神様、温泉を満喫する!
「はぁ~……やっぱ温泉付きの別荘にして正解だったな!」
コテージ近くに建設してもらった露天風呂に浸かりながら、くそでかい大きな吐息を漏らして、リラックスする。
空を見上げれば、満点の星空が広がっている。
新鮮な空気、時折、みかける流れ星ーー
ほかほか湯気の立つ湯船は、源泉掛け流し
以前、リゾートホテル建設前の視察に訪れた際
『あっ、ここの温泉、湯治(長期滞在)に良さそうだな!』
そう思ったからこそ、同様の泉質が湧き出ている、この辺境のコテージを購入したのだった。
リゾートホテルーー
それは多忙な日常を束の間忘れて、休息するべく数日または数ヶ月ほど滞在するコトを目的とした宿泊施設及びサービス提供の場
宿泊者は料理を楽しむ目的でも滞在先を選ぶ。
当然、美味しい新鮮な海の幸、山の幸が求められる。
フレンチ、イタリアン、和食、その他、毎月異なる地元特産品を使った料理
・いつでも手軽に飲食可能なビュッフェ形式
・個室でゆったりと過ごす形式
・宿泊部屋で景色を眺めながら食べる配膳方法
諸々、細かい部分は料理の神である人達に任せていた。
自分はいかに
【宿泊者】が快適に過ごせるか?サービスの提供
そして従業員達の労働環境、福利厚生の確保!
こちらに特化していた。
背筋をピン!と伸ばし、清潔感のあるスーツを着こなし、キビキビした歩調で歩きながら自分なりの考えをホテル支配人となる人物に述べていく。
「従業員を残業させる!などもっての他です!
もし、給与が足りない!家に帰りたくない!!など諸事情によって職場に留まりたくて意味なく残業を申し出ている場合は、その従業員の根本的解決が必要です」
「育児や嫁の愚痴がイヤで家に帰りたくない!といったケースですね?」
「ええ、育児は育児の神!すなわち専門家に任せるべきです
その為に設備投資や人件費は絶対にケチってはなりません!!」
利用申請する従業員から【利用料】を請求するな!
全額、会社負担!とするよう厳命する。
「もし……わたくしに黙って勝手にパワハラや減給!して従業員達から内部告発を受けるような労働環境事態に陥らせた場合は……分かっていますね??」
ギロっと睨みつけて、かすかに手をわきわき震わせる。
『その時は労働者から搾取した金銭→悪行として、一族郎党晒しあげ!』
その程度で済めばまだマシ!!
最悪、自分が一番大切にしていた収蔵品(絵画や彫刻など美術品)
全部、没収!の上、公共の利益、地域貢献!!の名目で【無償寄贈】されて、逮捕、勾留で思い知らせていた……
そういう意味では、わたくしを【畏怖】の存在
目の上のたんこぶ!として、厄介者だと認識していた人材は意外と多かったかもしれない……