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17. 「誕生!! 魔法少女」

2026年1月1日連載スタートしました。

毎日朝8:00投稿予定しております。

 それからは、すぐに夕食の時間となった。


「いただきます。」

「ナミ、いただきますってなに?」

 ミカはそんな挨拶今まで聞いたことがなかった。


「うん? いただきますっていうのはね、ごはんを食べる前に、ごはんを作ってくれたママ、それに食材を作ってくれた人や、食材自身、それと神様なんかに感謝するために言うものなの。」

「えっ? カミサマってなに?」

「神様って? うーん……なんて言ったらいいんだろう? 難しいな。えーっとね……神様っていうのは、なんでも知ってて、なんでもできて、それで私達のことを見守ってくれる存在かな?」


「……ふーん。」

 ミカは、神様というのが本当にいるんだったら、ウラネコとロボットの争いを見守ってないで、なんで止めてくれないのか不思議でならなかった。


「ミカ。それよりあなたお腹空いてるでしょう? そのキャットフード、さっそく食べてみて。」


 ミカはキャットフードの入った皿に鼻を近づけると、くんくん匂いを嗅いでみた。

(うーん……あんまりおいしそうな匂いじゃないけど、乾燥フードよりはましかな。)


 まあ食べられなくはないと思い、さっそく食べようとしたが……あれ?

「ナミ、スプーンちょうだい。スプーンがないとごはん食べれないよ。」

「えっ? スプーン? ……あっ、そっか。」

 ――そういえば、この子ただの子猫じゃなかった。直接口でキャットフードを食べるとか、そんな行儀の悪いことしないよね。


「……いただきます。」

 ミカはナミからスプーンを尻尾の先っぽで受け取ると、そのままキャットフードをすくって、カリカリと食べだした。


 ミカの食事風景を見た時、ママもミカが本当に宇宙から来た猫だということを少し理解した。


「どう? そのキャットフードおいしい?」

 ナミが心配そうな顔でミカに聞いた。

「うん……。おいしいよ。」

 ミカはナミに無理に笑顔をつくると、食事を再開した。


(本当いうとあんまりおいしくない。だけど今の自分は居候の身。贅沢なんかいってられない。)

「…………。」

 するとナミはすっと立ち上がって新しい皿を取って戻ってくると、ナミとママが自分達のチキンステーキを切り分けてその皿の上に乗せた。そしてそれをそっとミカの前に置いた。


「はい。これあなたの分。ミカ、お家では遠慮しないでって言ったでしょ。」

 ナミはミカにわざとらしく少しむっとした顔をすると、すぐににこりと微笑んだ。

「明日からは、ミカのごはんも私達と同じのにしないといけないわね。でも、食べられるものは私達と違うかもしれないから、食材には気をつけないといけないわね。」

「ナミ、ママ、ありがとう。」

 ミカの瞳から自然と涙がこぼれた。


「あの……そしたらナイフとフォークも下さい。」


 ナミがナイフとフォークをミカに渡すと、ミカは尻尾でナイフを掴んで器用にチキンを切って、魔法でフォーク空中に浮かせながらチキンステーキを食べ始めた。この食事風景を見た時、ママもミカが本当に宇宙から来たすごい猫だということを深く理解した。


 ――ミカはおいしい料理と温かい家族に囲まれて、久しぶりの幸せな気分に浸りながらママのことを見た。

(うん、やっぱりナミのママだ。ナミとよく似てる。人類の美的感覚はわからないけど、多分ナミも、ナミのママも美人なんだろうな。ママは長い髪がウエーブしてて、ナミより落ち着いて、やっぱり大人な感じがする。)


 ママはミカに向かってやさしそうに微笑むと、少し不満気な表情をナミに向けた。


「それにしても……本当にあなたはミカとおしゃべりできるようね。でも、なんで私はできないのかしら? なんかナミだけずるいわね。」

「うーん……。なんでだろう? 実は学校の裏庭でミカを見つけてからお家に帰るまで、ずっとミカに隠れてもらってたから、私以外と誰ともお話してないんだ。だから他の人の場合だとどうなんだろう?」

「でも、それでよかったと思うわ。ミカみたいなすごい子猫が見つかったら、世界中で大騒ぎになっちゃうだろうし。それに……多分だけど、よくないことにしかならない気がするわ。ミカのことをどうするか、これから私達で慎重に考えた方がいいわね。それと……ミカがナミ以外の人ともおしゃべりできるか、パパが戻ってきたらさっそく試してみましょう。でも……大丈夫かしら?」

「えっ? なにが?」

「うん。私は猫派なんだけど……。パパは……どちらかというと犬派なのよね。」

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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