神様、侮辱される!
パリンッ!
テーブルに置いたワイングラスを、うっかりイシューが落として割れてしまった。
自分が慌てて『怪我をして危ない!』
代わりに破片を拾い始める。
「はわわわわ......申し訳ありません~......!」
「大丈夫ですよ、むしろ貴女が破片を踏んでしまう可能性があるので、ホウキとちり取りを持ってきてください」
「はぃ~!」
とてとて!と掃除道具を取りに走り去る。
赤く染まった床を眺め、昔を思い出すーー
ばしゃぁ~!!
白い制服に赤ワインが盛大にぶっかけられた。
「青二才の若造がっ!!!!」
60近い男性がこめかみに青筋立てて、怒鳴り散らす。
「こちとら、何十年と現場で汗水垂らして酒造りしとんのじゃ!!
軽々しく横からしゃしゃり出てくんじゃねぇよ!!」
ワインやウイスキー、バーボンなど世界中の様々なお酒が一同に集まったワイナリー(生産者)懇親会での出来事だった......
側仕えする秘書が着替えを提案するも、片手で制した。
「もしかしなくても、わたくしの外見、見た目で判断、仰っていますか??」
???
「20代そこらのガキがでしゃばるな!って話だろうが!」
軽く吐息を漏らして、自分の名刺を手渡す。
「たしか今回の懇親会、初参加でしたよね?
改めて自己紹介させて頂きます
わたくし連合統括本部を取り仕切っております」
時空管理やら、統括本部長、ワイン理事長などなど......肩書きエトセトラ
つまるところ、盛大にぶっかけてくれた生産者=神饌する相手、神自身だと知らずに
【人間が丹精込めて造ってんだ、神は要望だすな!
黙ってありがたく受けとれ!】
こういう意図、政治的なメッセージになってしまったのだった。
「わたくしに振る舞う酒はない!と仰っしゃりたいのでしょう?
分かりました、良いですよ......
貴方の造るお酒を受け取っても良い!と名乗り出る神の庇護下の惑星でご自由に経験を重ねてください」
ーーーー
名刺に書かれた役職でようやく誰相手に【やらかしてしまったのか?】
理解したのだろう、顔面蒼白で名刺を受け取った手が震えていた。
しかし......よりによって多くの他参加者の面前で、神相手に持論をぶちまけてしまったのだ。
しかもタイミング悪く【初参加】
今までこの類いの招待を一切、受けなかったのは【侮辱したかったから】
だから、わざわざ当日やってきて現実で自分が造った酒をぶっかけてきた!
そう、他の出席者達に【メッセージ】を送ってしまったのだ。
こうなると早かった。
あっという間に噂は広まり、連合(組織)脱退の意志をワイン生産者である惑星統治者が示した→天然資源など狙っていた他民族が侵略を開始!
紛争によってワイン生産どころではない、むしろ生産者一族は物理的な戦争によって【滅亡】という形で思い知る羽目となったのだった。
日本において【神】は架空の存在です。
しかし、人間と同じように肉体を持って意志疎通可能ならば、もしかするとこのようなトラブルもあり得る!かもしれませんね......?




