ビギナーズ
くしゃみがとまらない;;
今回は調整ということで簡単な動作確認だったが、その性能は凄まじかった
軽く武器で撫で斬りしただけで木が真っ二つになるなど常識では考えられないレベルだった。
俺は裏世界から戻ると轟司令が待っていた。
「どうだ、凄かっただろう。」
「ええ、なんというか凄まじいですね」
うんうん と頷く司令
「今日採ったデータを元に調整をしておく、後はこちらの仕事だ」
「了解です」
「明日位には完成するだろう、学校にはこちらから連絡して置くから今日は帰って休むが良い」
「有難うございます」
「あと、明日は北原君達が始めて裏世界へ向かう、万が一のことを考えて君もこちらに来てくれ」
「はい」
その後簡単な体のチェックをした後車で送ってもらい家に着いた。
部屋に帰り布団に倒れ込む。
「ハア〜」
なんか凄いことに巻き込まれてるよな…
そんなことを思いつつ俺は眠ってしまった。
翌日 土曜日だというのに俺は組織へ出勤だ。
組織に着くと俺は昨日と同じ部屋に通され、そこには涼風さんが居た。
「待っていたわ、昨日説明があった通り今日から本格的に始まるは、別室で彼らも準備しているはずよ」
「俺は待機してれば良いんですか?」
「ええ、あのモニターでチェックしながら いざという時はすぐ出撃してもらうわ」
「了解です」
「彼らの転送が始まるようね」
モニターを見ると既に三人は転送されていた。
三人は同じ軽装なアーマーを装備していた色はメタリックなシルバー機動性重視の装備なのかな?
「おっさん これからどうすればいいの?」
北原が司令に向かって叫んでいる
「ちょっと、北原君 おっさんはまずいよ」
宮本さんが慌てて止める。
「ああ、別に構わんよ、今日は試運転も兼ねて、軽い戦闘を行ってもらう」
司令は寛大なのか、相手にしてないのか気にしてない様子。
「へーい」
北原が気だるそうに答える。
マイケルは無言で頷いている。
「今から支援機を送る、先日も話したが その支援機を使い戦闘を行い、自身を強化して行ってもらう」
「ようする敵を倒して行けば良いんだろ」
北原がそういうと長官が頷きながら
「宜しく頼む、支援機を出すぞ」
そういうと、オペレーターに向かい指示を出す。
「支援機 タイプ ライガ、ホーク、ウルフ データ転送」
「了解 ライガ、ホーク、ウルフ システム起動…オールグリーン、転送開始」
三人の場所に三機の支援機が転送された。
赤いライオンのようなタイプ、黄色の鳥のようなもの、青いオオカミのようなロボットが転送された。
「君たちの特性に合わせ、攻撃重視のライガを北原、支援重視のホークを宮本、機動性重視のウルフをマイケルに割り当てある。それぞれ性能の確認は事前に渡したマニュアル通りだ」
「了解~!んじゃ登録はじめるか」
北原が面倒くさそうに答える。
各自が自分の手にある小さな端末で作業を始める。
「あれもしゃべるのかな?」
俺が独り言をいうと涼風さんが
「いいえ、人工AIを搭載してるのはあなたのプロトだけよ、彼らの支援機はそこまで出力も現段階では大きくないのと、人口AI自体まだ試験段階だから」
俺が実験台ってことね
そうこうしているうちに登録が終わったようで
「こっちは登録終わったぜ、おっさん」
「長官 登録終わりました」
「登録完了」
三者三様の答えが返ってきた。
「了解だ、こちらも問題なく登録できた」
「んじゃ 暴れてもいいんだな」
「ああ くれぐれも試験的な戦闘だから無理はしないように」
「わかってるって」
北原を先頭に近場の森へと入っていった。
ふと俺は疑問に思った。
「あれ?あの森・・・」
「どうかしたの」
「いえ なんでも」
あの森まさかこの前戦闘したとこの様な気がするんだが・・・
そんなことを考えていると戦闘が始まった。ゴブリンタイプの敵と戦闘している。
北原の戦闘は力に任せた剣を振るった強引なものでそれに合わせて支援機が波状攻撃をしかけている。
変わって宮本の攻撃は弓での遠距離攻撃を行っており、近づいてくる敵に対して支援機が牽制攻撃を行い注意を逸らしている。
マイケルは槍での攻撃を行っており支援機と連携を取りながら敵を倒している。
3人の力もあってあっという間に敵を殲滅していく。
しばらくすると 荒れている土地に彼らはたどり着いた、そこは俺らゴーレムを倒した場所だ
「ここは、大規模な戦闘でもあったのか」
北原があたりを見回している。
そこで俺はあることに疑問に思った。それは倒したはずのゴーレムが居ないのだ・・・
倒した場所には何か引きずったような跡、更におかしいことに手下の岩のオオカミの亡骸も明らかに少ない。
そんなことを考えていると
バキ
木が折れる音が・・・
バキバキバキ
「ウオオオオ」
「なんだあれ」
北原が見た先に居たのはゴーレムの体に 手下のオオカミを強引に融合させた姿の巨大な岩のモンスターが現れた。
「丁度いい、あいつなら大量に稼げそうだ」北原がおもしろそうとばかりに笑う
「あんなのと戦うの?」
宮本さんは恐怖している。
一方マイケルは無言で敵を見ている。
「おっさん、例のアーマード化試していいかい?」
あいつらも俺と同じようにアーマード化するのだろうか?
「了承はするが、相手がもし対処出来ない位の強さなら撤退命令を出す」
「あいあい、わかってるよ」
「ほかの二人も念の為アーマード化してくれ」
「はい」
「了解」
そういうと長官が
「各自のアーマード化実行」
オペレーターが
「了解、各自アーマード化へ移行します」
そういうと各自の支援機が各自の鎧、武器のパーツへと変化していく。
北原は赤を基調とした鎧で胸に獅子の顔が付き、肩、手の甲、足、兜というピンポイントに強化されておりスピード感を損なわない形なっている。そして剣はパーツが着いたことで重厚感が増している。
宮本さんは弓に鳥の両翼がついている形になり、鎧は北原とは違い部分的ではなく全体的に重厚感が増し防御力重視のタイプだろうか、特徴としては兜にターゲットスコープの様なモノが付いている。
マイケルの方は槍、鎧ともにバランス良く強化されており特徴としては背中にブーストの様なものが付いている。
北原が
「おお 良いじゃ!」
一人で張り切ってる。
残りの二人は機能を確認しているようだ。
そうこうしているうちに岩のモンスターは迫ってきていた。
北原が
「俺が先制していくぜ」
宮本が、
「援護します」
マイケルは、
「では、俺はバックアップに回ろう」
ここにきて初めて連携らしい行動を見せる3人、北原はすぐ行動に移り敵目がけ猛ダッシュ すかさず宮本さんが弓を射る、先ほどと違い弓に青白い光が追加されている。
北原は敵に到着すると飛び上がり剣の重さを使いそのまま叩き切る、俺のときはほぼ切るなんてできないと思った岩が簡単に切れた、しかし、敵も尾のような岩を北川目がけて振り下ろした、そのときマイケルがブーストを使い凄まじいスピードで詰めより尾を槍で粉砕
「助かったぜ」
「油断するなよ」
司令が
「そろそろタイムリミットだ、一気に決めるんだ」
そういうと各自が一斉に距離を取った。
そして、最初に動いたのが宮本だった
「ウィンドアローを放つは、みんなタイミングを合わせてね」
そういと限界まで弓を弾き次の瞬間凄まじい勢いの矢が放たれた
そしてそれに合わせマイケルがブーストで加速し
「リアル ソニック発動」
そのまま敵を貫き、最後に北原が
「これで終わりだぜ フレイムソード」
縦一文字に剣を振りぬくと敵は真っ二つになった。
それと同時に彼らのアーマード化も解けた
「ふ~まあちょろいもんだぜ」
と北原
「怖かった~」
と宮本
相変わらずマイケルは無言
だが、事態は終わってはいなかった。
背後で岩の怪物は再生を初めていた崩れた体を集めている、岩の怪物は砂と化した自分の体を立て直し砂の怪物へと変貌している。
「最後の悪あがきかよ」
北原が剣で斬るが砂を切るだけで手ごたえがない。
「こいつはやばいな、おっさん撤退だ」
「わかった しかし、すぐには無理だ 準備が整うまで逃げてくれ」
長官の声にも焦りが見える。
逃げる3人…だが俺の記憶が正しければそっちの方向には村があったはず、このままでは村が襲われてしまう。
このままでリリー達が…
「長官俺を行かせて下さい!」
涼風さんに向かって叫んだ
涼風さんは指令に向かって
「司令、高井君を出してみては如何でしょうか」
「そうだな、こんなに早く投入するつもりではなかったが…仕方あるまい、プロト1起動」
長官がこちらの回線にチェンネルを切り替え指示をだした。
「プロト1起動を承認」
オペレーターが作業を始める。
涼風さんが声をかけてきた
「頼みます」
「やれるだけのことはやってみます」
「プログラムオールグリーン プロト1出撃可能です」
オペレーターからの準備完了の声が聞こえた。
そして長官の声が聞こえた
「高井君あとは頼むぞ、プロト1転送」
悩む暇は今は無い、目の前ことを今はやるしかないんだ。
「プロト1行きます!」