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27. 「誕生!! 魔法少女」

2026年1月1日連載スタートしました。

毎日朝8:00投稿予定しております。

 ナミは、各シリーズのキャラクターの設定資料や絵コンテ、ポスター等々(などなど)、果てはキャラクターグッズに至るまで、一つ一つの資料を丁寧に見て回った。そしてすべての資料を見終えると、覚悟を決めてその場ではっと息を吐いた。


「よし……。行くよ。」

 ナミはキョロキョロと館内を見渡して、やがて手が空いてそうなスタッフを見つけると、思い切って声を掛けた。


「あの……」

 それからナミは事情があって、どうしても5色の魔法少女の関係者と会わせてほしいということをスタッフに心の底から訴えた。対応したスタッフも、始めはナミのことをまったく相手にしなかったが、しばらくすると、なぜかナミの願いを聞いてあげたくて仕方なくなってしまった。しかし、それは絶対にダメなことなので、どうしたらいいのか困り果てた。


 すると、ナミとスタッフの間のやり取りが気になったのか、5色の魔法少女の等身大パネルの近くで打ち合わせしていた二人の男性のうちの一人が、ナミ達の元に近づいてきて声を掛けてきた。


「ねえ、一体どうしたの?」

「あっ、松下さん。それが……」

 そのスタッフは、松下と呼ばれる男に事情を説明し始めた。


「――なるほど。お姉さん。なんか事情があるみたいだけど、5色の魔法少女に関する情報は、我々制作スタッフでも一切打ち明けることができないことになってるんだ。だから、申し訳ないけど……」

「すみません。それはよくわかってるんです。でも……」


 今にも涙をこぼさんばかりにナミに切々と訴えられると、さすがの松下という男も、最初に応対したスタッフと同様に、ナミの願いを少しは聞いてあげたいという気持ちになってしまった。


「――わかったわかった。それじゃあ少しだけ質問に答えてあげるから。」

「ありがとうございます!」

 ナミは深々と頭を下げて松下という男に礼をした。


「はっは、別にいいから。……それで、なにが聞きたいの?」

「あ、あの……でしたら、5色の魔法少女は本当に……いえ、あの……5色の魔法少女を想像した人は誰なんですか?」

「おっ! いきなり厳しい質問がきたなぁ。……それは社内でもトップシークレット中のトップシークレットでね。実は私でも知らないくらいなんだ。でも、社内では一応社長が考えたことになってるんだけどね。」


「ありがとうございます。そしたら、次は5色の魔法少女シリーズの舞台の街がどこか教えてほしいんですが。」

「はっはっはっ。5色の魔法少女の舞台はすべて架空の街で、モデルとなる街は特に設定されてないんだよ。」

「えっ? でも、5作品の舞台は特定できたんですが……」

 それを聞いた瞬間、松下という男の顔面は真っ青になった。


「はーっ!? そんなはずがない! 5色の魔法少女は複数のスタッフがチームを組んで、毎回全国各地にロケーションしてるんだから、絶対にバレるはずがない!」

「えっ?」


「あっ! ……はっは。いやあ、少ししゃべりすぎたみたいだ。申し訳ないけど、もうこれ以上は質問に答えられないな。」

「いえ、こちらこそ申し訳ございません。」

「いや、別にいいよ。でもお姉さん、よっぽど5色の魔法少女のことが好きなんだね。来月からマジカルキティが始まるから、楽しみに待っててよね。」


「はい。ありがとうございました。え、えーっと……」

「まだ他にあるのかい。はっはっはっ、残念だけどもう答えられないよ。」

「……あ、あの……5色の魔法少女って……本当にいるんですか?」

 松下という男は一瞬ポカンとした表情をすると、大声で笑いだした。


「はっはっはっ。うん、そうだね。私は残念ながら今まで会ったことがないのでわからないけど、5色の魔法少女はどこかにいるのかもしれないね。お姉さんもいつか会えるといいね。」

「いえ、ありがとうございました。」

 松下という男は、それからは終始にこやかにしていたが、急にハッとして、頭の中でなにかを思い出したようだった。


「あっ!……あのー、お姉さんって……もしかしてひばりちゃん?」

「ひばりちゃん?」

「あっ……ひばりちゃんっていうのはね、小さい頃から今でもずっと、本当に5色の魔法少女はいるんですかって定期的に我々に問合せしてくる女の子がいるんだよ。かれこれ、もう10年以上になるのかな? 5色の魔法少女の1番のファンの女の子でね。それで我々制作スタッフの中でも有名人なんだよ。その娘、多分今のお姉さんと同じくらいの年頃のはずだから、もしかしてと思ったんだけど。」

「ごめんなさい。違います。」


 その後、ナミは松下という男に深々とお辞儀すると、ミカと合流するため足早にミュージアムを後にした。


 松下という男は、ナミの後ろ姿を遠目に眺めると、一緒に打ち合わせしていた男性の元に戻っていった。


「いやー、ゴメン。お待たせお待たせ。」

「いえいえ。……でも、そういえばあの娘、今度の魔法少女のナミにすごく似てましたね。」

「うーん? そうだったかなー? ……もしかすると本人だったりして。」

「ふふ……だったらレッドキティのナミが、松下さんを応援しに直接会いに来てくれたんじゃないですか?」

「はっはっはっ。まさか。」

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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