神様、ガーデニングを始める!
ラベンダー、ローズマリー、ゼラニウムーーなどなど
様々な種類のハーブを庭先にバランス良く植えていく。
軽く水やりをすれば、心なしか、ハーブ達も嬉しそうだった。
麦わら帽子を被り、首にはタオルを巻き
【健康第一!】の文字を書いたティーシャツ姿で、作業が一段落ついた頃に、新しく購入した白い椅子に腰かける。
子供向けに開催した行事を思い出すーー
「うわぁ~い!お花~!!」
「良い香り~!」
植物が人体に与える影響を楽しく経験してもらおう!と思って企画したのだった。
別の思惑を抱いていない純粋な子供達は、本来の目的通り『楽しんで』いた。
問題は、自分の欲を達成させたくてイチャモンつけてくる自称保護団体のご一行様達だった。
「おうおう!
誰に断って、こんなほのぼのとした行事、開催してんだ!(゜Д゜)ゴルァ!!」
要は場所代支払え!
金銭要求してくる極道さんが現れたのだった。
「ちゃんと行政の許可は得ていますよ?」
企画後、開催場所となる区域を管理している行政を担当者に訪ねて貰い、正規の手続きを行っていた。
極道にとっては、そんな紙切れ【何の意味もない!】
「あのな、にぃちゃん......
そういう話じゃねぇんだわ」
楽しく賑わいをみせている広場をみやり、企業としての信用喪失を脅してくる。
「楽しく遊んでいる子供達を泣かせたくはねぇだろ......?」
現場の責任者では、流石に手におえない!
そう判断したのだろう。
こういう時の為の自分でもあった。
『そういう手できたか......』
ニッコリ微笑を浮かべて、場所を移動するコトを提案する。
「ここで用件を済ませるのは無粋ですから、代表者の方のご自宅までお伺いさせて頂きます」
腕に刺青をした体格の良い若い男が、くいっと首を向ける。
「こっちだ、ついてこい!」
顔面蒼白で心配そうに現場責任者が声をかけてくる。
「大丈夫ですか?」
「ええ、わたくしひとりで大丈夫ですよ。
引き続き、現場のほうをよろしくお願い致します」
そう話して、笑顔で同行していったのだった。