公式配信
スタジオに行くと既に配信の準備が整っており、今日の配信に関わる社員が集まっていた。
「相変わらず広いスタジオだな。」
「私、他の事務所のスタジオとか入った事ないからその辺はわかんないや。」
「僕が前に入ってたとこのはここの半分くらいなもんだったよ。大体のプロチームはスタジオ広くするより、練習場所に力入れるからね。」
「そりゃそうだ。ウチぐらいだろうな、ここまでしっかりとしたスタジオあるのは。…あ、桜井さん。」
「おっ、来たね。いやー、また君達3人が揃っているのを見るとは。」
そう言った桜井さんは、どこか感慨深い表情をしていた。
「お久しぶりですね、桜井さん。またよろしくお願いします。」
「よろしくです。」
「こちらこそ、よろしくね。とりあえず今日の配信は新部門設立とメンバーの紹介だね。まあ、いつもの感じでやって貰えればいいから、気楽にね。」
「了解です。」
「じゃあ、向こうに立っててもらって。社長が来たら始めよう。」
しばらくして社長が来ると特にリハーサルも無しに配信が始まる。
「皆さん、本日はさみっとの公式配信にお越しくださりありがとうございます。先日のSNSでの発信や8to君の配信で知っている人も多いと思いますが改めて発表します。この度、さみっとの新部門としてストリーマー部門を開設いたしました。こちらの部門では所属している方にさみっとの名を広く知っていただくことや、eスポーツの知名度拡大の為に、様々なプラットフォームでの配信をしていただくことを目的にしています。配信内容はゲームメインにはなると思いますが、特にこちらから指定はせず、それぞれの個性が生きるような配信ができるよう、こちらが全面的にバックアップしていきたいと思っています。…説明はこんなところで、メンバー紹介に移りましょう。3人ともこちらに。」
そう呼ばたので俺達3人は緒方さんの横に立つ。地味に俺と真昼は初顔出しなのだが、特に緊張はしていない。
「それでは、初顔出しが2人いるので改めて自己紹介を。」
「じゃあ、俺からですかね?え〜さみっとのストリーマー部門として表舞台に戻って来た8toです。今後顔出しするかは未定です。」
「終わり?じゃあ僕だね。といっても最近は顔出ししてたので知ってる人がほとんどだと思いますが、Kazuです。再びこのチームが揃って嬉しいです。」
「私かな。レインという名で活動していましたね。お久しぶりです。」
「と言うことで数年前うちで活躍していたG&Aプロの3人が改めて揃うことになりました。3人の気持ち次第ではありますが、今後この3人で大会に参加することがあるかも知れません。その時は是非とも大会のリアルな空気感を配信を通してでも感じていただけたらと思います。また、ストリーマー部門自体まだまだ人数を増やしたいと考えいるので、お楽しみに。それではこれにて配信を閉じさせていただきます。概要欄に3人のチャンネルを貼ってあるので、是非ともフォローをしていただきたいです。ご視聴いただきありがとうございました。」
その言葉の後4人揃って礼をして配信が終了し、桜井さんが話しかけてきた。
「お疲れ様です。3人とも配信になっても変わらないな。視聴者の反応も良かったし、同接もかなり伸びてたから良かったよ。」
「まあ、今更変にキャラ作るのもめんどいんで。」
「そんなところですね。あれぐらいで緊張してたら大会なんて出れませんから。」
「ふふ、心強いよ。ああ、そう言えば来月うち主催でアリーナのカスタム開くけど出てみたい?」
「そんなのありましたね。来月か…リハビリにはちょうどいいかな。俺としては出てみたいですね。」
「僕はどっちでも大丈夫。ブランクある2人次第かな。」
「正直俺は、アリーナ部門のやつに遊びで誘われてちょこちょこはやってるけど、姫は?」
「私?まあ、多少はね。あの頃の癖で週何回かはやってたし、あの頃までは行かなくでもある程度はできるし、やってみたいな。」
「それじゃあ、出るってことでいいね。カスタム担当の人に言っておくよ。あっ、そう言えば真昼さんは配信用のアカウントあるかな?内容ならこっちで用意するし、有れば教えてほしいな。」
「私は持ってないので用意していただければありがたいです。機材は癖で揃えてあるので問題ないですね。」
「わかったよ。アカウントは出来次第教えるね。じゃあ今日はこれで解散だね。海斗君も上りかな?」
「そうですね。基本的に半日勤務になってるので。帰ってリハビリ配信ってとこですね。」
「わかった。みんなお疲れ様。」
誤字脱字などありましたら教えてください。