神様、無事に帰宅する
何十億年と【神様業】をやっていると自然と敵や味方が増えてくる。
伊勢海老のお造りやら、焼きたてのピザ、フライドポテト、そしてブランデーやらワインなどなど
多種多様な料理といろんな酒がテーブルに並べられて振る舞われる。が、疑われるのも面倒くさいので「不食期間中」だと伝えて断わる。
護衛と称して、やってきた警察官数名が自分の間近に控えて【万が一の襲撃】に備えるべく一切の飲食せずに会話を聞き続ける。
かくいう自分は......【身辺警護】という名目で、実際は反社会的勢力との利益供与ではないか?
監視が本来の目的だろうーー
新聞記者やら、政府関係者などなど、会合場所に集結して、一語一句【違反がないか?】確認されるのだった。
赤い肌の植物を思わせる組長は、器用に空中で身体を
一回転させると、体格の良い身長190cmぐらいの人間へと姿を変えた。
そうして、改めて不手際を詫びるのだった。
「いや、ホント申し訳なかった......」
イベント開催するにあたって、いくつもの効果を期待、展開するわたくしのやり方を熟知している組長が、同日開催していた植物研究学会について言及する。
「抜かりないお前のことだから、ほら!アレだ!!
国際ホール貸しきって植物専門家である学者達も招待して【論文発表会】とかも、やっていたんだろう?」
国際ホール近い場所の市民広場は、学者の家族が退屈せず、知識を深めたり、遊べるように手配していたに過ぎない。
そこに【誰の許可の取っているのか?】など場違いも甚だしい......
「ヤバイ、恥ずかしすぎて顔から火が出ちゃう......!!」
最悪、全宇宙にヤクザ=アホ!のイメージがつきかねない!ほどの大失態だった。
ようやく事態や開催していた背景など事情が飲み込めたのだろう。
同席していた警察官や新聞記者が顔をうつむかせて、忍び笑いが組長に分からないよう、肩を細かく震わせる。
第3者立ち会いの元【問題ない】ことを証明し終えた頃ーー
席を立ったのだった。
「そういうコトなら、もう本部に戻っても良いよね?」
「うん、大丈夫
あとはこっちで全部、始末つけるから
むしろ絶対、ボクにおカネ支払わないでね?
いっそ、同行してる警察官達は恐喝容疑で強請ったアホ【逮捕、身柄勾留の意味で】自由に持っていって??」
顔面腫れ上がった末端中の末端人員を警察官が手錠をかけて連行していく。
残った警察官のひとりが、組長を殺人未遂や暴行、傷害容疑で手錠かけるか?思案する。
「あぁ、ぼくを逮捕したいの??」
自宅内で配下を教育したに過ぎなかった。
「とりあえず、君の上層部やボクの弁護士に相談して?」
『間抜けな話だが、マフィアのボスを万が一にも逮捕した場合、その警察官や上司は無事で済むのだろうか......??』
若干、素朴な疑問を抱き、会社へと戻ったのだった。