度良い
「ありがとうございます!」
俺が言うと
「あんたは入るなら金をもらうが」
俺も汗流したい…涙
俺はシャワーを諦めて、指定された所にリサチーを押し当て飲み物の会計を済ませると窓側の席に座って待つことにした。
「う~ん80点 はちみつの甘みとほのかな酸味のバランスは良いがもう一歩工夫が欲しいの!」
そういって品評したあと神様は飲み干しそのまますぐに消えてしまった
ちなみに味ははちみつレモンみたいな感じだった
その後やることもないので、ぼーっと窓辺を見ていた
季節的には春なのだろうかぽかぽかしてて気持ち良い
窓を見ると陽気に当てられたのか米粒みたいに小さく、黒いふわふわしたモノ窓の辺りでフヨフヨしている。
外に出たいのかな?
窓を開け外に誘導させようとした時
スキル発動
弱者共感
職業スキル発動
テイム
え⁈
まさか
俺は恐る恐るステータスを見ると
クロッコ
未定
HP1
MP 0
スキル 浮遊
説明
黒いふわふわした生き物、家などのほこりと間違えられることも多々あり
リリーよりも酷いなコレ…
道端にいる虫みたいなもんだから妥当といえば妥当なんだろうけど
まあ 仲間になったのも何かの縁か…
俺の目の前でふわふわ浮いている虫?に俺は
「よし!お前の名前はクロだ」
そう言うとクロは上下にふわふわ動きだした。
「伝わったのかな?」
俺はもう一度ステータスを見ると
クロッコ
クロ
Level1
HP1
MP 0
状態順属
スキル 浮遊
どうやら成功のしたみたいだ。
俺は頭に乗ってるリリーに
「リリー後輩の面倒みてやるんだぞ」
というと
「る〜?」
何処にいるのと言わんばかりに辺りを見回している。
そんなやり取りをしていると
ガタン!
奥から大きな音がした
「泥棒だー誰か捕まえてくれー」
この事件がこの後の旅を大きく変えることを、俺は知るよしもなかった。