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6. 誕生パーティの魔法少女

2026年1月1日連載スタートしました。

毎日朝8:00投稿予定しております。

 翌日の日曜日、ひばりはいつものように昼前に起きると、自分の誕生パーティーまで特にやることがないので、相変わらず無為に時間を過ごしていた。


 そして他の家族はどうかというと、父親の耀司ようじも特にやることがなく、ひばりと一緒にテレビを観たり、ぼーっとしたりしていて、妹の万智まちは部屋で宿題を片づけたり、それが終わると母親の仕事を少し手伝ったり、読みかけだった本を読んだりとゆったりとマイペースな時間を過ごしていたが、母親の洋子だけはひばりの誕生パーティーの食事の準備をしないといけないのもあって、朝から一人忙しそうにしていた。


 そして夕方になると、耀司と万智は片手間に、色紙いろがみで簡単な装飾をたくさん作って、それを万智が台所中に飾っている間、耀司は机にA4のコピー用紙3枚を横に並べて、何色かのカラーマジックを使って『ひばり16歳の誕生日おめでとう!!』という文字を、なぜか達筆な文字で書くと、台所のどこか適当な位置に、少し左斜め下を向いてしまったが、まあ気にせずにそのまま貼り付けておいた。


 これらを見ただけでも、ひばりの16歳の誕生日がいかに特別でないのかよくわかる。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 ここで興味ない方もいらっしゃるかもしれないが、せっかくなのでひばりの家族のことを紹介しておこう。


 まず父親の耀司であるが、平日に電車にでも乗っていれば必ず見かけるような、どこかの会社に勤めるごく普通のサラリーマンである。背は高くもなく低くもなく中くらいで、あまり細かいことを気にしない大らかな性格をしているようで、顔つきを見てると、少しなるほどと思うかもしれない。


 一方母親の洋子はというと、背は小柄な方で、顔や背格好を含め全体的にかわいらしい印象で、ひばりはどちらかというと母親似なのだろう。洋子はその全体的に幼げな印象から、今は年齢より若く見られることが多いそうであるが、何年か経つとそのメリットがある日突然デメリットに転ずる日が訪れることを今はまだ知らない。性格も、夫の耀司に似て大らかなようである。


 妹の万智は、ひばりとは学年が2個下で、現在は中学3年生。背は父親の耀司の方から遺伝したようで、身長はすでに姉のひばりより一回りくらい高い。顔も姉に似ているが、こちらは締まりのない顔をしている姉と違って、しっかり者の顔をしている。その理由は、万智が幼い頃から常に姉のひばりを見て反面教師として育ってきたため、それといつも失敗ばかりする姉を妹の自分がフォローしなければという強い責任感から自然と身に着けたものであった。だからといって、決して姉のことが嫌いなわけではない。幼い頃からブレずに魔法少女を愛し続ける姉の、その変わらぬ一貫した姿勢には、むしろ尊敬すら感じているくらいだ。それとひばり以外にも、たまに外すことのある耀司や洋子のフォローに回る必要もあるので、常に油断ができないのである。支子くちなし家で唯一の常識人である。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 それからお待ちかねの夕食の時間が来て、予定通りひばりの16歳の誕生パーティーの開催となった。


 テーブルの中央に置かれたバースデーケーキは、ひばりの16歳の誕生日をお祝いして、お約束の16本のロウソクのそれぞれに火が灯され、それとデリバリーで頼んでおいたピザ、洋子の手作りであるハンバーグやら揚げ物やらポテトサラダなど、ひばりの好物の料理が並んでいた。


 家族四人全員が揃って席に着くと、ひばりを除く家族三人による愉快なハッピーバースデーのソングが披露された。ひばりはバースデーケーキに刺さった16本のロウソクにフーフーと一生懸命息を吹きかけたが、一回では全て消えず、その後何回かチャレンジして、やっと全てが消えたタイミングで夕食のスタートとなった。ひばりは夕食が始まると、すぐにピザやら揚げ物やらポテトサラダなどを一気に口に入れようとして、あやうく窒息死しかかったが、なんとか危機から脱すると、ようやく気持ちが落ち着いてきたのか、普通に食事するようになった。食事の間は、家族でひばりの幼少の頃からの思い出話なんかをいくつか披露していたようだが、特にここで取り立てて話すような内容はない。


 一家は食事が終わると、せっかくなのでコーヒーでも飲みながらバースデーケーキでも食べようかという話になって、母親の洋子がコーヒーの準備をして、父親の耀司がケーキを均等に切り分けようとしているまさにその時だった。


「あっ! そういえば、ひばりにあの話をしなきゃいけないんじゃなかったっけ?」

「はっ?」

 洋子が突然思い出したように耀司に確認すると、耀司も最初はなんのことだったのかさっぱりわからない様子だったが、少ししてようやく思い出したようである。


「あっ! そうだった。すっかり忘れてた。」

 台所のテーブルに全員分のコーヒーとケーキが用意されると、家族全員が再び揃ってイスに座り直した。


「ひばり。食べながらでいいから、今からパパが話すことを真剣に聞くんだよ。」

「だからといって、別に大した話じゃないけどね。」

 耀司がひばりに話し始めると、洋子が耀司の話に補足を入れた。


「うん、わかった。」

 ひばりはケーキを口に着けながら、興味なさそうに片手間に返事した。


 耀司はコホンと一つせき払いをすると、改まった様子で言った。

「実は、今まで隠してきたというか……まあ、特に言う必要がなかったので、今まで言わなかっただけなんだが……我々支子家はな、先祖代々魔法少女の家系なんだ。」

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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