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15. 「誕生!! 魔法少女」

2026年1月1日連載スタートしました。

毎日朝8:00投稿予定しております。

 (ミカが泣くのを我慢して一生懸命話してくれたのに、私が泣いちゃだめだ。)

 ナミは瞳に大粒の涙を溜めながら、自分も必死に泣くのをこらえていた。


「ミカはすごくがんばったんだね。」

 ナミは目を細めて、精一杯の笑顔で幼いミカの勇気を称えた。しかしその瞬間、一筋の涙が彼女の頬を伝って流れた。


「ただいまー!」

 その時、玄関のドアが開く音がすると同時に、階下より女性の元気な声が響いた。

「あっ! ママだ! ママおかえりー!」

 ナミは後ろを振り返ると、とっさに手で涙を拭った。


「えっ? ナミのママなの? 挨拶しなくちゃ……。」

「別に今すぐにじゃなくてもいいよ。夕食の時にでも改めて紹介するから。」

「でも……」

「いいの。遠慮しなくて。……それに、自分のお家だと思ってゆっくりくつろいでもらって全然構わないんだから。」

 ナミはミカの頭をやさしく撫でた。


「でも……」

「いいの! それじゃ、次は私の方の話をするね。ここはね、地球っていう星で。地球は惑星ウラニャースと違って、猫類ではなく人類が支配する星……で合ってるのかな? それで地球の科学文明は、ミカが言った通りウラニャースと比べてもすごく遅れているようだし、もちろん魔法なんかもぜんぜん使えません。……それと猫なんだけど……地球にもいっぱいいるにはいるけど、あなた達ウラネコみたいにしゃべることはできません。ニャーって鳴くくらいかな? 多分。……それで猫にも色々あるんだけど……野生の猫なんかもいるし……でも、身の回りだと、お家でペットとして飼われている猫なんかが多いのかな?」

「ペット? ペットって何?」

「うーん、なんて言ったらいいのかな? 家族の一員なんだけど……。ずっとお家にいて、人間がごはんをあげたり、手入れしてあげたり、一緒に遊んであげたり……まあ大体そんな感じかな?」

「えっ? 家事をしたりお仕事したりしないの?」

「もちろんしないよ。」

「えーっ!? なんで!?」

 ミカは驚きのあまり四本の足を真っ直ぐにしたまま、ピョーンと空中に跳ね上がった。


(そんな……。地球の猫はしゃべれないって、地球に来た時にナミから聞いてたから、正直あまり期待できないかもって思ってたけど……。でも……これはそれ以上だ。地球の猫というのは、仕事もせず生活は全て人間に任せきりで、自分達のやりたいことだけをやる。なんて自分勝手な……。えっ? でも、これってウラネコ達と同じなの?)


「それで……『伝説の五色の魔法子猫』だっけ? どうやって探そっか? とりあえずパソコンがあるから、最初はそれで調べてみよっか? 私はそんな猫達の話聞いたことないけど……もしかしたら、どこかにそんな伝説があるのかも知れない。」


 ナミは床から立ち上がると、イスに座ってノートパソコンの電源を入れた。ミカもパソコンの横に座ってモニターに注目した。ナミはキーボードをパチパチ叩いて、とりあえず『伝説の五色の魔法子猫』とか色々調べてみたが、やはりというか特にめぼしい発見はなかった。


「うーん……。残念だけど、やっぱり簡単には見つからないな。」

「あの……ナミ、この『魔法少女』っていうのはなに?」

 ミカは、ある記事に書かれた『魔法少女』という文字に注目した。


「あっ、これね。」

 ナミがその記事をクリックすると、そこには『音色の魔法少女マジカルクイン』というタイトルに、5色の衣装を着た5人の少女が映っていた。


「あれ? 地球の人は魔法が使えないって言ってたけど、魔法少女はいるの?」

「うん。これは確かに魔法少女といえば魔法少女なんだけど……でも、残念ながらアニメなんだ。だからこれは現実の世界じゃなくて、あくまでも空想上の世界の話なの。」

「なーんだ。そうなんだ……。」

「そうだね。絵本とかアニメみたいに、私達の知らないところで地球にも魔法が使える世界なんかあればいいのにな。」

 ナミは、ミカのためにも本当にそんな世界があればいいのにと強く思った。


「ごはんよー!」

 その時、階下よりナミのママの大きな声が二人に届いた。


「あっ! もうこんな時間だ。……それじゃママのとこに行こうか?」

「うん……。」

 ミカはナミのママにちゃんと挨拶できるか心配になって、少し緊張してきた。

ご読了ありがとうございました。続きが気になった方は、

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