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異世界で一日千円分だけ自分が買ったことがあるものを出せる能力でなんとか生き抜きます  作者: 相内 友
第三章 千円あれば身近な人をちょこっと助けることができたりするのかも?
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18 猫耳美少女の笑顔のパワーすごい

「サキさんありがとう!」

 めっちゃ可愛い猫耳美少女からのとびっきりの笑顔でのお礼ってすごい衝撃である。

 くらっと来た。世界が輝いている気がする。


「どういたしまして」

 と返すと笑顔が更に輝いた。可愛い。眩しい。溶けてしまいそうだ。

 サラサラの銀髪にブルーアイのこの美少女がジュドさんの妹のルーナ。顔面が強すぎる。可愛いの塊だ。


 なんということでしょう。

 サプリメント作戦はものすごい大成功をおさめたようでございます。


 まだまだ様子は見ていかないといけないけれど、格段に体調が良くなってきているようで、その回復ぶりにはジュドさんもびっくりだそう。

「本当に感謝する」

 いえいえ、こちらこそお世話になってるので。


「めでたいが、これで回復したということはやはり偏食が問題だったということで。野菜と肉を食わないと」

 野菜という言葉を聞いた途端にルーナの顔がくしゃりと歪む。そんなに嫌いなのか。


「にがいの嫌! 臭いの嫌!」

 握りこぶしで強く主張。可愛いけれどこれはかなり問題なのではなかろうか。


「サキさんがくれたお菓子は大好き!」

 可愛い。なんでもあげたくなるくらい可愛い。そうか、ジュドさんもこの可愛さにやられて強く言えないんだな。わかる。カ□メもっと食べる?

 でも、この可愛い子が弱っていく姿を見ているのはもっとつらかろう。


 なんとか野菜と肉が食えるように。っと、この世界の野菜もしかしてけっこうワイルドだったりするのだろうか。お子様にはつらい苦みとエグみがある?


 野菜、日本のやつだったら食べられたりする可能性、あるのかなぁ。人参、玉ねぎ、じゃがいもあたりなら安い時に買ってるからそこそこの量、出せなくもないけれど。


 私は嫌いだがミニトマトなら甘くて果物みたい! って言われるよね。あれはあくまでトマトであって果物ではないと思うけど。ああ、そう思うと多少甘かろうが野菜は野菜なので、嫌いというルーナの気持ちも変わらないかも知れない。


 まあ、試してみるのは良いのではないかと思う。あ、でもビタミンB1といえば豚肉とか魚なんだよなぁ。あとは豆とかナッツ類だったっけか。

 豆なら炭水化物寄りだと思うのだけど。


 スナップエンドウとか良いよね、きっと。

 問題は、田舎あるあるなんだけど、旬の野菜ってあんまり買った記憶がないのだ。スナップエンドウを買った記憶まじめにない。作るかもらうか、だいたい二択だ。

 種なら買ったことあるけど。そう種ならたいていの野菜のを買ったことがあるのではなかろうか。


 育てる、か?


 短期的にはサプリなり甘い野菜を出して助けることはできる。けれど、長期的に考えると私のみに頼る状況はよくない。


「そういえば美味しいお菓子を作るのに必要なものがあるんだがなかなか手に入らなくてね」

 そう言ってみる。


「美味しいお菓子!?」

 目をまんまるにして聞いてくるルーナに頷く。耳がピルピルと動いている。


「そうなんだ。ものすごく美味しいお菓子に、新鮮な材料が必要で。誰かが育ててくれると助かるんだ。鉢でも育てられるんだが」

 チラッチラッとジュドさんに合図を送りながらとても困っているアピール。


「鉢くらいならすぐ用意できるな」

 おっ、ジュドさん、さすがわかりが良い。乗ってくれた。


「ルーナでも育てられる?」

 首をコテンと傾けたルーナがとても可愛い。

 よっしゃ、かかった!


「頼めるか? そうしてくれるとすごく助かる」

 真剣にお願いするのがポイントだ。

「がんばる!」

 きりりとした顔が最高に可愛い。ほんと良い子だ。


 次なる作戦は、

『自分で育てた野菜なら美味しく食べちゃえるんじゃないかな作戦』である。


 幸いルーナの部屋は出窓があって陽当り良好。窓辺に鉢を置いておけばそれなりに育つだろう。


 何を育ててもらうかが悩ましいけれど。


 味を考えるとミニトマトかミニ人参あたりか。


 ただ、収穫までの日数を考えるとラディッシュやベビーリーフ系。


 葱やハーブ系でもいいっちゃいいけど、どっちもクセつよだなぁ。


 ほうれん草や小松菜も早いけど、栄養豊富だが子どもに受けるかと言われると微妙。いや、冬採りほうれん草は甘いけどね。


 スナップエンドウも捨てがたいけど、基本秋蒔きで収穫が5月なんだよなぁ。時間がかかりすぎる。そういえば気候を確認していないな。体感的には今は早春なんだけど。


 そこらへんはジュドさんに相談かな。鉢の数にもよるし。


 てか、お野菜自分も育てたい。ここらへんで借りられる畑ってないのだろうか。借りられるかは料金にもよるけれど、一人分の野菜ならそこまで広くなくても良いのだけど。


 そろそろ基盤となる場所が欲しい。畑と簡単な小屋があればそれで十分なんだけど。街の中は高そうだから外かな。また後で考えよう。


 あとは、とりあえず、野菜嫌いな子どもでも食べられそうな料理でも考えるか。しかし、大体の野菜嫌い克服メニューって肉でなんとかする系統が多い。野菜も肉も食べない偏食っ子を育てている世の中のお母さんはどうしているのだろうか。


 カ○パンの足しか食べない子とかいると聞いたことがある。


 それを思うとカ□メを気に入ってくれただけでもルーナはえらいのではなかろうか。

誤字脱字報告ありがとうございます。助かります。

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子供はカニパンは先ず脚を毟って食べてから 胴体も食べるものだと思っていたけど 残すなんてとんでもない!
くさや的なものみたいな極端なもの除けば中世の世界観で好き嫌いって成立するんだろうか。 塩砂糖が普通に手に入るならコショウや薬草からできる調味料なども流通してそう に思うんだがハンバーグみたいな調理方法…
嫌いだろうが口から出そうが、離乳食でねじ込んでたお父さんが通りますよ〜 色々混ぜたり、食い気があって油断してる時なんかにひょいって口に入れると飲み込んでから怒ります。そのうち食べるようになる。 物心つ…
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