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55 カップ焼きそばを作ろう 上 かまどをつくろう薪を割ろう

七章は、少し時間がまき戻って始まります。


51話の途中くらいから開始です。

 小屋で煮炊きをしたいのでかまどを作ろうと思う。


 問題は私はかまどを作ったことがない、ということだ。


 ないよ、作ったこと。友人の父親がピザ窯なら庭に作っていたけれど、作り方をちゃんと聞いた記憶はない。

 耐熱レンガをたくさん使ったらしいってことくらいしか知らない。


 まあ、でも家のお風呂を長いことまきで焚いていたので、L字型に空気が通ればいいんでしょ? って思う。

 たき口があってその上に温めたいものを乗せる場所があって、空気が抜ければいいのだと思う。多分!


 お寺を拝観した時に、御厨みくりやにかまどもあったような気がする。


 あそこまでちゃんとしてなくて良いから、なんとなくのイメージでやってみよう。失敗してもそれはそれで。


 適当に、石を集めてきた。石を積んで、隙間を泥で埋めればそれっぽいものはできるのではないか。粘土はないので畑の土でどや。

 土だけだとあれだね。なんか混ぜた方がいいの?

 繊維質。牧草を混ぜていい? いや枯れていた方が良さそうだなぁ。


 小屋の横に積んであるまきのところを見に行くと、藁も積んであった。

 これは良いものです。刻んで土と水を混ぜてみる。


 石と泥と格闘していると、畑からミミとキララが戻ってきた。


「何をしておるのじゃ?」

 聞かれたので答える。

「かまどを作りたくて」


『かまど?』

 ミミにも聞かれたので、かまどを説明する。


「こう、囲われてて、穴が開いてて、中で燃やしてこの上でこうお鍋とか置くんだけど……」

 駄目だ。説明が下手すぎる。


 この、頭でイメージしているものがそのまま伝わればいいのに。


 手を伸ばしてキララの肩からミミに掌に移ってもらう。

 そのままミミの頭のあたりを額に当てる。

 むーんって念じたら伝わったり、


 したわ……


 契約の繋がりすごい。


『わかった!』

 そう言ったミミが、私の作りかけのかまどに向かうとむむむっと何かやっている。


 すると、


 まあ、なんということでしょう!


 私が想像した通りのかまどがみるみるうちに出来上がった。

 なんか土がもこもこして固まった。


 え、もしかして……

「ミミって土魔法的なものが使えたり、する、の?」

 畑を耕したり、畝を作ったり、見ていない時にやっていてくれたから気がつかなかった。豊穣ミミズに戻って物理でやっているのかと思っていたけど、違うのか!?


『使えるよ?』

 土の竜だもんね。地の龍だもんね。そりゃ使える、のか。

 え、優秀すぎませんか、うちの子。


「わらわも、わらわも緑魔法が使えるのじゃ! 結界も得意なのじゃ!」

 キララが張り合っている。うん、畑を隠してくれるのはとてもとても助かる。主に急に突然にょきにょき育ってしまったキララを隠したいんだけどね……


「ミミもキララもありがとう。いつも助かってるよ」

 そう言うと、ミミとキララが目を合わせて笑った。仲良いな。




 せっかく作ってくれたかまどだ、とりあえず試運転してお湯でも沸かそう。


 手押しポンプをキララに押してもらって手を洗う。泥だらけの手が綺麗になる。


 かまどで火をたくとなると、必要なのはまきである。


 小屋の横に積んでくれてあるやつ、使っても良いよね。軒下だからよく乾いていそう。

 ただ、そのまま使うにはけっこうでかい。


 割らないとなぁ。


 小屋を片付けた時に斧を見つけている。小屋の横に表面がけば立った切り株があった、多分あれが作業台だろう。


 作業台の上に薪を立てて斧を構える。


 まき割りは力でなくコツである。

 慣れていれば老人でもスパンスパン割れる。80代で腰も曲がっているのにストレス解消にってやっているという人を見たことがある。


 けれど、慣れていなかったり下手だったり、あと、木目を見てないとか節を狙っちゃうとちょっと困ったことになったりする。


 えいやっと!


 斧を薪にたたきつける。


 あ…… やってしまった……


 困ったこと。そう、こんな風に、斧に食い込んで抜けなくなるんですよねぇ……


 私はまき割りをやったことがある。あるのだけれど下手なのだ。


 斧に食い込んだ薪をさかさまにして打ち付けて割る。

 これやると斧が悪くなるからやっちゃダメなんだけど、仕方ない。


 次はちゃんと割ろう。大切なのは遠心力と思い切り。


 スパンと割れると気持ちいい。


 適当な大きさに割った薪がある程度できた。

 もうこれくらいでいいだろう。


 細めに割ったやつをなたでもう少し細かく割っていく。

 焚きつけはさっきみつけた藁でいいかな。


 家でお風呂を焚く時の焚きつけはいつも新聞紙だったからうまくできるかちょっと不安だ。ぺらもないし。うちでぺらと呼んでいたのは製材の時にでるぺらっぺらの木の端っこだ。


 なんて言ったらいいのかな。かまぼこを切った後に板にそってもう一回そぐとうすっぺらいかまぼこが取れるよね。板を製材するときにも厚みを微調整するかなんかであんな感じのうすっぺらい板が削れるんですよ、多分、よく知らないけど。


 あのぺらがあると火つけが楽なのだけど。


 そう思いながら火を焚く準備をした。




続きます。


念のため申し添えておきますと、作者の近所ではまだ薪でお風呂を焚いている方がいます。

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― 新着の感想 ―
ミミちゃん、土竜はモグラです!
やっべ。リアルが忙しすぎて全然読めてなかった
後書きの、>お風呂を炊いて・・・✗炊いて◯焚いて です。 本文の修正箇所は誤字報告済みですでに修正済みですが、前書き後書き話数タイトルは「なろう」の誤字報告の対象外なので・・・
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