66. 最初の7日間
2年A組のクラスメイトの若葉三玖が5色の魔法少女のグリーンキティと判明し、早くも3色目の魔法少女が見つかった翌日の朝、南美は猫専用のキャリーにミカを入れて自宅を出ると、いつもよりかなり早く学校に登校した。このキャリーは、春休み早々、ミカのベッドを購入した時に一緒に購入したもので、東京や東北に遠征した時にも使用したものである。
南美が学校に到着すると、時間はまだ早朝で外は少し肌寒く、生徒が一人もいない学校はシーンと静まりかえっていた。南美は校舎に入ると、A組の教室には向かわず、その足で生徒会室へと向かった。それから寒々とした廊下を歩いて生徒会室の前に着くと、ドアを軽くノックした。
「失礼します……」
南美が少し緊張して、そーっと生徒会室のドアを開けると、室内には生徒会の副会長でもある三玖が、南美達の到着を待ち構えていた。
「あら、おはよう南美……それにミカ。」
「おはよう、三玖。」
南美が教室の中に入って、机の上にキャリーを置いて中を開けると、中からトコトコとミカが出てきて、物珍しそうに生徒会室の中をキョロキョロと見回した。
「ふふ……見ての通り、殺風景で特に面白みもないところだけど……生徒会室ってそんなところだから。……それじゃあミカ、とりあえずは生徒会室でお留守番お願いね。私達が迎えに来るまでは、この教室から出ちゃダメよ。」
「ミカ。授業の合間に必ず様子を見に来るから、心配しないで。それと午前の授業が終わって昼休みになったら迎えに行くから……そしたら、蛍も一緒にお昼ご飯食べよ。だから、それまでは生徒会室の中でいい子にしててね。」
「うん、わかった。」
ミカは、二人に素直に返事した。
「えーっと……ミカを生徒会室で飼うことについては、学校への許可もとってあるし、生徒会のメンバーにも全員連絡済だから、そちらはそれでいいとして……後は全校生徒への周知をどうするかね。……一応通知だけでもしておいた方がいいのかしら?」
「うーん……私は別にどちらでもいいと思うけど……」
「まあ、学校には許可はとってあるし、別にコソコソ隠しておく必要もないんだけど……でも、ミカ目当てに生徒会室にわんさか生徒が集まってこられても、それはそれで困るし……」
「うーん……そういえばそうだね。」
ミカのかわいさを考慮すると、そういうこともさもありなん。
二人はどうしたらいいか、その場で少し考え込んでいると、後ろから不意に声が掛かった。
「ほうほう……なるほど。この子がそうなんだね。」
南美達が後ろを振り返ると、ボサボサの長髪で目が隠れて、その上、大きなマスクをしているので、ほとんど顔が識別できない生徒が、知らないうちに南美達の後ろに立って、興味深そうにミカのことを観察していた。
よく見ると、その生徒は、生徒会の相談役で、昨日の昼休み、南美達と同じ科学教室内で一人かにすきを堪能していた常磐さんだった。
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