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魔王と呼ばれたプロゲーマー、ストリーマーとなり復活する  作者: 中野楓


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かすたむ

 リハビリ配信からしばらく経ち、いよいよカスタムの日が来た。久しぶりの競技だが不思議と緊張はしていない。むしろ楽しみだ。既に3人で通話もしている。

『いや〜、また2人とこう言う場に来ることはないと思ってたから本当に嬉しいよ。』

『私だってそうだよ。kazuさんが有名になってくの見ててなんか別世界だなっておもってたから。』

「ちょっとわかるかも。なんか一歩引いたとこから見るとそう言うふうに見えんだよな。」

 プロを辞めてすぐは本当に別の世界の人みたいに見えたし、自分ではこうことは出来ないとも思っていた。サミット入ってからは周りの奴らのお陰で多少自信が戻ったけどな。やっぱり現プロにエイムで勝つことほど楽しいものは無いからな。自信もつき、日頃のストレスも発散できた。

『いや、俺からしてもそうだぞ。8toはさみっとに就職したから、所属してるプロからどうな感じか聞かされてなんかアイツは真面目に働いてんのに、俺何やってんだろって何度か考えたからな。』

なるほど。向こうもそう感じてたのか。

『まあ、それが今じゃこっちの仲間入りだ。』

『え〜、kazuさんは私達が戻ってきて嬉しくないんですか?そうだとすると悲しいな?』

『いや、嬉しいに決まってんじゃん。しかも同じチームでできるんだぞ。』

「そういやカスタムって何時スタートだ?」

『えっと、20時からかな。公式の配信はそろそろ始まるみたい。僕らもそろそろ配信始めるか。ちゃんと遅延付ろよ。』

『了解です。』

「えっと、遅延遅延っと。はい、つきましたっと。」

『僕の方も。』

『え?2人とも早くない?…これで出来たかな?』

「まあ、遅延さえ付いてればいいでしょ。」

『まあな。てか時間あるけどどうする?と言ってもランク行くには微妙な時間だけど。』

『私は射撃場でちょっと調整してるよ。』

『まあ、そうだよな。俺も行く〜。8toは?』

「俺?うたた寝?」

『いや、緊張感ないな〜。』

『まあ、下手に緊張してるよりいいでしょ。…いや、8toが緊張してるところってみたことない気がするけど。』

「実際ない気がする。…ああ、でも初めての公式戦は多少緊張したな。」

あれ、これって異常なのか?まあ、いいか。


 そんなこんなあり、運営からカスタムの参加コードが送られてきた。

『いよいよだな。』

『あ〜、この感じ久々だな〜。』

「まあ、いつも通りやればいいだろ。メンツがヤバすぎてチャンピオンとか取れないだろうし。」

『まあ、そうだよね。トッププロだらけだもん。さすがに厳しそうだよね。』

『でも8toがいればワンチャンありそうなんだよな。てかこれ一通り終わったらインタビューあるんだな。』

「そんなんあるんだ。まあ俺らにくることはないでしょ。」

『なんか、8toの場合フラグにしか聞こえないのは僕だけ?』

『うーん、否定しきれないな〜。』

「いや、流石にこんな激ヤバなメンツの中じゃ俺なんて大したことないって。」

なあ、そうだろみんな。


 その後予定通りカスタムは進行していき、そして数時間が過ぎた。俺としては今回勝ちを狙いに行くよりも、現プロのプレイングをじっくりと見ようと思っていて、実際得るものは多かった。そして現在。


「おい、だれだよフラグ立てた奴は?」

『いや〜、僕としてもここまで綺麗に回収するとは思わなかったよ。』

『私もそうだね。でもあそこまで暴れてたら、納得だよね〜。』

「え?俺なんかやっちゃいました?」

『うん、盛大にやってるね。キミ今日のキル数覚えてるかな?』

「え?20行かないぐらいじゃない?」

『いや、8toさ。このカスタムでそんだけできれば普通にプロいけるだろって数じゃん。そりゃインタビューでしょ。』

「いや、真面目に嫌なんだけど。変わってくんね?…って社長からDMで呼び出されたんだけど!…しゃあないから行ってくるわ。」

『www社長からっDMって!逃げるかもって思われてんじゃん。さっさと行ってこいやwww』

『頑張れ〜、私達は気楽に見てるよ。』

「うい〜。」

 そうして俺はインタビュー用の部屋に入る。そこで少し待ち俺の場合が来た。

『さて、お次はかつて[魔王]の通り名で親しまれていた元G&Aプロであり、今カスタムのキル数トップの8toさんお願いします。』

「どうも、8toです。」

『まず、今回のカスタムは復帰後初のこう言った競技でしたが、どのようなお気持ちで望まれましたか?』

「久しぶりなのであまり勝ちにこだわらず、気楽にと言いますかいつも通りやれればいいと思ってました。」

『なるほど。特に緊張などもなかったと?』

「そうですね。僕もチームメイトの2人もガチガチになることなくいつも通りのプレーが出来ましたね。」

『なるほど。今回、メンバーは元々大会にも出ていたお2人と言うことで連携もすごく取れている印象でしたが、その辺はどうでしょうか。』

「僕としてはすごくやりやすかったですね。長いこと一緒にやってきた2人なので、お互いに何をしたいか最低限の報告でできたので。」

『チームとしても非常に安定して順位を上げていましたが、やはり8toさんが1人の場面で何度か他の部隊を全滅させる場面がありましたが、どのように考えていたのでしょう?』

「え?どのように?…上手く相手の背後を取れていて、投げ物があれば迷わずいきますね。中距離の撃ち合いには自信あるのであとはその間合いを保ちながら戦うことですかね。」

『おお、このレベルの高いカスタムでも自信を持って戦えるのは流石ですね。さて最後になりますが、今後このような大会などへの参加についてはどのようにお考えですか?』

「こういったガチの競技はたまに参加するぐらいで良いですかね。結構精神的にくるので。」

『確かにそうですね。8toさん、ありがとうございました。』

「はーい、こちらこそありがとうございました。」

ふ〜終わった〜。さて戻りますか。

「いやー、終わった〜。」

『おっ、きた。乙〜。』

『お疲れ様。ちゃんとできるじゃん。』

「いや、試合より疲れたわ。もうしばらくインタビューは受けたくないよ。」

『それよりも8toは配信切ってきなよ。僕らはきってるからさ。』

「おー、じゃあ締めてくる。」


「え〜てことでお疲れ様です。久しぶりのちゃんとした場だったんですけど、ちょっとはいいプレーできたんじゃないかなーと思います。ではまた次の配信で会いましょう!お疲れ様でした〜。解散!」

そういって俺は配信を閉じる。

誤字脱字などありましたら教えてください。

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