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15 ロックタートルを倒してお昼を食べよう

 めちゃくちゃ怒ってらっしゃるっぽいロックタートルがこちらに向かってきている。まだ距離はある。


 とりあえず、塩胡椒10円分を顔の辺りに購入。

 もふっとロックタートルの顔がけむけむに覆われる。


 クワックワッっと喉を鳴らすような音が聞こえて、続いてキューキューと鳴いた。大地を踏み鳴らす足にいっそう力を込めたようでどしんどしんという音も大きくなった。


 えっ、亀って鳴くの?


 これは一応効いている、のだろうか。タバスコの購入履歴を探すがない。買ったことなかったか。

 一味唐辛子ならあるけど、一瓶買っても量が少ないけど仕方ない。購入!


 すると、ロックタートルの目のあたりに一味唐辛子の瓶が出た。


 あっ! そうか、今まで少額で出してたけど、いっぱい出そうと思うと1個単位で買えちゃうからパッケージごと出るのか。しくじった。


 ってことは小麦粉粉塵爆発は1.99kgくらいまでしか無理。パン作りにハマった時に20kg大袋の小麦粉買っておけばよかったなぁ。


 あと、考えつくのは……


 色々実験をしていたので残額が少ない。


 とりあえず、水をかけて塩をかけて、ガソリンを出して電気を出した。


 ちゅどーん!!


 それなりの爆発だ。黒煙がすごい。


 いけたか!?

 と思ったが、ロックタートルは甲羅が分厚いので耐えたようだ。

 ダメージはあったようだが、まだ倒れるまではいかない。


 いやこれ、無理だ。もう残額がつきた。


 ただ、魔物ということは、もしかして「封印」できるのだろうか。


 意識を集中して「封印」を発動させる。


 使ってみてわかった。これは確率スキルだ。

 スキルレベルが低いと確率も低いのでかかりにくい。

 そして、掛かっても封印までに時間がかかるやつ。

 さらに、連続使用はできない。再使用まで待ち時間がある。


 当然のようにか失敗した。んー再使用できるまで待って再度試すも再度失敗。

 っと待って。これ封印対象を選べるな。

 封印対象を細分化すればいけるのかもしれない。


 『《かみつき》を封印』


 おっ、いけた。いけたけどなんていうか根本的な解決にはならないやつだ。


 手を上げてひらひらさせる。お手上げです。

「スキルが尽きた」

 そう申告すると、

「目潰しは効いているし、なかなかの攻撃だった」

 と言ったジュドさんが剣を抜いてロックタートルに向かって行き、一振りで首を落とした。瞬発力と跳躍力がすごい。


 強すぎてびっくりである。

 頼れそうだと思ったから頼ったわけなのだが、それにしても一振りって。


 ジュドさんが倒れ込んだロックタートルをむんずと掴んで鞄の中に押し込むと巨体が消えた。


 マジックバッグ、あるんだ。


 また一つこの世界のことを知れた。マジックバッグがあるということは鞄の中から物を取り出す分にはストレージはあまり気にしなくてよい能力なのだろうか。

 あ、でも、私のはちょっとおもしろストレージになってしまっているのだった。





 今日使えるお金が尽きたので実験検証はもうできない。

 ということで、良い時間になっていたので軽くお昼を食べて戻ることになった。

 ジュドさんが携帯食らしき固いパンと干し肉を取り出したので、

「もしよければ食べてくれ」

 とラン◯パックをジュドさんに差し出してみる。包装はこっそり外してから。


「これは?」

「パンに具を挟んだものだ」

「パンにしては全てが白すぎないか?」

 ああ、全粒粉が主だったら白いパンはあまり見なかったりするのだろうか。それとも食パンがないのかもしれない。食パンの白くて柔らかい部分だけを使っているから見た目真っ白いよね。

「そういうパンなんだ」

 押し切ると、少し眉をひそめながらも食べてくれた。


「柔らかくて甘くて美味い。中身も美味い」

 一口食べると後は早い。すごい勢いで食べてくれたので気に入ってくれたのだろう。良かった。

 多分足らないだろうけれど、ツナマヨに続いてたまごを差し出して、自分はピーナッツクリームをかじる。

 ピーナッツクリームが一番好きだ。


 もそもそと食べていると、

「これなら、偏食のうちの妹も美味いと食べるかも知れないな」

 思わず漏れたようなつぶやきが聞こえた。

「妹。きっと可愛いんだろうな」

「ああ、可愛い」

 言い切るところを見るとかなりのシスコンなのだろう。優しい目をしているので良いお兄ちゃんなんだろうなと思う。

 話を聞いてみると、とても可愛いけれど、小さいころから偏食で病弱で、ふせっている事が多いそうだ。

 パンも色が薄めで柔らかいものしか食べないらしく、それをこの白すぎるパンで思い出したよう。


「これはどこで買えるんだ?」

 そう聞かれて困る。

 困るが、もういろいろ見せているし、正直この世界の情報が少なすぎてこのまま生きていけるとも思えない。

 ジュドさんはいい人だと思う。私に人を見る目があるかどうかはちょっと疑問があるが、短時間だが、ジュドさんにもし騙されたりしても仕方ないなって思うほどには好意を持っている。


「これはその、能力で出した。ちょっと相談に乗ってもらえるか?」

 もうホント正直に説明して助力を乞うことにした。

誤字報告ありがとうございました。助かります!

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― 新着の感想 ―
たよれる彼氏!
火種は電気あるなら安定ですなー
おかしい普通は作者の欲望を詰め込んだばいんばいんの女性か、ケモロリかが出てくる筈なんだが出ないなぁおもてたら主人公女性だったわ
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