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君のいない日々はきっとつまらない  作者: 久遠知
夏の日々
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Episode2 日曜日の憂鬱

 ピピピ、ピピピ、ピピピ…


 何回目かわからないスヌーズの音が聞こえてくる。カーテンの間から朝日が入り込んでいる。あいかわらず外では蝉たちが最悪なハーモニーを奏でている。

 

「んー、うるさいなぁ…。」


「知ー‼」


 母祐子の大声が家中に響き、俺はその声の大きさでビクっと目が覚めた。


 スマホで時間を確認すると、7時00分。今日は日曜日。あれ、午前練だ。午前練は8:00からで、学校までは自転車で15分程度…。マズイ、遅刻する。

 

 ここで、俺のモーニングルーティンを軽く紹介していく。


 まず、朝起きたら一番最初にトイレに行く。頭がボーっとしているまま用を足したら、次に洗面所に行き手を入念に洗ってから本格的に顔を洗っていく。顔を洗ったら、リビングに行き祐子が作ってくれた朝食を食べる。

 今日の朝食は、豆腐とワカメが入ったみそ汁に、サバの塩焼き、ごはん、納豆、牛乳。正直夏は塩分が不足しがちだから、今日みたいに塩分が多めの朝食がほとんどだ。

 

 The和食って感じの朝食を10分で食べ終わり現在時刻は、7時23分。ここから歯を3分で磨き終わり、歯磨き  を終えたら洗面所でパジャマを脱いでパンツ一丁で階段を一段飛ばし一気に駆け抜け自分の部屋に戻る。


 急いで部活の服装に着替えたら、部活のために荷造りを猛スピードで済ませる。リュックの中にタオルを入れようとした瞬間、手に何かが触れた。

「ん、なんだこれは…」一瞬手が止まる。今手に触れているものがなんなのか、なんとなく心当たりがある。でも嫌だな、確認するの。分かっているんだよ、コレがなんなのか。


 少し戸惑ったが俺は手に触れた「ソレ」をリュックから取り出す。刹那、とんでもない臭いが鼻の奥に突き当たる。そう、俺の手に触れたモノは、まぎれもなく昨日練習の時に使った汗がたっぷり浸透した、タオル…。昨日、水筒をリュックから取り出して後で出せばいいや、と思ってそのまま忘れていた…。


 スポーツをしている人ならほとんどの人が経験したであろう(そうであってほしい)、前日のタオルとかシャツを出し忘れること。これね、本当に気づいた時最悪。それで、隠し通そうと一瞬迷うけど汗を吸ったシャツとかタオルは想像がつくだろうけど本当に臭いがキツイ。さらに、リュックも臭くなるからいいコト何一つとしてない。


 いろいろ考えたけど、祐子に謝り正直に話すことにした。現在時刻は7時32分。マズイ、時間がない。急いで階段を駆け下りると、玄関前に祐子が水筒を持って立っていた。すると、俺が手に持っているタオルを見て祐子の表情は激変する。ゲッ、さすが俺の母親なだけある。家族としてもう16年の付き合いだから当然といえば当然だが。


 「知…。なに、ソレ?まさか、昨日の部活のタオルとか言わないでしょうね⁉」

  

 祐子は手荒く俺の手からタオルを取った。その手荒さから祐子が不機嫌なのがめちゃくちゃ分かる。

 てかさ、分かってんじゃねぇかよ。昨日の部活のタオルってもう結論出してるじゃん。


「はい、全くその通りです。すいませんでした…。」


 ここはいかにも反省しているかのように、ちゃんと頭を下げしばらく黙り込む。そして祐子から水筒を静かに受け取った。水筒を受け取ると同時に祐子から再び厳しい言葉を浴びせられる。


「アンタ、反省してないでしょ⁉黙ってたらいいって思ってるでしょ?わかるんだからね。」


「はい、ホントにすいません。では。」


「ガチャッ。」


 俺は謝り終わったと同時に玄関のドアを開け出かけた。現在時刻は7時36分。祐子が何かまだ叫んでいたが俺は気にせず自転車に乗り、爆速で駆け出して行った。急がねば、みんなから遅刻、遅刻ってまたイジられる。早くしないと。でも、日曜の午前練は非常に憂鬱。マジで部活行きたくない。だけど、少しずつだけどうまくなってきてる気がするから行かない、という選択肢はない。


 そんな憂鬱な俺は日曜日の朝、部活に間に合うために自転車を飛ばしていく…。



 




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