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第一話(1) オレは何も悪くない

皆さん初めまして。

星乃 大希です。

この度は僕の小説を見てくださってありがとうございます!

グダグダで時間がかかりそうですが、なんとか頑張りたいと思います。

それではどうぞ!

             

……………………暑い。

うだる様な暑さとはまさにこの事だ。

黒白に敷かれているコンクリートもジリジリと聞こえてきそうに揺らいでいる。

「おいおい、まだ6月に入ったばっかだぞ……」

オレ、伊達だて れいは嘆かずにはいられない。

なにせ、汗の滴りがひどい。

登校している最中は風を感じて、心地よかったが、駐輪場から校舎へ向かっているだけですらごらんの有様だよ!

「やっぱ温暖化は進んでらぁ! 大人達め! 少しはエコに協力しろよ」

半年前までは記録的な豪雪で温暖化は都市伝説だと思っていたけど前言撤回っ!


うぐ……校舎へ入っても暑さは軽減されない。

「あっつい……」

おいおい。すっかりデブキャラみたいな口癖になってきてる。

「ちくしょう。冷房くらい入れろよなぁ。こちとら高い学費払ってんだから」

そう。俺が通う怜宝商業高校は金に物を言わせた次世代型の最新設備が自慢の私立校。

次世代を担う経済人の育成がモットーらしく、商業専攻を売りとしている。

……つか、次世代って言いたいだけだろ。

一応体裁はエリート進学校であるが、蓋を開けてみれば、生徒たちの偏差値はピンキリだ。

明かに裏口から入ったであろう毛並みの違う連中もちらほらいるしな。

「ふぅー。はぁ、はぁ……階段も上るのも一苦労だな」

オレは頬に伝う汗を拭いさる。


   ◆


はぁぁ……やっとの思いで教室へ着いた。

教室では、クラスメイト達が楽しそうに談笑している。

うむ、平和でほほえましい光景である。

もちろんオレに挨拶をしてくれるクラスメイトはいないんだが……

(……なんだこの空気?)

今日は視線がオレに突き刺さり、そわそわした空気が漂っている。

……どうでもいいか。

こんな低能な奴らのことなんか。

オレは真っ直ぐ自分の席へ座り、窓を眺め始めた。

あぁ、HRが始まるまでのこの時間が憂鬱で仕方がない。

改めて、窓に反射しているクラスの様子を見る。

(まじまじと見る勇気がないわけじゃないからな)

ひそひそとオレを見て話すもの、クスクスと指をさして嘲笑うもの。

パシャ、パシャ、パシャ。

しまいには写メでオレをとっているようだ……ん?

「って、おい!! ちょっと待てよ!」

なんだこいつら!? 人が見てないフリをしてるからって。

こっちは窓越しに見えてんだからな。

「お前ら何してんだよ!?」

オレは写メをとっていたクラスメイトAに近づき携帯を奪い取ろうとする。

「ひぃ~。やぁぁ! 触るなよ! こっちくんな!」

「なっ、なんだと?」

「だってよ、『写メで撮る』っていったのお前じゃん?」

クスクスと周りも「自分で言ったくせに」「きもっ、何大声出してんの」とオレの周りに集まってくる。

「何を言っているんだ?! いいから寄こせ、画像を消去してやる」

「やだよ。僕の携帯に伊達菌が伝染るじゃないか」

なんだ?! その小学生みたいな言い訳は!?

「あー。もうなんなんだよ!? オレが何したっていうんだよ?」

オレは状況を把握できず、頭を抱え叫ぶ。

あー。もう叫んだ所為で余計に暑い……

「あのさ…………なんでお前まだ冬服なの?」

そんな中、クラスメイトBが不快なにやけ顔をしながら、訪ねてきた。

「へっ?」

日本語でおk。

「いや、だからさ今日から夏服移行日なのに、まだ冬服できてんの?」

「……は?」

「ウケ狙いなら相当寒いわ」

「汗がびっちゃびっちゃで気持ち悪し」

「ちょ、えっ、え……」

状況確認―――

○○○○○○○○○○○○○○○○○○●○○○○○○○○○○○○○○○○

↑クラスメイト           ↑オレ

「あるれれぇぇー?!」

白×39 黒×1 

――状況確認終了 オセロなら歴史的惨敗だわ。

うぉ、周りを見渡せば、半袖の制服である。

「な、な、なんじゃこれぇ!?」

どうりで暑いわけだ。

今週から夏服に完全移行の日だった……忘れとった。

俺だけまだブレザーを着たままである。

「しかも、誰も聞いてねーのに、『おいっ。もし冬服着てくるアホがいたら写メで撮って晒そうぜ?』とか一人で盛り上がってたじゃんかよ」

「やんないとお前またキレそうだし、絡まれるのうざいからしょうがなくやったのに結局キレんだもんなぁ……」

「あーやだやだ」

「まろもー」

「朝から疲れるでごさる」

クラスメイトは呆れたようにオレから離れていく。


「……なんだよ……それ? まるで俺が悪いみたいじゃないか?」

冗談で言ったのに本気にしやがって……

自分の正当性を主張し、机に打ち伏せる。

「オレは何も悪くないぞぉぉぉぉぉ! ……ババァ、夏服くらい用意しとけよな」

くそっ。暑いせいか? 目から汗を掻いてやがる……

「あー……また始まった」「うっせー。ぼそぼそぐちぐちと」「おい誰か止めろよな?」

「バナナくれる?」「無理無理ぃ~ちょ~無理ゲー」ざわざわとうるさいのはお前らのほうだ。

実りのない薄っぺらい会話しやがって。

あー。もう家に帰りたい。むしろ死にたい……

「おっす。澪、お前やっちまったなぁ」

いきなりそいつはオレの机に座りやがった。

「……なんだお前か?」

「私だ。……って暇を持て余してる神様じゃねーつーの」

そんなつもりで言ったんじゃないんだけどなぁ……

また、違う意味でうるさいやつが絡んできた。

「朝からボケの切れ味サイコ―だなぁ、さっすが!」

「俺らっていいコンビだな?」とケラケラと笑いながらそいつはオレの肩をバシバシ叩いてくる。

……連続で叩かれると地味に痛い。


この一見おちゃらけた感じの奴は甲斐かい 龍一りゅういち

オレの前の席であり、唯一まともにオレに話しかけてくる稀有な人物だ。

見た目通りのハイスペックでリア充のイケメン。

本人曰くどうやらオレ達は親友の関係らしいが、オレはこいつのノリがうざったくてしょうがない。

(実際こいつも本心では俺のことをどう思ってんだか……)

憐れんで情けで話しかけてくれてんのか、本当に心までイケメンなのかオレもまだ判断しかねている。

(まぁ、学校外でつるむことのない友達を本当の友達を呼べるのか?)

「てかよー。土曜せっかくカラオケ誘ったのにどうして返事くんなかったんだよ」

あ……俺が遊ばないだけだったわ。

こいつパーフェクトイケメン決定っ。わ~パチパチ(棒読み)

「神はどうして平等を与えてくれないんだろうな?」

「はいはい。ワロスワロスw」

「……っち」

携帯に夢中にオレの話を聞いていないし!

これだからゆとり世代型リア充は嫌いなんだよ! 

携帯なんて小型ゲーム機のようなもんだろうが!

「ところでよ……」

「あぁ?」

龍一は視線を携帯に落としたまま話しかけてきた。

しつこい。あぁ、早くHR始まんないかな。

「たくっ、情けない顔してんなー? そんなに恥ずかしいことか?」

……お前オレの顔みてねーだろうが!

「五月蠅い。オレは目立つのが嫌いなんだよ」

「もったいねーなぁ……良くも悪くも誰かの記憶に残れるんだぜ?」

「なんだよそれ、死亡フラグみたいなの」

「んや……そのうちわかる時が来るさ」

「!!」

だからなんだよ、その意味深な発言は。

ここ回想シーンで使うのか!? 「はっ! あの時龍一が」的な。

「おしっ! 席に着けー! HR始めるぞ」

やった! 担任が来たぞ! こいつから解放される。

「相変わらず、テルオって声でけーな」

……まだ話しかけてくるのですか。

「お前も負けないくらいでけぇよ!」

「伊達ェ、うるさいぞ始めると言ってるだろう」

「あっ、はい。すみません」

「(おいおい静かにしろよなー)」ニヤニヤ

「(っち。お前の所為でまた叱られたぞ)」

「(だから、お前が容量悪いだけだっつーの)」

「(なんだと?!)」

「……て 伊達ェ! 聞いているのか?」

「うっるさいなぁ、テメェは引っ込んでろ!!」

「……ほう?」

……しまったぁ!

龍一にキレるはずが、反射的に担任のテルオ・ノア(日系3世)に怒鳴ってしまった。

「(あーあ。何してんだか?)」

ニヤニヤと龍一が呟く。 

おめぇの所為だろうがよ!

教室にしんと張りつめた空気が流れている。 

なんとか挽回せねば。 落ち着け。

卍解して挽回をするんだ。

「わぁぁ! ちちちち、違うんだ! テルオに言ったわけじゃなくて」

「貴様、教師に対してなんて口のきき方だ! お前は前々から……生活態度に問題があるようだな」

「違うんだよ! オレは何もしてない」

「伊達ぇ。お前には謝罪の意はないようだな。ならば私もしかるべき処置を行うとしよう」

「だから! ……あぁ! もう!」

な……んだと。……卍解失敗。 

ある意味、死神が降臨した……


   ◆


―――廊下なう。

テルオ・ノア(担当教科英語)を怒らしてしまったオレはバケツを持って廊下に立たされている。

「今時、廊下に立たされんのって、の○太かカツ○くらいじゃね?」

「口頭で言っても反省の無いお前には相応しいだろ? ちょうど、一時限目は私の授業であるし、終わるまで廊下に立っていろ!」とテルオ・ノア(27)のありがたいご教授をいただいたのでした。

くそぅ。このまま家に帰ろうかな? もう家で心の傷を癒したい。

でも、今日に限って、ババァがパート休みだしな、うだうだ五月蠅そうだな。


「キーンコーンカーンコーン」

おぉ……やっと授業が終わった。よくぞ耐えたオレ!

まぁ、途中でバケツは置いて、普通にモン○ンやってたんだがな。

「さてと、バケツを持たんと怪しまれるな」

ガラガラと教室の扉を開く音がし、テルオ・ノア(独身 一人暮らし)が出てきた。

「伊達ェ。反省したか?」

「はい! 明鏡止水の境地であります!」

「ふん。まぁいいだろう」

教師なんて、イエスマンを演じてりゃちょろいもんだぜ! ばーかばーか。

「よし! じゃあ、戻っていいぞ」

「ありがとうございます」

「それと、伊達ェ? 反省文は放課後までにな」

「え? ……ちょ、ま……」

ハンセイブン? 何それおいしいの?

これで終わりじゃないの?!

「バケツは水を捨てて元の場所に戻しておくように」

……鬼畜や。むしろ鬼だ。

「納得いかねー! なんでオレにだけ厳しいのアイツ」

そうテルオ・ノア(担任にしたい先生NO.1)は優しくて、人望がある素晴らしい先生なのだが、オレ対してだけ当たりが厳しく、不当な扱いを受けている。

(……入学式からああいう感じなんだよな。なんかしたかオレ?)

心当たりのない悪意のある正義をぶつけられるのであった。


最後まで読んでくださったお方ありがとうございます。

……いかがだったでしょうか?

なにせ、小説を書くの自体が初めてでものすごい緊張しています(汗)


かなりの初心者なんで、

「こうしたほうがいい」「ここはこう~」とかアドバイスをいただけたらとてもうれしいです。今後の参考に是非したいので。

単純に一言感想だけでも、発狂します!

では、またノシ

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