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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
青井スポーツ杯編 中
27/31

Episode26 順調

 青井スポーツ杯2回戦目の3番手勝負の真っ最中。試合は2ゲーム目へと突入した。

 さっきの1ゲーム目は1点も落とすことなく(4-0)で取ることができた。なんだか相手前衛の動きがこの試合は特に分かる気がする。現に2回も相手前衛を完璧にかわしてみせた。相手前衛の動きは勘で当てているのだが、今回ばかりは妙に自信がある。何でも俺の思ったように相手前衛が動いている。まだ2回しか、かわせていない。だがその2回だけは確実に俺がゲームを支配していた。

 そんなことを思いながらも俺はレシーブのポジションにつく。そしてレシーブをどこに返すかを考える。ここはいつも通りクロスにシュートボールを打とうと決めた。そして相手後衛の1stサービスはラケットにボールが当たった瞬間「パァーン!」と轟音が響いた。ボールはセンターにもの凄い速さでバウンドする。俺を急いで回り込もうとするがボールが思った以上にバウンドして体に向かってきた。ボールはラケットのフレームに当たり、そのまま俺の後ろへと飛んで行った。

 今まで受けてきたサービスの中でトップクラスに速く、そして球威があった。さっきまでの俺の勢いはたったこの1点で失せてしまった。相手の実力が自分よりも上だと認めざるをえなかった。


「ごめん、次はまず返すことから考える。」と俺は石井に話しかける。申し訳なさそうに話す俺を見て石井は笑いながら俺に「今のは気にすんな!次、1点取るぞ。」と言ってくれた。石井は今のプレーを全く気にしていないようであった。


 続く石井のレシーブ。再び相手後衛の力強いサービスがセンターに突き刺さる。しかし石井はそのボールをストレートにロビングで返した。ボールはきれいに相手前衛が取れない高さで飛んでいく。しっかりとコート内にバウンドして相手後衛が打点に入る。

 その時、石井が一瞬その場で立ち止まった。何か仕掛けるつもりか?と思い、俺は相手後衛のボールを待つ。そして石井が選んだのは、ボレーでもスマッシュを追うことでもなかった。ただ立ち止まって何もしなかったのだ。石井が立ち止まったのをみて相手後衛は無理やりロビングを打った。ただ急に打ったロビングなど浅くなり逆に相手のチャンスボールになるだけだ。相手後衛の打ったロビングが、サービスライン付近でバウンドする。

 これを見た相手前衛はすぐさま守りに入る。だが、遅かった。俺はしっかり足を動かして高く跳ねたボールをトップ打ちで相手コートに思い切り打ち込んだ。ボールは相手前衛のラケットのフレームにあたり、チップ(相手の失点)となった。これで1-1。すぐさま追いついた。


 その後も難なく得点を重ねて行き、2ゲーム目も(4-1)で取ることができた。ここまで順調だった。しかし不幸は少しずつ音を立てて、確実に近づいてきていた。



※試合内のポイントですが、ゲームカウント〇-〇と書かれている場合はゲームカウントを、ただ数字だけで〇-〇と書かれている場合はその何ゲーム目内でのポイントになります。

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