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32. 「誕生!! 魔法少女」

2026年1月1日連載スタートしました。

毎日朝8:00投稿予定しております。

 その公園は広くて、緑が豊かできれいに整備されていて、お城の跡に歴史資料館が隣接してあったりと、地元でも有名な観光スポットで、桜の季節はもう少し先だったが、園内ではナミ達の他にも、たくさんの家族連れやグループが、気持ちよさそうにくつろいでいた。


 ナミは家族と一緒に昼食の準備をしながら、不意に公園を見渡すと、そのグループの中に、なぜか知っているっぽい顔を発見した。そのグループは、ナミと同じ年頃の4,5人連れの女の子の集まりで、その中の一人にナミは心当たりがあった。


「えっ? あれってもしかして……でも、まさかこんなところに……」


 ナミはよく確かめてみようと思って、そのグループの方にじわりと近づいていった。すると、向こうもナミの存在に気づいたみたいで、おもむろにベンチから立ち上がると、そのままゆっくりとナミの方に近づいてきた。そしてナミの前までくると、ピタッと立ち止まった。


「あら? やっぱり日乃彩さんだったのね。まさか……こんなところで会うなんて、ものすごい偶然ね。今日はこちらにご家族で観光に来たのかしら?」

「こんにちは。新葉しんはさん。……うーん、今日はそんなところかな。それにしても、すごい奇遇だね。新葉さんはどうしたの?」


 彼女の名前は、新葉しんはミク。


 ナミと同じ宝石女子学園に通う高校生で、高校1年生ながらも、高校では生徒会の副会長を務めている。高校ではナミと違うクラスだが、同じ中学校の出身で、中学時代はクラスメイトだったこともある。中学時代の成績は常に学年トップで、成績優秀なナミも、一時猛勉強して彼女に挑んだことがあるが、それでも学年トップの座は決して譲られなかった。まさしく優等生といったタイプの女の子で、外見も、高身長で長髪を後ろで三つ編みにきっちりとまとめ、日本人離れしたくっきりとしたその顔立ちから、多分近い祖先に外国の血が混じっているのではないかと学内では噂されている。実家も、なにか大きな会社を経営しているとか裕福だそうで、成績は優秀、容姿も端麗、実家はお金持ち、だからなのか、常に余裕のある佇まい、そして元女優のナミのママとは違った種類の、どこか高貴なオーラが彼女から自然と溢れ出ていて、彼女自身には特に嫌味な感じはないが、なぜか常人には近寄りがたい独特の雰囲気を醸し出している。


「うん。なぜかわからないけど、実は去年から一年間、この辺りの音楽学校に通うことになってね。私はそこでフルートを勉強することになったんだけど……それで、一緒にいる彼女達は、校内で木管五重奏団を組むことになった仲間達でね。みんな、私にとってかけがえのない大切な人達なの。」

「へぇー、そうなんだ。」

「ええ。それでさっき、地元のホールで、みんなで演奏を披露したばかりなの。」

「へぇー、それはすごいね。」

「ええ。……まあ、なぜか少し締まらなかったけどね。」

「えっ? なんで?」

「えっ? あら……なんでかしら? 私達の演奏が今ひとつだったのかしら?」

「??」

 新葉さんは、自分でも不思議そうな顔をすると、それからナミと二言三言会話を交わした。


「……そう。日乃彩さん達はこれからこの辺りを観光する予定なのね。……だったら、とっておきの場所を教えてあげるから、もし時間があったら行ってみたら?」


 そこは、街の全景が一同に見渡すことができる高台で、地元の人にもあまり知られていない場所だった。


「ありがとう。じゃあ、ぜひとも行ってみることにするよ。」

「私はこれから宝石市に帰る予定だから。それじゃ、楽しんでいってね。」

 新葉さんは遠目からナミの家族にも挨拶すると、颯爽と彼女の友人達の元へと帰っていった。


「……なんか、すごい人だね。新葉さんっていう人。」

 ミカも、遠目からでも新葉さんから醸し出される独特なオーラを感じとったのか、感心のあまり、なぜかわからないが、思わずすごいという言葉が出た。


「うん。新葉さんって本当にすごい娘なの。中学で同じクラスだった時も、クラス委員で生徒会長もやってたし。テストの成績なんかいつも学年一番で、それに運動もすごく得意で……なのに彼女、そんなことぜんぜん自慢することもないんだ。彼女にとっては、それが当たり前のことなの。でも彼女、本当はすごい努力家で、中学の時も塾とか習い事なんかを複数掛け持ちして、いつも忙しそうにしてたっけ。だから私、中学時代は新葉さんとはあまり接点がなかったんだけどね。」

「ふーん。」


「――よし! じゃあ、そろそろ出発するか。」

 公園で昼食をすませると、パパの掛け声を合図に、ナミ達は五色の魔法子猫の情報集めを再開した。ナミ達は午後も引き続き『マジカルクイン』の舞台となったはずの場所を何件も訪問した。しかしながら、どこに行っても、残念ながら特に新しい発見はなかった。

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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