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77. 2週目

 南美達は2年A組の教室を出ると、再び光の塔が現れたグラウンドに向かって廊下を駆け出した。


「廊下は走るな!」が学校の規則だが、今はそんなことを言っている場合じゃない。それに、こういう学校のルールにうるさい三玖が、この非常時にそんなことを注意するなんてこともあり得ない。……というか、さっき教室まで全速で走ってきたし……


 南美は廊下を走りながら、辺りをさっと見渡した。廊下を歩いている生徒も、掲示板にポスターを貼っている先生も、教室にいたクラスメイトと同様、彩り(カラー)がなくなって、異変が起こる直前で動作が停止していた。


 廊下を走りながら、開いている扉から他のクラスの教室を横目で覗いてみても、それは同じだった。

 2年B組――→2年C組――→2年D組――→2年E……


「……あれ?」

 やっぱり、どの教室も一人残らず全員白黒になって時間が止まってる……って思ったら、さっきD組の教室の中をチラッと見た時、一瞬なぜか白黒になってなくて、異変が起こる前と同じ彩り(カラー)を維持したまんまの生徒が、何人もいるように見えた。しかも、その内の一人の生徒と目が合ったような気がした。


(えっと……確か、あの娘は……)

 南美は立ち止まって、一度D組の教室に確認しに行ってみようかと思ったが、この非常事態にそんなことをしている余裕はなかった。そして正面玄関で足元をローファーに履き替えた頃には、そんなことなどすっかり忘れてしまって、一刻も早くグラウンドに向かおうと駆け出した。


「ちょっと待って!」

 南美が真っ先に校舎を飛び出して、グラウンドへ向かって数歩踏み出した時、突然三玖が南美を呼び止めた。


「……えっ!? どうしたの?」

 南美は、その場で急停止すると、三玖の方を振り返った。


「ええ、このままの格好だと危ないわ。だから、光の塔に向かう前に、ここで先に魔法少女になっておきましょう。」

 三玖がいつもの落ち着いた様子で、南美達に提案した。


「……なるほど。言われてみると、確かにそうした方がいいかもしれない。」

 南美は納得すると、その場をくるっと方向転換して、再び校舎にいる三玖達の元へとスタスタと歩き出した。


 ――こういう非常事態になっても、冷静に状況判断ができる三玖が一緒にいてくれて本当によかった。

 南美はその時、三玖が自分達の仲間になったありがたさを改めて実感した。


「よし! それじゃ、早速5色の魔法少女に変身してみようよ。」

 南美は、こういう時になっても、これから自分が魔法少女になるんだという心の中のワクワクとドキドキが抑えきれなかった。


「と、と、と……えっと……そういや、どうやったら魔法少女に変身できるの?」

「うん。グラウンドに光の塔が伸びているから、いつでも変身できるよ。」

 ミカが南美の質問にすぐに答えた。


「そうなの?……じゃあ私はどうしたらいいの?」

「うん。南美が5色の魔法少女になりたい! って強く願ってくれたら、その願いを受け取って、私も同じくらい南美が5色の魔法少女になってほしいって願うから……そうすれば私は南美に魔法を授けることができるから、南美はレッドキティに変身できるようになるはずだよ。」


 ちなみに余談だが、ミカや三玖などは、これまで5色の魔法少女のことを五色の魔法子猫と呼んでいたが、この前4人で相談し、私達魔法子猫だけど一応魔法少女でもあるし……というわけで、これからは5色の魔法少女のレッドキティとかイエローキティという感じに統一することとなった。


「へえ、そうなの。……じゃあとりあえず早速願ってみるね。」

 そう言って、南美は早速目を閉じると魔法少女になりたいと願い始めた。すると、ミカも南美に呼応するように目を閉じて願い始めた。


 すると、すぐに南美の首元に掛けられたペンダントの赤色のプレシャスストーン(PS)が赤く光り出すと同時に、ミカの首元につけたリボンの赤色の石もそれに呼応するかのように、真っ赤に光り出した。そしてその光が、南美とミカの周りを徐々に赤く染めていった。


 ――よし! 変身できる!


 南美がそう思って目を瞑った瞬間――

「……あっ、ちょっと待って! ……だったら、まずは蛍に5色の魔法少女になってもらいましょう。蛍は一度イエローキティになったことがあるから、まずは蛍にお手本を見せてもらうことにしましょう。」

 三玖が南美の変身に突然ストップをかけた。


「えっ? 私?」

 蛍は、三玖から突然魔法少女になるよう振られて、オロオロ慌てふためいた。


「……うん。そう言われると、確かに三玖の言う通りだ。……それじゃ蛍。お願い、先に魔法少女になってみせて。」


 南美は目を開けると、それと同時に南美とミカの周りを覆っていた赤い光もそれに呼応してスッと消え去った。南美は、三玖の言う通り、まずは蛍の魔法少女の変身を見せてもらって、変身の参考にさせてもらおうと思った。それに、前回は蛍のかわいい魔法少女姿を一瞬しか見ることができなかったので、今回はじっくり観察してみたい。

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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