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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
青井スポーツ杯編 中
24/31

Episode23 思うコト

 青井スポーツ杯は2回戦に突入していた。俺たち坂井(さかい)青海せいかい合同チームも二回戦目。相手は坂井工業さかいこうぎょう高校のBチーム。ここはあまり強くはない。しかし、1番手の怜人・大木ペアはまさかのストレート負けであった。「なにしてんねん…。」と言いたくなるような惨敗であった。

 2番手は川迫・橋本ペア。ここはきっと勝ってくれる。だから俺と石井は少し早めにアップを始めた。団体戦は自分の出番が来ないと非常に暇である。もちろん、チームメイトの応援、アップはしっかりやる。だけどやっぱり暇なのである。アップをしながらたまに立ち止まって川迫・橋本ペアの試合を見る。

 相変わらずこの2人は上手かった。対戦相手はどうしようもない感じであった。ただ一方的に川迫・橋本が打ち込んでいた。相手もなんとかボールをひろうが、力のないボールであった。それを前衛の橋本が落ち着きながら容赦なく叩き込む。相手はそのボールを目で追うことしかできなかった。


 「いやぁ、さすがだな橋本君は…。」


つい思っていたことが口に出てしまった。すぐさま石井が反応した。


 「あんなチャンスボールは俺でも簡単・・に決められる。」


「簡単」、この一語で俺は白井からとんでもない自信を感じ取った。そして、俺は何事もなかったかのようにアップを再開した。

 アップをしながら、さっきの試合を振り返った。思い出すのは、石井のプレーばかり。俺自身のプレーはほとんど思い出さなかった。それほど、さっきの試合は石井が活躍していたということだ。

 唯一思い出したことは、サービスミスが全くなかったということだ。これだけは評価できる。


 俺は夏休みの間、ずっとサービスの練習を懸命に取り組んだ。あの日曜日の校内戦から、俺はいろいろと考えた。サービスの打ち方を少し変えてみたり、グリップの握る位置を変えてみたり、いろんなことをやってきた。俺は身長も低ければ、ソフトテニスの才能もない。足がメチャクチャ速いワケでもなければ、パワーがあるわけでもない。石井たちみたいに、試合を支配するような実力なんてあるはずがない。だから、俺はひたすら努力するしかないんだ。

 さっきの試合はたまたまサービスの調子が良かっただけかもしれない。調子に乗ることなく次の試合もサービスミスは絶対にしない。そう誓い、俺は一人黙々とアップを行った。


_____________________________________


「ゲームセット。」審判の声が響いた。2番手の川迫・橋本ペアがストレート(4-0)で勝利した。試合時間はわずか15分。圧勝、という言葉がしっくりくる試合であった。


 これで団体戦は1対1の同点となった。勝敗の行方は俺たち3番手にかかっている。俺たちが勝ってヒーローとなるか、負けて悪役となるか。明日の決勝トーナメント出場のためには、なんとしてでも勝たなければならない。緊張感で俺はいっぱいであった。だが、俺は今までしてきたことを信じて全力で戦うしかない。絶対に負けられない戦いが今始まろうとしていた。


 そしてこの試合が俺のソフトテニス人生を大きく変えることになる分岐点となる。

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