1/6
1990年代
1990年代
その頃は彼にとって最低最悪の時間だった。
彼は臆病で軟弱で不器用で
小さい頃からずっと周囲の人達からバカにされて生きていた。
家族さえ彼を嫌っていた
友達はいないわけではなかったが、そいつらも彼と同類。
だからウマは合った。
それでも
彼は誰も信じない
愛する人もいなければ
愛してくれる人もいなかった。
寂しい、苦しい、辛い
逃げたい消え去りたい。
どこかのアニメの主人公は
「逃げちゃだめだ」って
自分自身に言い聞かせていたけど、その少年は勇敢だと思う。
彼もその少年みたいに
少しでも立ち向かう勇気があったら、少しはマシな人生だっただろうか。
でも時間は戻らない
彼はただひたすら時間が過ぎていくの待った。
ゲームしたり
アニメ観たり
漫画やエロ本読んだり
そうやって
ただただ過ごした。