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76. 2週目

「うーん……ミカがそう言うんなら、私も別にそれでいいんだけど……でも、わかってるんだけど……絶対いるってことがわかったんだから……だったら早く会いたいじゃん。」


 南美は、こっちから探しても多分見つからないから、向こうから会いに来てくれるまで、それまでじっと待ってようとミカに言われていたが、それでも南美は、残る2人の魔法少女を早く見つけて、一刻も早くミカを安心させたいという想いと、それに絶対にいるんだったら、待ってるんじゃなくて、こっちから見つけて一日でも早く会いたいという個人的な気持ちが勝って、最近は一人で残りの2色の魔法少女探しに前のめりになって、行く先々で蛍を少し困らせていた。こういう少しせっかちなところは、もしかすると南美の数少ない短所なのかもしれない。


 一方ミカの方はというと、もう自分が故郷を離れてからすでに500年以上が経過して、自分の両親を含め故郷のウラネコ達も、全員がすでにロボットになってしまったことがわかると、もう1日や2日遅れたぐらいで大勢には影響はないだろうし、今さら焦っても仕方ないやと完全に開き直っていた。まだ幼い子猫なのに、故郷のウラネコを救うため一人宇宙を旅し、なんとしても伝説の五色の魔法子猫を見つけ出さなければならないという強い使命感と、それに反して、一向にその手掛かりすら見つからない絶望の日々、そして一時は緋色家から出て一人で五色の魔法子猫探しの旅に出ようと決心するなど、これまでの極度の緊張と不安からようやく解放されたのだから、それも仕方のないことかもしれない。そして現在は、残りの2色の魔法少女の合流を待ちながら、これからは南美や蛍達との地球生活をもっとエンジョイしようと気持ちを切り替えていた。このミカの気持ちの切り替えの早さというか大らかな部分は、ミカの両親のどちらかから受け継いだものなのかもしれない。


 その時、蛍がぱっと話題を変えた。

「……そういえば、南美は三玖の家に行ったことある?」

「えっ、私? ううん、ないよ。三玖と仲良くなったのって、つい最近のことだし。えっと……三玖の家がどうしたの?」

「うん、私も誰かに聞いた話なんだけど……三玖の家って、西洋の宮殿みたいで、すごく大きくて立派だって聞いたことがあるの。……それで、南美は三玖の家に行ったことがあるのかなって思ったんだけど……」

「へえ、そうなんだ。ふーん、なんかすごそうだね。……それじゃあ今度三玖にお願いして、三玖の家に遊びにいこうよ。」

「うん、そうだね。一回行ってみたいね。」


「……ふーっ。でも、それにしても三玖遅いね。生徒会の仕事、そんなに忙しいのかな? 私達で生徒会の仕事お手伝いしてもいいのにね。」

 南美は、以前に三玖に生徒会の仕事を手伝いたいと何度も申し出ていたが、人一倍責任感の強い三玖は、これは私の仕事だからと、今のところその申し出を受けることはなかった。


「うん、そうだね。そろそろ戻ってきてもいい頃なのにね。」

「ふぁ〜あ……うんうん、そうだねぇ。」

 ミカはそう言うと、気持ちよさそうに少しウトウトしてきた。


 いつもと変わらない放課後の平和な日常、特にやることもなく、心地よい夕日を浴びて教室でまったりしている三人だった。……が、突然先週感じたのと同じ不快な寒気を感じるとに、目の前が一瞬にして、色のない無機質な世界へと切り替わった。


「あっ!!」

 南美はとっさに立ち上がった。


 自分の周りのすべてが白黒になって、まだ教室に残っていたクラスメイトも、前回と同じように、時が止まった瞬間から一切の進行が停止し、生命力のない無機質なものへと変わり果ててしまっていた。


「……うん。……とうとう来たみたいだね。」

 さっきまで、少しウトウトしていたミカも、すっかり目が覚めて、真剣な表情で二人を見つめた。


「うん。」

 南美は決意に満ちた表情で、力強くミカにうなずいた。


(う~~、やっぱり怖いよ。でも……今回は南美がいるから……)

 一方蛍は、この異変の独特の雰囲気が怖くて、これからも慣れる気がしなかった。


 それからしばらくすると、教室のドアがいきなり勢いよく開いた。


「みんな大丈夫!?」

 三玖の叫び声が教室中に鳴り響いた。


 南美達は、もし再び異変が起きた時は、ミカのいる場所に全員集合するように事前に決めていたので、異変が起こるとすぐ、三玖は生徒会室から2年A組の教室まで全速で駆けつけてきたのだった。


「うん。ありがとう、三玖。私達は全員無事だから。」


 南美は三玖に返事すると、教室の窓ガラスを開けて外を見た。教室の外の世界も、見渡す限り教室と同様、全てが白黒だけの無機質なものへと変貌してしまっていた。そして前回と同じ場所辺り、グラウンドの方に光の線が一直線に立っているのを見つけた。


「よし! とりあえずグラウンドの方に行ってみよう!」

 南美はみんなに向かって言うと、4人はすぐに教室を出て、光の塔がそびえ立つグラウンドに向かって一斉に走り出した。

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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